数年前より手掌(しゅしょう)(てのひら)の炎症で市販の軟膏を付けたりしていた。回りからアトピーではないかと言われたりしながら治療を続けていたが、あまり変化がみられないので来局される。
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本人の体格は小柄、やせ型で大小便、食欲に異常はなく、生理も順調である。患部の状態は右手掌を主に、左手、両足蹠(りょうそくせき)(足の裏)に小さな水泡が多くあり、一部は膿胞になっているものもある。
激しい皮疹に「犀角地黄湯」と「黄連解毒湯」の合方を、
その後「温清飲合越婢加朮湯」を服用
始めは、掌蹠膿胞症で皮疹と膿胞の新生が激しい状態で用いる「犀角地黄湯(さいかくじおうとう)」と「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」の合方を服用してもらった。
数週間後、膿胞が破れて乾燥してきたが、水泡は残っている。そこで「温清飲合越婢加朮湯(うんせいいんごうえっぴかじゅつとう)」を煎じ薬にして服用。一時、皮疹の状態は悪化し、かゆみが強くなっていった。数週間後、会社でのストレスのためか顔面、鼻、頬に紅はんができ、手で掻いて傷になってしまった。しかし手の水泡はほぼ治まってきていたので、続けて服用してもらうことにした。
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その間に一度カレーパンを食べて口周囲に紅はん炎症ができたが、同じ薬を続けることで徐々にそれも治まってきた。さらに半年程服用を続け、しばらくすると手足の水泡・膿胞もでなくり、現在は肌の調子も落ち着いたので薬をやめている。
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更新日: 2010/10/04 |
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