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薬学部に通っていて漢方の本をときどき読むのですが、古典についても興味がわいてきました。どんな古典があるのでしょうか。
(20歳・女性)


A  漢方の古典といえば、「傷寒(しょうかん)論」に触れないわけにはいかないでしょう。〝傷寒〟とは漢方の用語で急性の発熱性疾患のこと。発熱性の病気は、寒さに傷(やぶ)られて起こるものと考えてこう呼ぶようになったのです。

 「傷寒論」が書かれたのは、今から2000年以上前のこと。中国の後漢の時代に、張仲景という人が、一族約200人のうち約90人を傷寒によって亡くし、発奮して書いたのが「傷寒卒病論」(269処方)といわれています。

 「傷寒卒病論」は、長年の戦乱で散逸してしまったのですが、急性病に関する処方が集められ、「傷寒論」(113処方)としてまとめられました。また、それ以外の慢性病や雑病に関する処方は「金匱要略(きんきようりゃく)」(262処方)として後にまとめられました。

 有名な葛根湯(かっこんとう)も、傷寒論に載っている処方です。2000年以上も前に考案された薬が今も重宝され続けていることになります。

 一方、日本で漢方が全盛期の江戸時代にもっとも活用されたのは、甲賀通元が校正し、増補した「古今方彙(ここんほうい)」です。古今の処方が集められたこの書物は、当時ベストセラーとなり、売れ行きが良すぎて、京都の紙の値段が上がったという逸話が残っているほど。多くの医家が手元に置いて参考にしたとされています。

 古今方彙の中に掲載されているのは計1075処方。実は、この中に「傷寒論」と「金匱要略」の処方は少なく、その代わりに、明の時代にキョウ廷賢(きょうていけん)が書いた「万病回春(まんびょうかいしゅん)」と「寿世保元(じゅせいほげん)」から多く引用されています。そのほか、約60点もの古典から処方が引用されていて、このことだけ見ても、いかに多くの古典が存在していたかが分かりますね。

 現在の日本でもっとも重んじられている古典は、「傷寒論」と「金匱要略」です。江戸時代中期に台頭した傷寒論重視の古方派の考え方を、昭和の漢方家が積極的に取り入れたからというのが大きな理由。しかし、傷寒論だけでなく、漢方の古典には名著がたくさん残っています。

 迷ったときや困ったときには古典をめくり、ぼろぼろになったものもあります。何度見直しても新たな発見があります。先人の知恵がいっぱい詰まった古典は、宝物だと私は思っています。


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