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 春の七草は、1月7日に七草粥を食べる風習としてよく知られていますが、秋にも七草があることは意外と知られていないようです。秋の七草は万葉集に収められている山上憶良(やまのうえのおくら)の2首で1組となる歌が始まりです。

 「秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびをり) かき数ふれば 七種(ななくさ)の花」
 「萩の花 尾花葛花 撫子の花 女郎花また藤袴 朝貌の花」

 最初の歌で「秋の野に咲いている花を指折り数えてみれば7種類の花がある」と歌い、次の歌で「萩の花、尾花、葛(くず)の花、撫子(なでしこ)の花、女郎花(おみなえし)、また藤袴(ふじばかま)、朝貌(あさがお)の花である」と歌っています。尾花はススキ、朝貌は桔梗(ききょう)が定説です。

 春の七草は無病息災を祈願するものですが、秋の七草はその美しさを観賞して楽しむものです。

 七草のうち萩と尾花以外の5種類は生薬(しょうやく)として利用されることがあります。

 葛は根を使用し、生薬名を葛根(かっこん)といいます。撫子は地上部の全草を使用する瞿麦(くばく)、女郎花は全草を使用する敗醤(はいしょう)・根だけを使用する敗醤根、藤袴は全草を使用する蘭草(らんそう)、桔梗は根を使用して生薬名も桔梗です。

 意外と身近に生薬で使用される植物が関係していることがあります。少し意識してみるのも面白いかもしれません。


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