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江戸時代の本草学者、貝原益軒先生が書かれた養生訓に「五味をそなえているものを適当に食べれば、病気にかからない。いろいろな肉でも野菜でも、おなじものを続けて食べると、それが身体に滞って害になる」と書かれています。
ちょっとずつ種類をたくさん食べましょうということです。
五味とは「甘いもの」「苦いもの」「辛いもの」「酸っぱいもの」「塩辛いもの」の五つの味で、それぞれが人間の五臓の働きを良くしますが、どれであっても、同じ味のものばかり食べ過ぎるのは良くありません。

今は学校で食育指導が行われています。
その背景に、朝ごはんを食べずに学校に来る子供が増えているようです。
子供ばかりではなく、若い人たちの中に、日に三度、コンビニなどで自分の好きなものばかりを買って食べている人も多いようです。

私は講演などで出かけることが多く、新幹線などで移動するとき、「幕の内弁当」を良く買っています。
少量ずついろんな食材が使われて、味も良く気に入っています。
現代に生きる私たちは贅沢に慣れているので、幕の内弁当くらいではピンときませんが、ちょっとずついろいろなものが食べられる豪華なお弁当として見直してみてください。

解説:惠木 弘(恵心堂漢方研究所所長)

漢方薬専門 東医堂 杉山薬局
〒355-0047 埼玉県東松山市高坂1088
相談電話 0493(35)0890 
定休日 日・月・木曜、祝日
当店への漢方相談はこちら >>
塩と言えば「塩をとるな、血圧が上がりますよ」「減塩しなさい」「塩分控えめに」と言います。
健康には減塩しなさいとよく聞かされます。
塩は全くの悪者にされてしまっていますが、果たしてそうでしょうか。

病院では、危篤の病人に点滴している「リンゲル液」と言うクスリがありますが、これは約1%の塩水です。
つまり、塩化ナトリウムの溶液に少量の塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムなどを加えた液です。
この液でまさに生命の火が消えようとしている重病人が救われるのです。
こういう現実があるにもかかわらず、塩は悪者にされています。

実は、平成九年専売制が廃止されるまで、手に入る塩と言えば、専売局の食卓塩しかありませんでした。
これはほとんど純粋な塩化ナトリウム(99.7%)という化学薬品です。
食養で言う塩は昔から用いられてきた海水塩すなわち自然塩で、専売局の食卓塩と混同されていたのです。
現在日本で作られている塩は、海水を煮詰めて作る「膜濃縮せんごう塩」で世界一安全で綺麗な塩になっておりますが、塩化ナトリウムは99.2~7%で、自然塩として売られているものは93~95%です。

人類の先祖は海から生まれてきたと言われています、
人間の血液中には0.85%の塩分が含まれ、PH(ペーハーと言って、酸性、アルカリ性の度合いを示す数値。7が中性でより少ないと酸性)7.4の弱アルカリ性です。

また、羊水も塩水です。
太古の海水にそっくりだと言います。
この塩水の中で胎児が育ちます。
生命を次の代に引き継ぐ胎児は最高の環境の中で育てられるはずで、それが塩水なのです。

高血圧には減塩せよと言われていますが、確かに食卓塩(精製塩・塩化ナトリウム99.5%)をとると血圧が上がります。
しかし、自然塩をとると血圧は下がるし、低血圧は上昇し正常値になると言う実験があります。
精製塩と言うのは食物ではなくて有害な「化学薬品」と言う認識が食養の世界に広まっています。

人間が普通食べている食物には純粋なものは一つもありません。
こうした食物に順応して出来ている体には、自然にない純粋な物質をとっても、体にはそれに順応する力がありません。
様々な副作用が起こるのが当然で、精製塩は毒性を持っているとも言えるでしょう。
白砂糖・白米を含めて食養では、三白追放と言って忌み嫌っています。
血液の酸性化が悪いことは良く知られていますが、これを弱アルカリにするには自然塩を取れば良い事は、あまり知られておりません。
特に冬季は、体を陽性化するためにも、もっと用いたい調味料です。

東洋医学では塩の味を「鹹(かん)」と言います。鹹味の食品は、腎・膀胱と骨・歯を丈夫にし、肺・大腸を助ける薬能があり、小便・汗などの体液の排泄には欠かせない要素です。
一番合理的に余分の体液を排泄できるのは小便ですが、それには一リットルの排泄に七グラムの食塩が必要です。

口から余分な水分を取ったときは、咳・くしゃみなど皮膚や呼吸器から塩分がなくても気体として排泄できる手段で逆流(尿から排泄しないで身体上部から期待として発散すること)しなければならないことが、忘れられています。
頭痛持ちや鼻炎・痰・咳などは水分の取りすぎと塩分欠乏のための逆流現象なのです。

日本は、欧米のような大陸性気候とは異なって、年中湿度の高い気候ですので、日本漢方では体内の余剰水分を「水毒(すいどく)」と言って、漢方での治療対象としています。
「水を良く飲め」などと水分摂取を推奨している人もいますが、特に冷たい水は陰性で、体を冷やすばかりでなく、水分排泄のために体に大きな負担をかけることにもなりますので、水分摂取はほどほどにしたいものです。

