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リューマチ・・・・関節部の炎症と水分貯留を取り除くには「防已黄耆湯」、体質改善には「五積散」を服用
56歳の主婦。10年前、右のひざが痛み受診したところ、老人性のひざ関節症と言われ治療していましたが、両手首も腫(は)れて痛み出し、ほかの病院を受診したところ、関節リューマチと診断。

リューマチの専門薬をもらい服用したが効果がなく、さらに薬の副作用が出てきて飲めなくなり、困って来局。

 本人の体格は中背でやや肥満体。便秘気味で、尿は夜間に3回も起きるほど近いとのこと。現在の自覚症状は、両手の指の関節が腫れ、熱くなって鈍い痛みがあり、両手首やひざも腫れて動かしたときに痛みやしびれることもあるそうです。また冷やすと悪く、風呂で温めると痛みが楽になります。

 まず血流改善と鎮痛を目的に、桂枝加苓朮附湯(けいしかりょうじゅつぶとう)の煎じ薬を服用することにしました。2週間後、尿の回数は減ったものの腫れと痛みにはあまり変化がないと言います。そこで、痛みが激しいときに用いる舒筋立安散(じょきんりつあんさん)を煎じ薬で服用することにしました。しばらくすると、腫れと痛みは徐々に楽になってきました。しかし動かしたときにまだ両手首やひざが痛むというので、関節部の炎症と水分貯留を取り除く目的で、 防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)を服用することにしました。

 3カ月後には随分楽になったというので、体質改善の薬として五積散(ごしゃくさん)の煎じ薬を1年ほど服用。腫れ、痛み、しびれ、冷えもほぼなくなり、喜んでおられます。
更新日:2008/11/17


座骨神経痛・・・つらくてだるい腰の痛みには桂枝加苓朮附湯、大黄、細辛の煎じ薬を服用
52歳の主婦。1年前、仕事中に急に右腰が痛くなり、数日間湿布をしていましたが良くならず整形外科を受診。検査の結果、腰の軟骨が擦り減り変形し、そのため痛みが出ているとのことで「脊椎(せきつい)変形症」と言われました。しばらく治療するものの効果がなくすぐにほかの病院へ。そこでは「座骨神経痛」と診断され、鎮痛剤を服用して治療することにしました。

しかし薬を飲むと胃が痛くなり中断。そこで、以前せきで悩んだとき漢方薬を飲んで治ったことを思い出して来局。

 本人の体格は中背でやや肥満体。大小の便に異常はなく、食欲は痛みのためあまりないそう。
 現在の自覚症状は、特に左側の腰から臀部(でんぶ)にかけて、だるくて重たい感じを伴う鈍痛があります。また歩き始めは良いが、すぐに腰がだるくて痛くなり、歩けなくなるそうです。以前患部を打撲した経験があることから、瘀血(おけつ)と痛みに効果的な桂枝加苓朮附湯(けいしかりょうじゅつぶとう)を煎(せん)じ薬にして服用することにしました。

 2週間後、痛みは少し楽になるものの便が硬く、おなかが張ることもあるというので、桂枝加苓朮附湯に大黄(だいおう)と細辛(さいしん)を加えて服用。今回はおなかが張ることもなくなり、便通も整った上、痛みも我慢できるほどになりました。

 その後は、腰痛防止薬として五積散(ごしゃくさん)のエキス剤を服用することにして血流を改善。無理をしなければ、ほとんど痛みが出ることはなくなったと、喜んでいます。
更新日:2008/10/27


慢性前立腺炎・・・下腹部の違和感や排尿時の痛み、頻繁な尿意には清心蓮子飲の煎じ薬を服用
58歳の会社役員。8カ月前、夜中に下腹部に軽い痛みと違和感を覚え、翌日泌尿器科に行ったら前立腺炎と診断。そのときは治療してすぐに治りましたが、1カ月後にまた下腹部の不快感と排尿時に軽い痛みを感じるようになりました。放っておいても治ることがありますが、疲れたり不眠が続くと、やはり軽い痛みと尿の回数が多くなります。そこで友人に勧められて来局。

