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顔面の紅潮した症状のアトピー性皮膚炎
33歳の主婦。乳幼児の頃からアトピーがあり、継続的に治療をしていた。

一時期はよかったが大学生になった頃から悪化し始め、季節の変わり目

には両肘・関節部に皮膚炎が出るので、市販のステロイド軟膏を塗って対

処していた。皮膚の状態は、顔面、特に頬に中程度の紅潮し

た皮膚炎が見られるが、他の場所は現在治まっている。そこで、顔面のの

ぼせ型の皮膚炎に使う

    「皮炎湯(ヒエントウ)」を内服で煎じ薬にし、外用は

     夜間のみ「中黄膏(ちゅうおうこう)」を、日中は「太乙膏(タイ

     ツコウ)」を患部に塗ってもらう。

数日後、一度汗をかいて、皮膚面が悪化するもののすぐ「モクタール軟膏」

にてよくなり、その後数週間ほどで正常な皮膚になった。そこで保湿の目

的で市販のクリームを使ったところ、皮膚が一時悪化してしまったためあ

わてて使用をやめた。正常な状態に戻るまでに数週間かかったが、その

後異常はない。

このように、炎症の強い状態には皮疹の部分は問わず、セッコウの入っ

た皮炎湯や白虎湯(びゃっことう)などが良く効果がでています。
更新日:2010/03/07


慢性腎炎・・・漢方薬の腎加減にてタンパクが消える
47歳の会社員。
10年前の健康診断でタンパクが尿中に出ていると言われましたが、そのままにして治療を受けていませんでした。それ以降も年1回の健康診断の検査で、常にタンパク尿の異常があった。

今回の検査でもタンパク3+と尿潜血反応1+と報告をうけるも、特に薬はなく不安になり来局。

本人の体格は長身で細身。現在の症状としては、以前から疲れやすい程度で、排尿には特別な異常はありません。舌は白い苔があり大小便ともに正常、血圧が年齢にしてはやや高い。食欲・睡眠ともに異常なし。以前の検査で高脂血症気味といわれたことがある。

 そこで、風邪をひき易いので、免疫抵抗力増強と慢性炎症に使う小柴胡湯腎加減(しょうさいことうじんかげん)をエキス剤で服用することに。

ところが、服用後1週間して顔がむくむようになったので、その処方に五苓散(ごれいさん)を加えることにしました。

それから3ヶ月服用後に検査をうけると潜血反応は変わりませんでしたが、タンパクは1+になっていました。

その後、風邪をひいても新薬の風邪薬は避け、漢方薬の葛根湯(かっこんとう)や柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)を煎じて服用し、風邪をこじらせないよう心がけました。

それがよかったのか、半年後には尿タンパク・潜血反応ともに正常になり、体調もよくなり、それ以後は検査だけおこなって様子をみること1年、尿検査は正常です。
更新日:2010/02/24


ステロイド離脱後のアトピー性皮膚炎に漢方煎じ薬
35歳の公務員。

17年前ころに、大学通学のため下宿して通いだしたころから、以前あったアトピーが

劇てきに悪化した。すぐ皮膚科でのステロイドにて治療する。

しばらく、皮膚症状は落ちついていたが、去年5月に再燃して、全身に紅潮して皮疹

がでて、ステロイドをふたたび、塗布する。すぐよくなるものの、ステロイドの継続使

用に不安があり、抗アレルギーの内服薬のみにして、ステロイドは3ヶ月で止めた。

すると、翌月から、よくなっていたところも再燃して、汁と痒みのため、夜もねれない

ような状態に。

手を皮膚にあてただけで熱が伝わるくらいの、炎症が顔面及び全身にあって、皮膚

がものにあたっても痛い。

これに

       1)皮炎湯の煎じ薬
       2)20%モクタール軟膏をぬれるところに。

30日後には、身体幹部はまだだが、顔面は半分は炎症が治まってきて、皮膚の熱

もだいぶよくなる。 現在継続服用中。
更新日:2010/02/15


花粉症・・・漢方薬の組み合わせ処方で抗アレルギーを
今月20日ごろから、例年花粉症で漢方薬を服用している人が、来局し始め、改めていよいよ鼻炎の季節が到来してきていることを感じます。