ケンブリッジ大学のホジキン教授らの実験では、動物の神経や筋肉の活動性は、それらの細胞を浸している体液(細胞外液)のナトリウム(塩)の濃度に左右され、生体内にナトリウムが不足すると、神経の活動が遅れ、筋肉の収縮力が弱まることが近代医学的にも実証されています。

これは塩分の不足した人は、行動がスローになり、筋肉の活動が低下し、頭脳の働きがにぶり、しまりのない人になることを示すもので、塩分には人の心や体も引き締める作用のあることが判っています。

解説:惠木 弘(恵心堂漢方研究所所長)

漢方薬専門 東医堂 杉山薬局
〒355-0047 埼玉県東松山市高坂1088
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地球温暖化とは言っても、冬が近づき寒くなってくると、自然界のすべてのものが隠遁(いんとん)生活をするようになります。
中国の古い医学書(素問(そもん))の中で「冬の三ヶ月を閉蔵という。万物が静かに沈み消極的になる時である。すべてが収納され、貯蔵されていく時期で、決して発散してはいけない。この時期は、早く寝て遅く起きる。陽気(エネルギーと考えても良い)も深く貯蔵されていくから、心身ともに活動的になってはいけない。運動などで発汗するなどは絶対にダメである。」と言って冬の生活の仕方を教えています。

冬眠する動物や葉を落としていく植物などは、忠実にこの法則を守って、春には元気に活動し始め、草木は新芽を出したり、花を咲かせたりしています。

人間もこの時期に生命エネルギー(東洋医学では腎精(じんせい)と言って、人間が生まれ、成長し、老化していく過程に深く関与していると考えています)を蓄える時期となっています。
なお、一日の中では夜中(午後十一時頃より午前二時頃まで)が腎精が蓄えられる時間ですので、深夜まで起きて活動している人達はそれだけ命を縮めているとも言われています。

しかし、我々人間は冬だからと言って、この季節にコタツにへばりついて寝ているわけにもいきません。
そこで、厚着をしたり、暖房などして、冬を少しでも快適に過ごそうとしてきて、現代の文化生活では、年中快適な生活環境を作り出しています。

ただし、この生活この生活環境のために人間は少しの寒さにもへばって、すぐに風邪を引く人が多くなってきているように思います。
冬中風邪気味という人もいます。
このような人は養生法が間違っているのです。
健康に過ごそうとするのなら、文明にばかり頼らず、夏のうちから冬に対する体力作りをしておかねばなりません。

先ほど引用した素問では、「冬は陰の気が勝っていて、陽の気が弱っている」と言っています。
このことに調和した生活をすれば健康によいと言いますが、具体的にどうすればよいのかを簡単に説明いたしましょう。

「陰」とは、「陰気くさい」「陰気な人」と言うときの「陰」で、性格的には内向的、非活動的なものを言い、気候では寒く、冷たいものを言います。
その反対に、「陽」は活動的にあふれたもの、温かいものと言えましょう。

冬は夏に比べると、天気も憂鬱な感じがします。
動物や植物も、冬は夏に比べると、遥かに「静」的な感じがします。
この自然界に生きている人間の細胞も非活動的になっています。
そのため、日頃体の弱い人や老人、冷え性などの人は冬はつらい時期なのです。

しかし、いくら陰の気が勝っているとは言え、人間は働いて生きてゆかねばなりません。
そのためには、陰性に傾いた体の中に、陽性なものを補充しなければならないのです。
元気な人は寒くても動き回り働きますが、弱った人や冷え性の人などは、寒くなると手もちぢかんで動き回る気にもなりませんが、暖房して部屋を暖かくすると、今まで震えていた人が見違えるように活発になってきます。

これは熱という陽の気を陰の気の強い人に与えたので、体の中の陽の気が増えて動きやすくなったのです。
これと同様に、食物によって陽の気を補うことが冬季の食養の一番重要なことです。

それならば植物性食品をやめて、動物性食品をうんと沢山食べても良いだろうと早合点してはいけません。
季節の如何にかかわらず肉食をし過ぎると、健康を害すると言うことは皆さんも良くお分かりの事と思います。
生活習慣病の中でも一番気をつけなければならない「動脈硬化」の原因の一つに動物性食品の食べ過ぎが指摘されています。
では、肉食に変わる陽性な食品は何でしょう。

昔の人は、冬になるとよくふろふき大根を食べていました。
野菜は陰性の食品と言いますが、その中でも根の部分は陰性が弱く、加熱して陽性化してそのうえに陽性の味噌をつけて、体の温まる食べ物にしたのです。

料理法では、熱を加えること(煮る、炒める、焼く)そのうえに、陽性な動物性食品と共に熱を加えてなるともっと陽性になります。
例えば、鍋料理のように、白菜と魚を一緒に煮て食べると、体がポカポカと温まってきます。
食べ終わった後、寒い戸外へも平気で出て行けます。
これは、食べた野菜が陽性になったと考えることが出来ます。

