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70歳代 男性 
足が火照って眠れないと病院に行ったら、眠り薬をくれた。さすがにそれを飲めば眠れるから、火照らなくなってからもずっと飲んでいる。
もう止めよう、もう止めようと薬を飲まずに睡眠に挑戦してみるが、睡眠薬を飲まないと全く寝付けない。
そのことが怖くなって相談に来られた。
漢方薬は現代薬のように脳の中に侵入出来ないからそれだけ安心だが効きにくい。ただご本人は睡眠薬を飲むことに抵抗があったので頑張って漢方薬を飲むと言ってくれた。
1か月分漢方薬で睡眠効果のあるものを作って飲んでもらったら、今日来られた時に、病院の薬が半錠になったと喜んでいた。
この男性のように、化学薬品を脳に入れることに抵抗を持っている人は多い。

70歳代 女性 
大学病院とある総合病院の2か所で数年間治療していたが全く効果がなかったので、相談に来られた。
首から上が熱いから昼は扇風機を顔に向けて回し、寝る時はアイスノンを敷いて眠っていた。逆に足には夏でもこたつの中に入れ、毛布を掛けていた。
煎じ薬を1か月服用してほとんど治ってしまった。「時々熱いなと感じることがある」程度だから本人は大満足。わずか28日分で希望がかなったから不思議がっていた。
病院で出されていたのは当帰芍薬散。「無理じゃ!」

30歳代 女性 (過敏性腸症候群 ガス漏れ型)
よかったです。
コーヒーを飲むのが、一日の楽しみだったりします。
喫茶店にコーヒーを飲みに行ったり、美容室に行ったり、できるようになっています。
ありがとうございます。

 50歳代 女性 
昨年3回目のコロナワクチンで副作用が出て、肩をずっしり押さえられる、むくむ 倦怠感が続いて仕事がしんどいという相談で来られた。
この症状は2か月くらい煎じ薬を飲んで完治したが、その後漢方薬を気に入ってくれて、心身ともに元気で働き続けられる薬を作ってと頼まれ、ずっと飲んでいる。女性を元気にする心、血液 リンパ、体力のすべてを網羅したような処方だ。
今日その煎じ薬を取りに来た時に、「インフルエンザやコロナの患者さんがたくさん来られるけれど全然移らないわ」と嬉しそうに教えてくれた。看護師さんだから結構有難いみたいだ。
医療関係者はワクチンを打たなければならないが、副作用が出たことで以降免除してもらっているみたいだ。

80歳代 女性 
 その表情で「変化がない」とは言わせない。
 2週間前にご主人に無理やり連れてこられた高齢女性が、2週間ぶりに漢方薬を取りに来た。煎じ薬を飲んでいたご主人に悪態をついていたくらいだから、持って帰った煎じ薬を飲んでくれるかどうか不安だった。
 ただ2週間前に問診をした時に、「数年来の頭の中の靄が晴れた」と言ってくれていたから少しは期待していたのだが、案の定「どうでした?」と尋ねた僕に「変化がない」と答えた。ただし、煎じ薬は抵抗なく飲めたらしい。
 そこでその顔。嘘は付けないよと言いたいくらい別人の顔をしていた。2週間前は、全く無表情で、僕の質問にも当然のようにご主人が答えていた。途中から無視して、ご主人の方を一切見ないようにして問い続けたら心を開いてくれて、靄発言を勝ち取ったのだ。
 表情から僕はかなり調子がよくなったと気がついていた。だからカルテに書いていた「朝起きれない」「焦燥感で部屋の中を動き回る」の現況を尋ねてみた。するとどちらもこの2週間なくなったみたいだ。あとは「やる気が出るようになったらうれしい」そうで、それも時間の問題のような気がした。傍に腰かけていたご主人も今日はニコニコして、口をほとんど挟まなかった。
 そこで僕はやる気ムンムンを如何に出してもらおうかと考えた。そもそもやりたいことがあるのか、このうつ病(病院の診断名)になる数年前までやっていたことがあるのかを尋ねると、どちらもないのだ。高齢の夫婦が1日中顔を見合わせていたら、それこそウツウツするに決まっている。
 こんな時に僕がお勧めするのがパチンコ。「奥さんパチンコにでも行ったら!」と言いながら昔取った杵柄を思い出し、身体を傾け、バネをはじく真似をしたらえらい受けて「そんなところには行きませんよ」と大笑い
 そこで引き下がったら、この奥さんの回復を早めることが出来ないから次なる助言をした。「奥さん、そんなにパレスチナのことが心配なら、ガザに行ってライフル撃ちまくったら」と高尚な話題に変えた。もうこうなると付いてこれないみたいで、何も言わずに笑っていた。
 格調高い僕の相談薬局はいつもこのような話ばかりで、陰とか陽とかは出てこない。そもそも僕が分かっていないのだから出て来ようがない。ただ、僕の非力を笑いが助けてくれて、漢方で言う気が巡るのか、数年間精神病薬を飲んでいた人でもわずか2週間でこんなに変わる。と言うか本当に心の病気だったのかと疑いたくなる。 
 今は亡き僕の漢方の師も、思えば講義の間ずっと笑顔にさせてくれていた。関西の先生で笑いが当然のように溢れていて、陰も湿も虚も寒も30数年一度も出てこなかった。もしそのような単語が乱舞する講義だったら、僕はすぐに脱落し、歌って踊れる薬剤師を目指していただろう。


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