以前は、アレルギーの体質改善として1年を通して漢方薬を服用させるように指導していましたが、なかなか症状のない時期にまで続けて、漢方薬を飲むことは非常ににむずかしいことと、その効果にも疑問がでてきたので、今では好発時期にだけ漢方薬を飲んでもらうことにしています。


例:53歳の会社社長。5年前より毎年1月から4月まで
    苓甘姜味辛夏仁湯(りょうけいじゅつかんとう)に
    越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)の合方をエキス剤で

   例年の鼻炎症状(くしゃみ・鼻水)がほとんどでません。

  また甜茶を飲んで、予防効果をあげているかたもいます。

また、近年はブルーヘスペロンキンダイなどの機能性の健康食品などを
利用されるかたも増えています。

とにかく、早めにお薬を飲んだほうが、症状がはっきり出てから
服用するより何倍も効果があります。

よほどでないかぎり、新薬の抗アレルギー薬で予防するのはどうかと思います。基本的にアレルギー体質のかたは新薬の常用は避けたほうが無難です。 
更新日:2010/01/22


固定蕁麻疹・・・下肢、腹部、背中の水疱状の皮疹に漢方を提案
53歳の主婦。一年前の朝、かゆくて目が覚めると下肢を中心に五百円硬貨大の膨疹(ぼうしん)(軽い膨らみをもったみみず腫れ)ができていた。市販のかゆみ止めを買ってつけてみたが、一晩中かきむしってしまう。

以前漢方薬で湿疹をおさえられたことを思い出し来局。

皮膚の体質改善をするため「十味敗毒湯」「越婢加朮湯」を服用

本人の体格はやや肥満体で食欲、大小便とも異常はない。
皮膚の状態はあずき大から10円硬貨くらいの水泡状と結節性の皮疹(ひしん)が、下肢、腹部、背中に多数あり、かゆく、そう破痕もある。

水泡状が多くあることと出来るスピードが速く繰り返し出ること、さらにかゆみが強いことと慢性に移行する状態の体質改善をする目的で、十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)に熱のある皮疹に使う越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)を併せてエキス剤で服用した。
すると、数週間程で皮膚の状態が良くなった。



しばらくして、空き家の掃除をしたところ、顔面が紅潮し急激な悪化をおこした。

そこで一時的に顔面の炎症に使う皮炎湯(ひえんとう)に変えて症状をおさえた。

その後は以前と同じ漢方薬をとぎれながらも服用しつづけ、数カ月後には皮疹の痕跡と色素沈着を残すだけとなった。
更新日:2010/01/07


前立腺炎・・・竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)
27歳の銀行員。

5年前、就職時にカゼをひいてからと、疲れからか、そのころから排尿の回数が増えていました。そのままにして仕事を続けるうちに、排尿後に軽い痛みを覚えれようになったので、泌尿器科の受診、前立腺炎と診断された。しかし、治療が前立腺マッサージだけで効果がでず、不安になって母親と一緒にらい局。

本人の体格は痩せ型、長身。
排便・排尿は普段は異常なく、食欲もあります。舌には薄い白苔があり、時とき口の中が苦く感じることがある。

自覚症状はいつもあるわけではないが、時に排尿後に尿道の鈍痛が20分〜30分続くたり、炎症部に会陰部に不快感を覚え、気持ちが悪くなるそうです。

本人と母親に長期服用を約束してもらい、清熱利湿作用のある竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)をエキス剤で服用。しばらくは自覚症状の有無に関係なくすることにしました.