 本人の体格は長身でやせ型、食欲と便意は正常です。現在の自覚症状は、常に下腹部に何か挟まっているような違和感があり、疲れたりすると尿意を激しく感じます。また排尿時や排尿後に軽い痛みがあり、時々尿に血が交じるそうです。

 そこで、抗炎症と尿の流れをスムーズにする猪苓湯(ちょれいとう)を煎(せん)じ薬で服用。しかし2週間服用しても効果がないので、竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)に変えて服用することに。するとすぐに効果が出て、血尿も下腹部の不快感もなくなりました。しかし薬を止めると、1、2週間でまた症状が現れ、そのたびに竜胆瀉肝湯を飲んでいましたが、切りがないので完治する漢方薬を希望。

 そこで、体力をつけて排尿異常の症状を取っていく清心蓮子飲(せいしんれんしいん)を煎じ薬で服用することにしました。すると、少しずつ体力・気力がつき、徐々に排尿時の痛みがなくなり、尿意の回数も少なくなってきました。最後は清心蓮子飲のエキス剤を3カ月服用し、症状が現れなくなったので飲むのを止めました。
更新日:2008/10/11


進行性指掌角皮症(主婦湿疹)・・・指や手のひらの乾燥、はく離、亀裂に、「温経湯」を煎じ薬で塗り薬は手のひらに「太乙膏」、亀裂部には「紫雲膏」を
37歳の看護師。2年前に結婚をしてから、手指が荒れるようになりました。また1年前に出産をしてからは、手のひらの乾燥もひどくなり、水さえも染みて痛くなったそうです。勤務先の病院で、「進行性指掌角皮症(ししょうかくひしょう)」と言われ、ステロイド剤や保湿剤の塗り薬をもらって処置をしていましたが、徐々に効果がなくなったと来局。

 本人の体格は、長身でやせ型。食欲、大小の便に異常はありません。生理周期が長く、40日に1回と言います。患部の状態は、手指や手のひらが乾燥してガサガサし、はく離や亀裂もあります。亀裂のある指は、水や湯に染みて痛いそうで、出血もしています。

 そこで、補血・活血・化瘀(かお)に用いる温経湯(うんけいとう)をエキス剤で服用、患部には紫雲膏(しうんこう)を塗ることにしました。1カ月後、かなり改善したようですが、やはり症状が悪化しては繰り返し乾燥状態がひどくなるため、効果を高めるために温経湯(うんけいとう)を煎(せん)じ薬にし、手のひら全体には太乙膏(たいつこう)を塗り、亀裂のある傷部分には紫雲膏を塗り込むようにしました。

 この方法がよく効き、1カ月後には亀裂がなくなり、傷あとが残るのみに。また手のひらにも潤いが出て、はく離状態は改善され、さらに生理も30日周期になり、今まであった肩凝りや頭痛などの自覚症状もなくなったと喜んでいます。
更新日:2008/09/30


喘息(ぜんそく)・・・つらい喘息による発作には麻杏甘石湯に小柴胡湯を加えて服用
58歳の主婦。子供のころからの喘息で、高校時代も発作で入院した経験があります。その後、妊娠したときにまた喘息発作が始まり、

それ以降治らず、春秋の季節の変わり目や梅雨、天気が崩れる前日などになると発作が起こり、吸入剤とステロイド剤で落ち着かせていました。

 以前、漢方薬を飲んだことがあり、そのとき楽になった経験があるといって来局。

 本人の体格は小柄でやや肥満体。自覚症状は特になく、便通も血圧も正常で、食欲もあります。ただ発作が起きると息苦しくなって口が渇き、夜間眠れなくなります。

 病院でもらった薬を飲んでいますが、ここ2週間くらいは、就寝後2時間くらいすると息苦しくなるそうです。朝方には布団の上に起き上がって肩で息をするようになり、しばらくすると、硬いたんが出て楽になるといいます。 

 そこで、喘息の発作に用いる麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)を煎(せん)じ薬で服用してもらうことにしました。すると少しずつ楽になり、1カ月後、本人から体質改善の薬も一緒にとの希望があったので、麻杏甘石湯に小柴胡湯(しょうさいことう)を加えて服用を始めました。

