花の色は千差万別
“花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせし間に”
花の色は千差万別である。
多彩な色があり、美しい花は、我々の生活を豊かにし、感動をおぼえます。
花色は主に「フラボノイド」、「カロテノイド」、「クロロフィル」および「ベタイン」といった色素化合物のいずれかが共存することにより発現します。
白い花にもこのような色素のどれかが存在します。
代表的なフラボノイド色素としては、「アントシアニン」、「フラボン」、「フラボノール」、「カルコン」および「オーロン」があり、この色素は水溶性で、花弁表皮細胞の中に存在し、赤、青、黄等の色を発現しています。
| 代表的なフラボノイド色素 |
- アントシアニン
- フラボン
- フラボノール
- カルコン
- オーロン
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花の色の安定
花の色は意外と安定しています。
これはアントシアン配糖体にフェルラ酸、コーヒー酸などがエステル結合し立体的にサンドイッ チ状になる(π-πスタッキング)、Mg, Al, Zn等の金属イオンがキレートする、フラボノイド配糖体がアントシアン配糖体にπ-πスタッキングするなど色の安定に関与しています。
色素は酸性領域で安定であり、アルカリ性にすると色あせることが多い。
人間の夢(願望)で青いバラ、青いカーネーション等が人工的な遺伝子組換えで作られている。一見、花だけが青いように見えるが、これらをドライフラワーにすると植物全体が青くなってしまう。普通の植物ではこのようなことはありえない。
やはり自然の色、自然の花の色の変化がもっとも人の心を和ませてくれる。
●昆虫も癒す植物
花の色は昆虫を集めるためのものでもあります。
また花の形、色により面白いことも観られます。
例えばフクジュソウのは、冬に咲いても花の中心温度は20度前後にまでなります。
太陽を追いかけ熱を集め、その結果、花の中は温度が上がり、花に来た昆虫の体を温め活動を活発にさせるそうです。
植物を観るとき、花の色だけでなく、形を比較し、花びらを太陽に透かせてみると違ったものが観えることがあります。是非、お試し下さい。好奇心と感動は若返りの元ですよ。
【文】矢原正治 (YAHARA Shoji)
専門:薬用植物学・生薬学・天然物化学・環境安全
熊本大学・大学院・医学薬学研究部・創薬科学講座所属
薬学教育部・附属薬用植物園担当 助教授(園長)
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