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10歳代 男性 2018.3.16
 電話を受けて開口一番が「大学合格しました」だから、僕に伝えてくれるのを楽しみにしていてくれたのだと思う。当然僕も嬉しかった。何故なら彼の場合は、ひとつだけ悔やまれた点があったからだ。
 と言うのは、彼のお母さんが僕に初めて接触してくれたのは、彼の高校受験の数日前だったと思う。過敏性腸症候群でかなりの腹痛と下痢だったと思う。受験を控えて何とかならないかと言う相談だったが、いかんせん、あまりにも時間がなさ過ぎた。案の定、間に合わず受験できなかった。せめてもう1週間、いやもう数日早かったらと思ったが、それでも効かせなければならないのだろう。
 その後彼には漢方薬を送り続けた。彼の場合は必ず本人が電話をしてくる。4年近く2週間毎に話をしたから、いや今年になってからは2ヶ月に1度くらいに減ったが、いわゆる彼が普通の高校に行っていたら高校生時代ずっと話をしていたことになる。現代は色々な救済措置が用意されているから、その中のひとつである、特殊な高校?に通いながら受験資格を取得した。そしてこの春はれて大学生になることが出来た。
 過敏性腸症候群と戦いながら、彼が頑張ってこれたのは「東京の大学に行きたい」という強い願望があったからだ。過敏性腸症候群の方の傾向として、どちらかと言うと行動的と言うよりも思慮に富んでいる人が多い。彼の場合も、年齢よりは随分と落ち着いていたが、ドラムをやり、東京の大学に行きたいという強い意思は、他の過敏性腸症候群の方とは少し違っていた。
 4年間彼を見ていて、彼の通った道が他の人にも参考になるのではないかと思った。正式なルートではなく、救済のために設けられたようなわき道ではあるが、同じ目的地に着けることを彼は証明した。
 毎日多くの方がメールや電話をくれるが、彼と同じような悩みを持ちつつ自身を制御し過ぎている人が多い。自分がやりたいことのために邁進する勇気を持って欲しい。よほどニヒルな人でない限り、ほとんどの人は夢を持っている。大小はあるかもしれないが、それに向かって少しでも近づく勇気を持ち努力をして欲しい。自分を大切にすることは決して安易に人に同調することではない。自分を大切にしてもらうなんて考えないことだ。
今回が彼の最後の注文。お守りに持っておくそうだ。


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