 それからは、2、3カ月に1回ほど、たばこや花火の煙、田舎に車などで帰って疲れたときに発作が出るくらいに。そのときはステロイド剤を内服して発作を治めるそうですが、以前と比べると発作の回数が非常に少なくなったと喜び、現在も服用中です。
更新日:2008/09/16


高血圧・・・降圧剤が合わない人へ…柴胡加竜骨牡蠣湯と冠元活血丸を併用
51歳の公務員の男性。2年前の健康診断で、高血圧と高コレステロール症を指摘されたがそのままに。半年前に頭痛と鼻血により近所の病院で受診したところ、血圧が上190mmHg(以下省略)、下120もあり、すぐに降圧剤を処方されて服用。しかし飲むと、目まいや身体動揺感が起こり、気分が悪くなるとのことで漢方薬を希望して来局。

 本人の体格は中肉でやや肥満体。便の回数は1日1回で、夜間の尿の回数は1・2回とのこと。首筋の凝りや肩凝りがあり、動くとどうきが起こるそう。後頭部の緊張と圧迫感も気になるが、しびれはないといいます。

 まずは、起床時、昼、夕方、就寝時の1日4回、家で血圧を測ってもらうことにしました。すると、朝と昼は正常で、夕方と寝る前は血圧が上170〜180、下100〜120と高くなるそう。

 そこで、仕事のストレスなどからくる緊張型の高血圧と考え、紫胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)と、中国漢方製剤の降圧丸(こうあつがん)を併用。半月ほどで、

上160〜170、下90〜100くらいにまで下がる傾向に。さらに漢方薬を続けることにし、今度は紫胡加竜骨牡蠣湯に血流改善剤である冠元活血丸(かんげんかっけつがん)を併用することに。3カ月後には安定し、上の血圧が150以下になることも多くなり、つらかった自覚症状や夜間尿もほとんどなくなったと喜んでいました。
更新日:2008/09/09


酒さ様皮膚炎(アトピー)・・・紅潮した顔の炎症に、皮炎湯の煎じ薬と四逆散を併用夜は30%モクタール軟こう、昼は太乙軟こうを塗り薬に
50歳の主婦。2年前に首から上に紅潮した炎症が現われ、皮膚科で酒さ様皮膚炎(しゅさようひふえん)やアトピーと診断。ステロイド剤の内服薬や外用薬などで治療を続けていましたが、一進一退が続き、治る気配がないと、知人に紹介されて来局。

 本人の体格は中肉中背。食欲と大小の便は正常で、血圧、成人病検査も異常ありません。ただ1年前に閉経しています。自覚症状は、首、眼瞼(がんけん)を主に、顔全体に紅潮した皮疹(ひしん)があり、かゆみと火照り感が強いといいます。ステロイド剤を塗ると、半日ほどはかゆみと火照り感がなくなるそう。また、両ひじと胸にも、軽いアレルギー性の皮疹があります。

 そこで、熱毒ののぼせに用いる皮炎湯(ひえんとう)を煎(せん)じ薬にして服用してもらうことに。さらに、夜は顔面に30%のモクタール軟こうを、昼は太乙(たいつ)軟こうを塗ることにしました。また、かゆみでかくことを防ぐ目的で、皮膚科で処方された抗ヒスタミン剤を寝る前に服用してもらうことに。

 2週間後、ステロイド剤の服用を止めたためにリバウンドで悪化したようでしたが、数日で軽快してきました。さらに続けたところ、イライラして悪化することがあるというので、抗ストレス薬の四逆散(しぎゃくさん)を併用することに。この組み合わせがうまくいき、1カ月後には皮疹が半減、3カ月後にはほぼ正常になりました。
更新日:2008/08/01


固定蕁麻疹(結節性痒疹)・・・色素沈着を伴った硬い丘疹には
68歳の主婦。10年前から固定蕁麻疹(じんましん)や結節性痒疹(けっせつせいようしん)と診断され、皮膚科にてステロイドテープや抗ヒスタミン剤などで何年も治療を続けました。しかし一進一退で、数年前に甲状腺と糖尿の治療を始めてからは、さらに蕁麻疹が悪化し、困って来局。