3ヶ月後には自覚症状が出なくなり、会陰部の不快感がとれて調子がよくなった。

続けること1年ほどで、全く気にならなくなった。
更新日:2009/12/28


湿疹に漢方薬の温清飲を
45歳、会社員。

若いころから特にかぶれ易い体質。3年前、仕事の疲れから腹部に1cm程度の湿疹が数ヶ所でき、皮膚科で治療をしてきたが、1年後さらに症状が広がり、少しずつ範囲が広がり首から下半身にまでできるようになった。
                             
本人の体格は長身・筋肉質、顔色は紅く、舌は黄色い苔がります。やや便秘気味で、数日に1回程度排便があります。尿や食欲は正常。
                             
患部は1,2センチくらいの湿疹が胸・背中・臀部・大腿部に及んで、患部は赤く、温まると猛烈な痒みがでて、薬(ステロイド)を塗らないと全身をかきむしることもあります。その後、患部は乾燥して落屑(らくせつ)をおこします。このような状態を繰り返していきます。

患部が移動していないことと、炎症と乾燥を繰り返しているので、血虚正風証とみて、温清飲加連翹・荊芥を煎じ薬で服用し、痒いところには清熱作用のあるタイツ軟膏をぬることにした。
                              
1ヶ月後には、患部の赤みが薄くなり、痒みも楽になりました。ただ時に猛烈な痒みのときはステロイド軟膏を塗布。

経過良好なので同じ薬を2ヶ月ほど続け、その後湿疹の痕跡を消す
肝班)桂枝茯苓丸加ヨクイニンを1ヶ月服用した。
更新日:2009/11/30


更年期障害・・・ 頭重や頭痛、不眠に漢方薬を
49歳の女性。
2年前から生理が不順になり、1年前より急にのぼせて汗が出るようになって、「更年期障害」といわれ、知人に漢方薬を勧められ、来局。

本人の体格は長身、肥満体、便秘気味で市販の下剤を毎日服用している。その他に特別な薬やサプリメントは飲んでいない。現在の自覚症状は、肩こり、寝つきが悪く、寝ても夢を見ている感じで、朝起きた時に寝た感じがしない。

もちろん逍遥性熱感が1日何回もあり、その度に大量の汗をかく。足が冷えるので夏でも靴下を履いて寝ている。

頭重・頭痛に「正気天香湯」、女性の内分泌自律神経の変調に「芎気調血飲第一加減」

すでに加味逍遥散(かみしょうようさん)のエキス顆粒を数ヶ月飲んでいたので、漢方薬を変えることとした。まず頭重、頭痛を目的に行気剤(気をめぐらす)の正気天香湯(しょうきてんこうとう)にしてみた。

数週間程で頭重、頭痛が楽になったので、次に女性の内分泌自律神経の変調を治す芎気調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)に変えてみた。

服用後体調がいいので続けること数ヶ月で逍遥性熱感もなくなり、不眠や、夢で悩まされることはなくなった。

漢方薬を服用して自覚症状が変わらないときは、薬をかえていくことが大切です。漢方薬だからといって、いつまでも同じ薬は続けないことです。
更新日:2009/11/24


気管支喘息・・・ 呼吸困難と咳に漢方
63歳の主婦。2年前の春に初めて、くしゃみ・鼻水などの花粉症症状で悩まされる。これは季節が初夏だったので、なんとか治ったが、その年の梅雨時期になり、風邪をひいて、こじれてから咳が止まらなくなると同時に呼吸困難になることが出てきた。

その後すぐステロイドの吸引や内服をするが、発疹や頭痛がおこり、続けることが難しくなった。

呼吸困難に「麻杏甘石湯」

本人は小柄・やや肥満体。軽い高血圧と糖尿で薬を飲んでいる。就寝時に、横になると痰を伴った咳が5分くらいでる。また朝方になると息が苦しくなり、時には起き上がって布団にもたれかかると楽になったり、しばらくすると少量の痰がでて、呼吸が楽になったりの繰りかえし。天気の悪くなる前の日などは特に症状がひどくなる。
そこで、呼吸困難を目標に小青竜湯(しょうせいりゅうとう)の煎じ薬を服用したがこの薬の味が合わずどうしても飲めないというので、より中味が少なく、味の淡白な麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)にしてみた。

飲み始めると、数週間の服用で呼吸困難のために朝方覚醒することがなくなり、続けていたが、就寝時の咳がとれなかった。
麦門冬湯(ばくもんとうとう)に変えると寝る前の咳には良かったが、朝の呼吸困難がまた始まった。