調味料の中では、塩・味噌・醤油が陽性のものです。
キュウリに味噌をつけて食べるなど、塩などを野菜料理に用いることが必要です。

冬の季節は、料理して陰性のものを陽性のものにして食べているのですから、陰性の食品はなるべく食べない方が良いでしょう。

果物、甘いもの、冷たいもの(果物の中でも柿は非常に陰性です)は体を冷やすので、冷え性の人、喘息のある人、寝小便のある子供、貧血、神経痛の人、消化器系の弱い人などはなるべく食べないようにしましょう。

みかんも冬季は美味しい食べ物ですが、食べ過ぎてはいけません。
毎日は食べないようにして、一回一~二個ぐらいで我慢しましょう。

解説:惠木 弘(恵心堂漢方研究所所長)

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なぜ半夏瀉心湯でなければならないか

話を漢方胃腸薬に戻しましょう。安中散より半夏瀉心湯を勧めるのは、現代医学的に言うと胃腸には暖かい部分と冷たい部分があり、冷えに対しては温め、熱の持ち過ぎに対しては冷ます必要があるからです。

半夏瀉心湯を構成する生薬は7つありますが、冷やす作用がある黄連(おうれん)と黄芩(おうごん)、温める作用がある乾姜(かんきょう)と半夏(はんげ)、そして脾の働きを根本から改善する作用がある人参(にんじん)、大棗(たいそう)、炙甘草(しゃかんぞう)という絶妙な組み合わせの処方なのです(半夏が5g、黄連が1g、その他は2.5g)。
こんなタイプの胃腸薬は現代胃腸薬には皆無。
消化を助けるための酵素くらいはありますが、温めたり冷ましたりする作用の薬はありません。

半夏瀉心湯が温める一辺倒の安中散より優れているのは、一つの処方に寒剤と温剤が理想的に調和されているからですが、これが胃腸のあらゆるトラブルにオールマイティーに使える根拠なのです。
つまり市販の漢方胃腸薬・安中散は、神経性胃炎とかお腹がすくとすぐ痛む胃の症状には適していますが、潰瘍には使えませんし、嘔吐や下痢にも効果はありません。

嘔吐は摂取した食べものの滓を下に運ぶべきところが上に昇ってしまうこと、反対に下痢は上に持っていこうとしているのに下へ行ってしまうことで、いずれも脾胃がトラブルによって逆の働きをしているわけですから、こういう場合の脾胃の調和薬としては半夏瀉心湯がベストなのです。

実は安中散の原価は半夏瀉心湯の原価のわずか3分の1。半夏瀉心湯の生薬のうち、人参と黄連が特に高価だからです。
だから製薬会社は安中散を大衆薬として量販するわけですが、半夏瀉心湯を日本人がもっと広く使えば、消火器の健康ばかりか、先ほど説明したように肺の活性化(元気の素)にもつながる利点があるのです。

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東洋医学が明かす脾胃と肺と「元気」の密接な関係


私はグルメの過食による胃のトラブルの解決には、「半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)」をおすすめしています。
安中散が「気(き)」をめぐらせて温めるという2つの作用の処方であるのに対して、半夏瀉心湯は温める、冷やす、そして気をめぐらせるという3つの作用があるからです。
胃腸薬になぜ3つの作用がひつようなのでしょうか。

東洋医学では胃腸を「脾胃(ひい)」という概念でとらえます。
脾はものを代謝(消化)させてエネルギーを作る役目を持つ部位で、これを「臓(ぞう)」といい、胃はそのエネルギーを蓄えたり運んだりする役目の部位で、これを「腑(ふ)」と言います。
脾は五臓の一つ、胃は六腑の一つで表裏の関係にあります。
東洋医学の胃は現代医学でいう胃と同じものですが、脾は現代医学でいう脾臓を指すのではなく、姿かたちの見えない「胃腸の黒子(くろこ)」のようなものと考えてください。

脾胃は生理的に正反対の働きをしています。
つまり、脾は気を上部の肺のほうへ運ぶ働きを、胃は気を下の方へ運ぶ働きをしているのです。
ですから脾から出る気は上に上昇するのが正常で、食物から得たエネルギーを肺に運びます。
肺はそのエネルギーを原料にして呼吸をし、酸素を取り入れて「元気」の原料とするのです。

一方、胃から出る気は下に向かって消化した滓(かす)を運び、便として排泄させます。
脾胃はまさに、現代医学でいう胃腸ですが、東洋医学はこれを単なる消化器官としてとらえるのではなく、気の流れと合わせてとらえるところに特徴があります。
すなわち、我々の体は気が動くことによって成り立つとするのです。
胃腸を健全に保つことがいかに大切か、お分かりいただけると思います。

ここで、少し気について解説しましょう。
気はエネルギーと同じ概念ですが、上に昇るのが正常な気もあれば下に降りるのが正常な気もあり、それぞれが逆の働きをすると体に異常が起こると考えられています。

そして気には衛気と栄気の2種があるとされ、衛気は体表や血管の周りで活躍し、外からの侵入者を防ぐ免疫的な働きをしていると考えます。
一方栄気は、血管の中に入って血液になる気で、体の中の全細胞に栄養を与える気ととらえています。

解説:惠木 弘(恵心堂漢方研究所所長)

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