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10歳代 女性 2015・11・20
ガス漏れのため折角入った高校に一度も通学できなかった。家の前が高校だった。家族との折り合いも悪くなりアパートに一人住み引きこもっていた。2階に住んでいたが、階下の住人に臭いがしたら悪いと思い、寝る時はバスタブに板を敷き、その上に毛布を敷いて寝ていた。東京から相談に来たときも、新幹線のデッキに立ってきた。遠くから来たのだから泊まっていったらと誘ったのだが、2時間くらいいてすぐに帰って行った。その2時間も挙動不審だった。漢方薬を飲み始めて半年目にもう一度やってきた。その時には数日泊まって行った。顔の表情が別人かと思うくらい明るくなっていた。人を見ることが出来なかった人が、ちゃんと顔を見ながら話していた。新幹線でも席に腰掛けてきたらしい。そしてなんと隣の乗客に、「私臭いますか?」と尋ねたらしくて、おじさんが「全然臭わない」と答えてくれてとても自信がついたみたいだった。恐らくその時点でガス漏れは治ったのだと思う。その後は長いこと引きこもっていたので体調も悪かったのでその治療をした。故郷の富士山の写真をことあるごとに送って来てくれ、患者さんも紹介してくれる、何処にでもいる素敵な若い女性になっている。恋人が出来たと報告をくれ、恋人が「いい匂い」と言ってくれるそうだ。家庭内の不和から発症したのだが、僕が過敏性腸症候群の重症型でも治すことが出来ると確信させてもらったケースだ。


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