そこで麻杏甘石湯に蘇子降気湯(そしこうきとう)を合わせて飲んだところ、咳・呼吸困難の両方良くなった。その後は喘息ようの呼吸困難がでる傾向があると、この漢方薬で数日から数週間で治まり、年に数回喘息発作がでそうになると服用している。
更新日:2009/10/01


低体温症・・・深部体温をあげ、体内時計を正常化し、新陳代謝を促進するコウジン。
34歳の主婦、以前より疲れやすくそのため、仕事を休むようなことがあったので、色々検査をしたが、やや貧血、やや低血圧、ということ以外で特に異常はない。
しかし風邪を引いても体温が37度にもいかないことが多く、平熱時では36度以下のことが多い。食事や健康食品等で、低体温状態を改善しようとしたが、あまり効果が見られず来局。

本人の体格は小柄、痩せ型で、大小便、食欲に異状はないが、寝つきも悪いうえに目覚めもすっきりしない。
そこで深部体温を上げ、新陳代謝をあげる目的で十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)をこころみるが、胃の調子が悪くなって服用しにくく、なんとか1ケ月飲むも体調に変化がみられなかった。

続いて、胃腸にやさしい補中益気湯(ほちゅうえっきとう)や人蔘湯(にんじんとう)を煎じ薬で使うも効果が出ず、そのうち体のだるさや風邪をひいてもなかなか治らない状態が続いた。

そこで、あえて多種類の生薬が入った漢方薬の煎じ薬よりも、品質の良い単味のコウジンエキス剤(朝鮮人参エキス)のみを常用量の倍を使うこととした。飲んでみると、便がやや固くなることがあったが、日増しに体が温まる感じが強くなり、以前より寝つきも良く、日中に横になることもなくり、外出や、小旅行にも積極的に行くようになってきた。服用約半年では、ほとんど風邪もひかず会社を休むこともなくなり、また体温も36度以下になることもなくなった。
更新日:2009/09/30


にきび・吹き出物・・・悪化した吹き出物に漢方薬とビタミンCの服用を提案
28才の主婦、1年半前広島に転居してから顔面ににきび様の吹き出物ができるようになった。
初めは市販のにきび薬を使うも吹き出物のできる範囲が広がり、漢方薬の治療を希望して来局。

本人の体格は中背、痩せ型。便通は正常ながら、尿は近く、夜間1、2回起きることがある。生理の周期は正常だが、生理痛がある。
患部はほほからあご、首にかけて多数の痕跡を伴ったにきび様の吹き出物がすきまなくあり、一部は化膿しているところもある。

初めに膿胞型の吹き出物に使う清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)に膿を取り除き炎症を鎮める作用のある排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)をあわせて服用し、さらに本人の希望でビタミン剤とともに服用した。あごの吹き出物は初めのうちはよかったが、その後また悪化したので、数週間後に十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)と黄蓮解毒湯(おうれんげどくとう)にかえ、ビタミンCと一緒に服用しなおした。

徐々に経過はよくなり、何ヵ所か新しい吹き出物がでるが、全体のはん痕はきれいになり、数ヵ月後には化粧をすればほぼわからないまでになった。
途中、花粉症による漢方薬を使うものの続けること数ヶ月でほぼ目立たなくなり、新しい吹き出物の心配がなくなってきたので薬をやめて様子を見ている。
更新日:2009/07/06


アトピー性皮膚炎・・・ストレスで悪化したアトピーに漢方を提案
35才の看護師。小児のころアトピーで加療した経験があり、その後学生時代には落ち着いていたが、仕事を始めたころより、少しずつ皮膚の炎症が起こるようになってきた。

10ヶ月前から夜勤をするようになって急激に皮膚の状態が悪化した。初めはステロイドを使うものの、徐々に強いものになり、これ以上強いものは使えなくなり来局。

顔面の炎症に皮炎湯の内服とモクタール軟膏、患部の外用に太乙膏
本人の体格は、中肉長身。首から上の顔面に紅潮、ほてり、かゆみがある。また、両腕、腹部にはかゆみ、乾燥、落屑があり、多数の掻破痕(引っかき傷のあと)が混在している。

