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漢方が役立つことが多い病気です

A  私たちの体には網の目のように神経が張り巡らされています。

 体の隅々まで行き渡る神経のうち、自分の意思で筋肉を働かせて手足などを動かす神経を運動神経と呼び、意思に関係なく臓器や血管などの働きを調節している神経を自律神経と呼びます。

 自律神経には交感神経と副交感神経があり、交感神経は戦いの神経といわれることがあり、緊張したときや興奮したときによく働き、血管が収縮して血圧が上がり、脈拍や呼吸が速くなります。

 副交感神経はやすらぎの神経ともいわれ、リラックスしたときによく働いており、血管は拡張して血圧は安定し、脈拍や呼吸も落ち着きます。

 これら2つの神経が、いわばアクセルとブレーキのように、バランスよく働くことによって私たちの体は無意識のうちにさまざまな状況に対応しているのです。

 ストレスや生活習慣の乱れ、女性ではホルモンの失調などによって、自律神経のバランスが乱れて不快な症状が現れる状態を自律神経失調症といい、めまい、頭痛、頭重、手足の冷えやしびれ、ほてり、イライラ、不安、動悸(どうき)、不眠などのほか、さまざまな症状を表します。

 自律神経失調症の症状は、検査しても原因となる病気が見つからないので不定愁訴と呼びます。

 病気の原因を科学的に探ることで進化した西洋医学では軽んじられていた不定愁訴ですが、症状と体質を重んじた薬物療法の経験を積み重ねることで発達した漢方では、不定愁訴は病気の人の状態を表す指標になり、治すものとして昔から重んじられてきました。

 例えば、肩や背中の症状一つとっても、右肩が凝る、左肩が凝る、肩から背中にかけて凝る、逆に背中から肩にかけて凝る、肩だけが凝る、背中だけが凝るなどと区別し、他の症状を合わせて、全身の状態を把握して適する薬を選びます。

 ですから、自律神経失調症のように不定愁訴が多い病気の改善には、今でも漢方が役に立つことが多いのです。

 一般的に使用する漢方薬の一部を挙げておきます。詳しくは専門家にご相談ください。
 
柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
 体力のある人で、動悸、目まい、不眠、不安などのある人に
 
半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
 虚弱傾向の人で、気分が沈み、不安を感じる人に
 
逍遥散(しょうようさん)
 疲労、肩凝り、不安などを訴える人に。女性に適することが多い
 薬が合えば、長くても2カ月もあれば効果を感じるでしょう。


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