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 この時期のかゆみ(帯状疱疹も含む)は発散するほうが結果的に改善が早いというのが前回のトピックスの内容でした。今回はその補足を少し。
 かゆみや湿疹が春から夏に出るのは体の方向性からいえば正常な反応というのが前回の内容に出てきましたが、それと同時に上半身と下半身に分ければ上半身に出てくるのは比較的正常な反応といえます。これは東洋医学では「表」(ひょう)という一字で体の表面を表すのですが、厳密に言えば体が発散する場合は体表面のうち上半身に反応が起きるという理論があります。この理論を応用しますと、春から夏に上半身に起こるかゆみは比較的軽症で、下半身の起こるかゆみは比較的治り難いと考えます。特に秋から冬にかけて発症する下半身のかゆみは手強いと考えるわけです。
 この場合は毒素が長い間停滞してあるボーダーラインを超えたために表に表れた症状であると判断して、隠れた部分に相当量の処理しなければならない毒素が停滞していると判断します。発散するお薬を併用しても良いのですが、基本方針は長い間の毒素を体表面以外の経路も使って排泄していく作戦に切り替えます。もうひとつの経路は「尿」です。逆に言えばこちらのほうが本来のデトックスの経路で体表面以外の部分に停滞した毒素を一番の毒素排泄機関である「腎」に活躍してもらいます。
 漢方薬には腎炎などの病気の場合でなくても「腎」の働きを助けてくれる「補腎薬」というグループがあります。発散による治療に比べると少し時間がかかりますが、それだけ下半身の症状や秋から冬に現れる症状は根が深いのだと覚悟を決めて、じっくり取り組んでいく事が大切なポイントになっていくわけです。

 立春が過ぎてもまだまだ寒い日が続きますが、季節は確実に春に向かっております。
 ご来店いただくお客様の中でかゆみの症状をおっしゃる方が増えてくるのもこの時期の傾向です。帯状疱疹や湿疹を含むかゆみを伴う疾患に対する場合、東洋医学ではその症状が現れた季節に(春・夏なのか、秋・冬なのか大まかには二つに分類します。)注目します。この時期から始まるかゆみは、秋から冬にかけて体に溜まった毒素(食べ物などに含まれるアクなども含む)のうち体表面に近い部分に溜まったものが汗腺が開く季節になったためにそれを利用して外に排泄されているためで、自然の力を借りて体が行っている今時の言葉で言えばデトックス(毒素排泄)なのです。悪いのは毒素ではなくておいしいものをたくさん食べた食生活なのに、患者さんの多くはかゆみを抑えるためにステロイドなどの症状を改善するお薬で押さえ込みにかかります。表面に近い部分なので体としては汗で処理したいので、再度チャレンジするという薬と体の鬩ぎ合いが始まります。体表面の停滞時間が長くなりますから”そうこう”しているうちに発散しきれなくなった毒素が汗腺周辺に留まる様になってしまいます。それが痛点(痛みを感じる痛点・かゆみを感じる痒点は体の表面にしかありません。)の周辺に留まってしまうのが、帯状疱疹後の神経痛という現象です。西洋医学では水疱瘡のウイルスと結びつけて説明しますが、停滞させるから結びつくわけで早く通過させてしまえば結びつく可能性は低くなると考えるが理論的ではないでしょうか。
 私はこの時期に来られる痒みを伴う症状のお客様には、説明納得していただき、発散によって痒みを改善する漢方薬を使います。痛みを伴う症状に移行して長い期間悩むようになるよりかは、2週間から一ヶ月の苦労は頑張っていただくのが基本方針です。もし辛い期間をもっと短くするのなら、毎日お風呂に入っていつもより少し汗が出るまで温まってもらいます。(最近の若い女性は湯船につからない方が意外と多いのに驚きます。体表面毒素だらけでお化粧を塗りたくっているのですね。)これで治れば、体自体の方針に沿った一番素直な治し方というわけです。
 春先に痒みを発症する傾向の方は是非ご参考に。
 


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