まず、顔面の炎症に皮炎湯(ひえんとう)の内服とモクタール軟膏をつけてみた。

数日で紅潮、炎症部は乾燥し、かゆみもでてきたので太乙膏(たいつこう)に変えて、患部の外用とした。他の部分は潤いがでて、かゆみも治まりつつあった。

経過はよかったが、イライラがあると悪化する傾向があるとのことから、あらかじめ抗ストレス薬として「四逆散(しぎゃくさん)」を併用した。

するとそれまであまり変化がなかった腕のほうも乾燥して落屑が起こり、数週間程できれいになったので皮膚保護目的で太乙膏をつけ、肌の調子は落ち着いている。
更新日:2009/06/17


掌蹠膿疱症・・・手の平や足の裏に小さな膿が多発する病気
53才の主婦。10年前に手掌(手の平)の2、3カ所に水泡ができましたが、治療らしきものもせず、ステロイド入りの市販の軟こうを塗って治していました。その後サウナに行って体を温めたためか、足底にやはり小さな水泡ができました。手掌や足蹠(足の裏)に膿疱(小さな膿)が多発する掌蹠膿疱症でした。

 3年前に再発。ステロイドと漢方薬の飲み薬を使って過ごしていましたが、徐々に治まりにくくなり、来局されました。

エキス剤は「消風散合越婢加朮湯」
 手掌部は水泡が多数あり、一部は膿疱になっている状態。そうでない場所は皮膚面が乾燥、落屑(らくせつ)し、亀裂がある所もあります。足底は水泡と共に角質が厚く、乾燥し、やはり落屑が見られます。
 本人がエキス剤を希望するので、消風散合越婢加朮湯(しょうふうさんごうえっぴかじゅつとう)を提案しました。

外用には「太乙膏」と「紫雲膏」
 患部の外用は太乙膏(たいつこう)を塗ってもらい、皮膚が切れて傷になっている部分には紫雲膏(しうんこう)を塗ってもらいました。もちろんステロイドはなし。

 数週間後、手掌部は始めは多数の水泡ができて、その後きれいになりました。足は手ほどの変化はないものの、水泡は出ず、角質も薄くなりました。

 その後、代謝を促す温経湯(うんけいとう)と太乙膏を塗りながら数カ月で、手足ともにエキス剤も軟こうも必要としなくなりました。
更新日:2009/04/18


アトピー性皮膚炎・・・炎症には皮炎湯エキス剤、2%モクタール軟こう、タイツ軟こうを
28歳のOLさん。小児時代からアトピーがありましたが、時々小児科や皮膚科で塗薬をもらって、何とかそれほどひどくならないでいました。しかし、20歳で就職してから極度に全身に炎症が広がってきました。ステロイド剤でその時、その時をしのいできましたが、一時的にしか感じなく、ほかの治療法を探していたところ、友人から薦められて来局されました。

顔面の紅潮やドライスキン状態に
その時の皮膚は顔面がほおを中心に紅潮して熱を持っている状態。腕は乾燥し、かゆみの強い小さい丘疹が多数ありました。普通なら、皮炎湯(ひえんとう)の煎じ薬が一番適応でしたが、本人の希望でエキス剤を提案しました。
(1)皮炎湯エキス剤
(2)2%モクタール軟こうを顔面に夜間のみ塗布
(3)タイツ軟こうは、顔面とほかの部分の乾燥した部分に塗布。 

初めはエキス剤なので、あまり期待していませんでしたが、皮疹の状態と薬がぴったり合ったのか、数週間で皮疹の炎症は半減し、もう数週間で一見は分からないほど良くなりました。まだ、腕部分の乾燥性の丘疹は少し減退しただけだったので、漢方薬の変更をアドバイス。
(1)荊芥連ぎょう湯(けいがいれんぎょうとう)エキス剤
(2)タイツ軟こうは炎症が気になる時に塗布
(3)レスタミン・ヒルドイドソフトの混合軟こうは乾燥部分に。
 
ドライスキン状態だった肌ですが、この組み合わせを数カ月続けることで、薬の服用を忘れるようになりました。

成分の薄いエキス剤を使いましたが、今回のケースでは意外と早い段階で変化が見られました。本人が必死できちんとスキンケアをした努力もあったためでしょう。 
更新日:2009/04/18


