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 筋腫のことを東洋医学では、「ちょうか」といいます。「おなかにできたしこり」という意味で、現代医学でいう筋肉性の良性腫瘍です。婦人病の20%近くを占めています。

 筋腫ができる原因はよくわかっていませんが、東洋医学流にいうと、お血(血行が悪くなって滞った血液のこと)が関係していると思われます。したがって、女性の場合は、からだに合った駆お血剤または増血剤の常用により、筋腫だけでなく、あらゆる婦人病にかかりにくくなるようです。

 筋腫ができると、ー般に月経が長引いて、月経痛を起こします。出血が多くなると貧血になり、漢方薬を服用しても効果のないときがあります。その場合は、なるべく早く手術をする必要が.あります。

 ただし、子宮内でできる血量によって経血量がふえない場合もあり、そのときは筋腫が大きくならない限り手術する必要はありません。しかし、出血がない場合でも、筋腫が大きくなったため、膀胱や腸を圧迫することがあります。このようなときは、やはり手術の必要があります。

 子宮筋腫に対する漢方薬治療はあまり効果が期待できません。しかし、腫塊が小さい場合は、長期に服用すれば縮小することがあります。

 また、粘膜下にできた筋腫が有茎性となって、膣に娩出し、根茎の離断によって膣外に排出されることがあります。これを「筋腫分娩」といいますが、漢方薬が筋腫分娩を促進することがあります。

 出血が長く続くと貧血を起こしますが、漢方薬を服用していると貧血が改尊され、手術が楽に受けられます。また、手術後の経過も良好になります。

 子宮筋腫は中年以降に多いのですが、閉経期が近い女性の場合は、漢方薬で貧血になりにくくして閉経を遅らせ、筋腫にかかりにくくするという方法もあります。

 いずれにしても、まず漢方薬を服用して貧血の状態を改善しておけば、良好な経過を得られこそすれ、決して害になるということはありません。

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 東洋医学では子宮癌のことを、「崩漏」といいます。「くずれる、もれる」という意味です。

 初期はほとんど苦痛がありません。崩漏がはじまると、出血、帯下(おりもの)があります。セックスの後に出血を起こしたら要注意で、この時期に手術をすれば経過がよいといわれています。ただ、最近は40歳検診など、自治体での検診も盛んですから、こまめに検査を受けていれば、早期に発見されることが多くなりました。

 癌ですから、いかに漢方といえども特効薬はありません。しかし、筋腫と同様、貧血を改善し、好条件下での手術を受けられる態勢ができます。また手術後便秘になる事が多いのですが、その場合も漢方薬が功を奏しますし、さらに再発防止の効果があると言われています。

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 中耳炎が悪化したり、慢性化すると、炎症が進行して分泌物が流れ出てきます。これを耳だれといい、初めのころは水様のものが、しまいには膿性のものになり、血が混じるようになると、漢方薬だけではなかなか治せなくなります。

 東洋医学では、耳だれのことをてい耳といい、気血が不足して虚の状態になるものと、多すぎて実の状態になるものとがあります。

 原因は、おもに外邪(風・寒・暑・湿などの外因)が耳に関係する「腎」などをおかし、熱を帯びたためと考えていますが、臓腑の「腎・肝・胆」が病んでも、てい耳を起こしやすいと考えられています。

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 おりものを漢方では「帯下」または「こしけ」といい、生まれたときからあるもので、思春期以降、量が増えます。ふつうは乳白色をしていますが、量が通常より多く、色が変わると異常とみなされます。

 代表的なものとしては、黄色を帯びたものは白帯下、血液が混じり茶色っぽい、あるいは黒っほいものを赤帯下といい、初潮時や出産時の冷え、精神的動揺、産後の不養生などから起こります。

 白帯下は「気の不順」から、赤帯下は「血の不順」からくるといわれ、その原因は「湿熟」(体内の水分の代謝がわるくなり熱がこもること)と考えられます。

 おりものの異常は、婦人病診断の第l段階です。子宮癌の初期には赤帯下が下りますし、症状がさらにすすむと肉汁のような悪臭をともなったおりものが出ます。子宮筋腫も赤帯下が下りますし、おりものがふつうでもかゆみを伴う場合は膣炎です。いずれの場合も婦人科医の診察を受けたうえで漢方治療したほうがよいでしょう。

 注意しないといけないのは、漢方で治りにくい子宮の病気です。膣内の栄養分や水分、温度などが原因となって、いろいろな細菌やトリコモナスなどの原虫、カンジダなどのカビが繁埴しているとか、子官頸管炎、子宮腹部びらん、頸管ポリープ、子宮癌などの病気にかかっている場合は現代医学の治療にゆだねるしかありません。ことに漢方で赤帯下と呼ぶものについては漢方だけでは治りにくく、あまり処方もありません。漢方が使えるのは、全身的な病気があって、その局部症状として帯下が多くなったというようなときと考えてください。

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 月経の異常とは、周期が狂ったり、期間がl定でなかったり、経血の色や量に異常があるとか、月経痛がひどいなどの症状をいいます。漢方では、これらの症状は、瘀血(スムースに流れず、からだの内部に滞った悪い血のこと)によって起こると考えています。心身の疲れや冷え、産後の疲労などで、血を運ぶエネルギーである「気」が減退して、その結果として血の流れが滞り、悪い血がうっ滞していきます。そうすると、血が熟をもって(血熟)、出るべき血がうまく出なくなったり、多量に出たり、あるいはからだの血をめぐらす働きが悪くなって(気虚)、経血となる血がおりてこなくなるなどの状態をひき起こします。

 また、過度に考え込んだり、感情的なエネルギーを使いすぎると体内の血分が不足したり(血虚)、血に冷えが生じたり(血寒)して、経血が少なくなることもあります。漢方の処方を用いる前に、まず心身の疲れをとり、リラックスすることが大切でしょう。

 月経異常に通した漢方処方を選ぶためには、まず周期に狂いがないか、期間はー定かどうか、経血の色や量はどんなふうか、月経に伴って痛みが起こらないかなどを細かくチェックし、体力別に分けていきます。症状が子宮などの器質的疾患や内科的疾患から起こっている場合もありますから、まず医師の診察を受けたうえで、漢方処方を併用するのが望ましいでしょう。


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