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薬の中には、強い効果がある替わりに副作用のあるものや、効果は緩やかですが副作用がほとんど無いものなどいろいろあります。漢方医学などで用いられる生薬の原典と言われる「神農本草経(しんのうほんぞうけい)」※という薬物書には、365種の生薬が、上・中・下薬(下品)の3種に分類して収載されています。
- 上薬(上品〜じょうほん〜)は、薬の王様ともいえる重要な薬で、無毒で長期連用が可能であり、不老、延年、元気増進を目的にしています。
- 中薬(中品〜ちゅうほん〜)は、大臣クラスの薬と言われ、毒の有無を知って適宜に用いる必要があり、病気の治療や強壮を目的に臨機応変に用います。
- 下薬(下品〜げほん〜)は小役人レベルの薬で、主に病気治療に用いますが、有毒なので長期には用いません。
上薬には、胡麻(ごま〜ゴマ〜)、山薬(さんやく〜ヤマノイモ〜)、ヨク苡仁(よくいにん〜ハトムギ〜)、枸杞子(くこし〜クコ〜)、朝鮮人参など食物性要素の強い生薬が数多く認められます。
実際、重要な漢方方剤(かんぽうほうざい)※には種々の食物が配合されています。例えば、カゼの初期によく服用される葛根湯は7種類※の生薬から構成されていますが、その中で5種類が食物的なものと言えます。
- 「生姜(しょうきょう)」⇒ショウガ・冷奴など料理の薬味として使われる。(香味料)
- 「桂皮(けいひ)」⇒シナモン・シナモンティ−などに使われる(香料)
- 「大棗(たいそう)」⇒ナツメ・シロップ漬け、ドライフル−ツなどに使われる(果物)
- 「甘草(かんぞう)」⇒リコリス・様々な加工食品の甘味料として広く使われる(甘味料)
- 「葛根(かっこん)」⇒クズ(デンプン粉)
東洋医学では、理想の医療とは病気になってから薬で治療することでなく、病気になりそうに(未病(みびょう)とも言います)なった人を病気にさせないことと考えられています。
また、食養や食療と呼ばれる食物による病気予防や健康維持および治療効果を高めることが「食医(しょくい)」※や「飮膳太医(いんぜんたい)」などと呼ばれる、名医によって実践されていました。
このように薬と食物は、いずれも自然の中から人類によって発見され、健康を守るために使用されてきていることから、最近になって薬食同源とか医食同源と言われるようになっています。 |