さるくって?
「さるく」とは御存知“ぶらぶら歩く”という長崎弁である。
- 自由気ままに“遊さるく”
- ガイドと一緒に一歩裏行く“通さるく”
- 専門的講座と体験で学識深める“学さるく”
今回の長崎さるく博2006ではこの3つのメインを柱として掲げている。
長崎さるく博2006 『さるく見聞館』
開催初日と2日目はオープニングイベントとして長崎の四季の光景をさまざまな舞台構成で展開する“オープニングナイト”があり、夏場の週末は稲佐山サマーナイトと称しビアガーデンやミニコンサートが楽しめる。
ほぼ時期を同じくして、中島川周辺では昭和初期の懐かしいレトロの風情で展開される“長崎夜市”等が開催され、メインイベントをパラレルな展開で彩るという趣向に富んだ構想となっている。

スポット的イベントと異なり、常設の施設として『さるく見聞館』というものがある。
これは長崎のまちの伝統文化、くらしのあり様を今に遺す旧家や老舗店舗を中心に、現在ではほとんど目にすることのできない道具や設備、仕事の一角を実際に見聞きすることができる施設資料館であり、新しいまち歩きのスポットとしての意味合いを持つものと考える。
『くすり見聞館』の館長に
大変名誉なことに今回私の薬局も『くすり見聞館』として認定され、私自身も館長として応対させて頂いている。
店内には江戸元禄時代より代々伝わる『鍵屋の肥児丸』をはじめ、『鍵屋の順和湯』などの家伝薬(現在は原料供給にかかる諸事情により一旦製造を中断しているため一般販売は行っていないが)、昭和初期に三味線を携え、背中に飾り傘を差し、肥児丸を方々で宣伝していた宣伝マン伊藤辰次郎氏の当時の衣装等を展示している。
| 肥児丸(ひにがん) |
順和湯(じゅんわとう) |
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| 子供の食欲不振や胃弱、過食など、俗に言われる「疳(かん)虫」と呼ばれる胃腸障害などに効果、効能があるといわれている「鍵屋肥児丸」。老舗の秘伝薬として暖簾とともに代々、受け継がれてきました。 |
肥児丸と並んで鍵屋薬品本舗で製造されている「順和湯」。こちらは女性特有の症状(産前産後、妊娠のむくみ、つわり、ヒステリー、月経不順、足腰の痛み、手足腰冷込み、逆上(のぼせ)、頭痛、感冒、更年期障害、更年期の神経症、めまい)などに効能・効果があります。 |
また、現在では動物保護法の施行に伴い入手不可となった犀角や、強心剤などに用いられる麝香、頭痛薬に用いられた猿の頭の黒焼き(猿頭霜)等、あまり目にできない動物性生薬、べっ甲細工の天秤や家伝薬の調合製法等の記された古書、昔使用されていた薬品等も展示している。
今昔の医薬品や漢方原料は仕事柄関心をもって見ていたものの、改めて倉庫にこれまで眠っていたような道具や小物類を一同に陳列してみると、その精巧な造りと芸術的な技術の完成度の高さに驚かされる。

「○○屋」という(私の所で言えばくすり屋)単なる商人業(あきんどなりわい)という表面上の部分でなく、その背景に育まれ息づいてきた芸術と技術を兼ね備えた文化を感じて頂きたい。
そして、県内に在住しておられる方々の既知を越える“長崎再発見”への期待はもとより、県外の方々からは従来のガイドブックにはない長崎の魅力的な面々を肌で感じて頂き、“また訪れたい場所”として長崎を挙げて頂けるような街づくりを目指し、私自身も一長崎人として貢献できればと思う。