子宮筋腫・・・生理不順と激しい生理痛には通導散の煎じ薬を服用、生理時には田七末を併用
46歳の主婦。3年前から生理不順になり、1年前からは生理痛がひどく、痛み止めを飲むようになりました。半年前に婦人科検診で、子宮に3カ所筋腫があると言われました。その後、婦人科でホルモン剤をもらって服用したが、飲むと気分が悪くなって下血するので、漢方薬を希望して来局。

 本人の体格は中肉中背で、食欲や睡眠に異常はありません。尿がやや近い上、便秘もひどく、1週間に1回硬い便が出ます。生理周期は20〜30日で、生理日数は5日間。1日目と2日目に激しい腹痛を伴い、必ず鎮痛剤を飲むそうです。また、体のいろいろなところに打撲したあとのような瘀血(おけつ)がよく見られます。

 そこで、子宮内のうっ血を取る目的で、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)に、土別甲(どべっこう)、我朮(がじゅつ)を加え、煎(せん)じ薬にして1カ月間服用しました。しかし、次の生理でも生理痛が軽減しないので、さらに駆(く)瘀血作用の強い通導散(つうどうさん)を煎じ薬で服用、生理時には田七末(でんしちまつ)を併用することにしました。

 すると、便が軟らかくなるものの生理時の痛みは非常に楽になり、続けて半年ほど服用すると、体にあったあざのような瘀血がなくなり、また婦人科の検査では以前より筋腫の状態が良くなっていたそうです。生理周期も30日前後と安定するようになり、現在も服用中です。
更新日:2008/12/04


慢性前立腺炎・・・下腹部の違和感や排尿時の痛み、頻繁な尿意には清心蓮子飲の煎じ薬を服用
58歳の会社役員。8カ月前、夜中に下腹部に軽い痛みと違和感を覚え、翌日泌尿器科に行ったら前立腺炎と診断。そのときは治療してすぐに治りましたが、1カ月後にまた下腹部の不快感と排尿時に軽い痛みを感じるようになりました。放っておいても治ることがありますが、疲れたり不眠が続くと、やはり軽い痛みと尿の回数が多くなります。そこで友人に勧められて来局。

 本人の体格は長身でやせ型、食欲と便意は正常です。現在の自覚症状は、常に下腹部に何か挟まっているような違和感があり、疲れたりすると尿意を激しく感じます。また排尿時や排尿後に軽い痛みがあり、時々尿に血が交じるそうです。

 そこで、抗炎症と尿の流れをスムーズにする猪苓湯(ちょれいとう)を煎(せん)じ薬で服用。しかし2週間服用しても効果がないので、竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)に変えて服用することに。するとすぐに効果が出て、血尿も下腹部の不快感もなくなりました。しかし薬を止めると、1、2週間でまた症状が現れ、そのたびに竜胆瀉肝湯を飲んでいましたが、切りがないので完治する漢方薬を希望。

 そこで、体力をつけて排尿異常の症状を取っていく清心蓮子飲(せいしんれんしいん)を煎じ薬で服用することにしました。すると、少しずつ体力・気力がつき、徐々に排尿時の痛みがなくなり、尿意の回数も少なくなってきました。最後は清心蓮子飲のエキス剤を3カ月服用し、症状が現れなくなったので飲むのを止めました。
更新日:2008/10/11


進行性指掌角皮症(主婦湿疹)・・・指や手のひらの乾燥、はく離、亀裂に、「温経湯」を煎じ薬で塗り薬は手のひらに「太乙膏」、亀裂部には「紫雲膏」を
37歳の看護師。2年前に結婚をしてから、手指が荒れるようになりました。また1年前に出産をしてからは、手のひらの乾燥もひどくなり、水さえも染みて痛くなったそうです。勤務先の病院で、「進行性指掌角皮症(ししょうかくひしょう)」と言われ、ステロイド剤や保湿剤の塗り薬をもらって処置をしていましたが、徐々に効果がなくなったと来局。