 本人は長身で小柄、やや肥満体です。便通は1日1回で、食欲もあり、蕁麻疹以外に特別に自覚症状はありません。患部の状態は、腕と下肢(かし)に大豆より少し大きい色素沈着を伴った丘疹(きゅうしん、皮膚の隆起)が多数でき、硬くなっています。かゆみのため、かいて患部の先端が傷になり、ひどい状態です。

 そこで、アレルギー体質の改善に用いる十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)に、かゆみ止めとして苦参(くじん)、荊芥(けいがい)を加えて飲み薬とし、傷には皮膚科でもらったリンデロンVGを、そうでないところには20%モクタール軟こうを塗ることにしました。

 4週間後、丘疹の黒くシミ状になった部分は薄くなりましたが、丘疹の大きさには変化がありません。そこで内服薬を変え、十味敗毒湯に排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)を合わせて服用することにしました。

 3週間後、丘疹が半分ほどの大きさになり、さらに半年ほど服用を続けると、患部はわずかにシミ状の痕跡を残すだけになりました。現在はシミの改善を目指して治療中です。
更新日:2008/07/18


がん治療の補助・・・人参、黄耆、甘草を組み合わせて服用副作用の緩和と免疫機能の向上には牛黄
57歳の男性会社員。1年前の健康診断のレントゲン検査で、肺の下部に影を発見。病院で詳しく検査したところ、小さながんが見つかりました。抗がん剤の治療を始めましたが、副作用で白血球とリンパ球が減少し、治療が継続できなくなったと来局。
  
 本人の体格はやせ型で長身。便通は3・4日に1回程度。現在は在宅し通院治療中です。自覚症状は特にありませんが、食欲がなく、ゼリー状の食品ばかり食べているそう。また新陳代謝は低下し、漢方でいうところの気血両虚(きけつりょうきょ)≠フ状態に。

 そこで、十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)を煎(せん)じ薬で服用。しかし、処方内の地黄(じおう)が胃に負担となりもたれるというので、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)に変更しました。しばらく飲んでもらいましたが、これも胃に負担を感じるというので、あえて人参(にんじん)、黄耆(おうぎ)、甘草(かんぞう)の簡単な組み合わせを試してみることに。これは飲むことができ、胃腸症状が緩和され、食欲も出てきました。

 さらに、抗がん剤治療の副作用を和らげ、食欲を増し、増血作用と免疫機能を高める目的で、牛黄(ごおう)を併用することに。

 1カ月後、白血球数が回復したことが病院で分かり、再び放射線治療を開始。無事3カ月間の治療を受け、がんに勝つことができたと喜んでいました。            ◇
更新日:2008/06/30


過敏性腸症候群・・・・回数の多い下痢には大建中湯に半夏厚朴湯を
38歳の会社役員。半年前に仕事が忙しかったころから、眠っても疲れが取れなくなりました。便意が常にあり、排尿回数も多いので、いくつかの胃腸科で診察を受けたところ、過敏性腸症候群と診断されました。何種類かの漢方薬をもらい服用したものの効果がなく、困って来局。

 本人の体格は中肉中背。食欲はあまりなく、1日2食のみ。疲れやすく、夜中にいつも2回ほど目が覚めるそうです。おなかの状態は、朝3回、昼1回、夕食後に2回の下痢(げり)状の便が出るといいます。

 そこで、過敏性腸症候群によく使われる桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)に木香(もっこう)と厚朴(こうぼく)を加え、煎(せん)じ薬で服用。3週間続けたところ経過が良いので、さらに2週間続けて服用してもらいました。しかし下痢の傾向が強まったため、小建中湯(しょうけんちゅうとう)の煎じ薬に変更。しかし、前より便は硬くなったものの回数には変化がありません。

 腸の動きが自覚できるとのことなので、大建中湯(だいけんちゅうとう)を服用してもらうことに。これは良かったようで、便の回数が朝2回程度までに減りました。

 その後、胸部の不快感を訴えたため、大建中湯に半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)を加えて服用。不快感もすぐに取れ、便もやや軟らかいものの、朝食後1回だけになりました。ご本人は、半年ぶりに気持ちが良くなったと大変喜んでいました。
更新日:2008/06/17