 本人の体格は、長身でやせ型。食欲、大小の便に異常はありません。生理周期が長く、40日に1回と言います。患部の状態は、手指や手のひらが乾燥してガサガサし、はく離や亀裂もあります。亀裂のある指は、水や湯に染みて痛いそうで、出血もしています。

 そこで、補血・活血・化瘀(かお)に用いる温経湯(うんけいとう)をエキス剤で服用、患部には紫雲膏(しうんこう)を塗ることにしました。1カ月後、かなり改善したようですが、やはり症状が悪化しては繰り返し乾燥状態がひどくなるため、効果を高めるために温経湯(うんけいとう)を煎(せん)じ薬にし、手のひら全体には太乙膏(たいつこう)を塗り、亀裂のある傷部分には紫雲膏を塗り込むようにしました。

 この方法がよく効き、1カ月後には亀裂がなくなり、傷あとが残るのみに。また手のひらにも潤いが出て、はく離状態は改善され、さらに生理も30日周期になり、今まであった肩凝りや頭痛などの自覚症状もなくなったと喜んでいます。
更新日:2008/09/30


固定蕁麻疹(結節性痒疹)・・・色素沈着を伴った硬い丘疹には
68歳の主婦。10年前から固定蕁麻疹(じんましん)や結節性痒疹(けっせつせいようしん)と診断され、皮膚科にてステロイドテープや抗ヒスタミン剤などで何年も治療を続けました。しかし一進一退で、数年前に甲状腺と糖尿の治療を始めてからは、さらに蕁麻疹が悪化し、困って来局。

 本人は長身で小柄、やや肥満体です。便通は1日1回で、食欲もあり、蕁麻疹以外に特別に自覚症状はありません。患部の状態は、腕と下肢(かし)に大豆より少し大きい色素沈着を伴った丘疹(きゅうしん、皮膚の隆起)が多数でき、硬くなっています。かゆみのため、かいて患部の先端が傷になり、ひどい状態です。

 そこで、アレルギー体質の改善に用いる十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)に、かゆみ止めとして苦参(くじん)、荊芥(けいがい)を加えて飲み薬とし、傷には皮膚科でもらったリンデロンVGを、そうでないところには20%モクタール軟こうを塗ることにしました。

 4週間後、丘疹の黒くシミ状になった部分は薄くなりましたが、丘疹の大きさには変化がありません。そこで内服薬を変え、十味敗毒湯に排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)を合わせて服用することにしました。

 3週間後、丘疹が半分ほどの大きさになり、さらに半年ほど服用を続けると、患部はわずかにシミ状の痕跡を残すだけになりました。現在はシミの改善を目指して治療中です。
更新日:2008/07/18


がん治療の補助・・・人参、黄耆、甘草を組み合わせて服用副作用の緩和と免疫機能の向上には牛黄
57歳の男性会社員。1年前の健康診断のレントゲン検査で、肺の下部に影を発見。病院で詳しく検査したところ、小さながんが見つかりました。抗がん剤の治療を始めましたが、副作用で白血球とリンパ球が減少し、治療が継続できなくなったと来局。
  
 本人の体格はやせ型で長身。便通は3・4日に1回程度。現在は在宅し通院治療中です。自覚症状は特にありませんが、食欲がなく、ゼリー状の食品ばかり食べているそう。また新陳代謝は低下し、漢方でいうところの気血両虚(きけつりょうきょ)≠フ状態に。

 そこで、十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)を煎(せん)じ薬で服用。しかし、処方内の地黄(じおう)が胃に負担となりもたれるというので、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)に変更しました。しばらく飲んでもらいましたが、これも胃に負担を感じるというので、あえて人参(にんじん)、黄耆(おうぎ)、甘草(かんぞう)の簡単な組み合わせを試してみることに。これは飲むことができ、胃腸症状が緩和され、食欲も出てきました。

 さらに、抗がん剤治療の副作用を和らげ、食欲を増し、増血作用と免疫機能を高める目的で、牛黄(ごおう)を併用することに。

 1カ月後、白血球数が回復したことが病院で分かり、再び放射線治療を開始。無事3カ月間の治療を受け、がんに勝つことができたと喜んでいました。            ◇
更新日:2008/06/30