
気(き)は目にはみえませんが、私たちの体を動かし体温を一定に保つ等の大切な働きを担当しています。例えば、血液を全身に循環させ内臓の働きを調節しているのも気。また、風邪や病気などから体を守ってくれているのも気です。
体に栄養と潤いを与えるのが血(けつ)です。
血が不足すると肌の乾燥や爪が割れやすく髪がパサパサしたり、女性の場合は、経血の量が少なく、生理が遅れ気味だったり止まったりしてしまいます。
また、血は精神の安定と深くかかわっている為に、血が不足するとイライラや不安感・不眠等も起こり易くなります。
津液(しんえき)は血液以外の体液をさします。
分泌液・汗・唾液・涙なども津液に含まれます。津液は体を潤し動きを滑らかにする働きがあります。
津液が不足すると体の乾燥感や潤い不足として現れます。
また、体に余分な熱がこもらないように冷却水としての働きもあるため、津液が不足すると手足のホテリや寝汗・頬の紅潮等も起こり易くなります。

肝(かん)は血液を貯蔵し、気や血の流れをコントロールしています。
また、感情面ではストレス等を受けたときにそのストレスを上手に吸収してくれるクッションの様な働きも持っています。
肝の気をスムーズに流す働きが低下すると気の流れが滞り張ったような感じが起こります。
具体的には、お腹や胃・頭が張ったように痛む等です。
また、感情面ではイライラ・怒りっぽい・気分が落ち着かない等の症状も起こり易くなります。
肝は筋(すじ)とも関係が深い臓器である為に、肝が弱ると足のつりやこむら返り・顔や目の筋肉がピクピクする等も肝とかかわっています。
心(しん)は血を押し出し全身に巡らせるポンプの働きと、意識や精神、思考をコントロールさせることが大きな二つの働きです。
心のポンプとしての働きが低下すると血の不足が起こり、動悸や眩暈・立ちくらみなどが起こり易くなります。また、心は精神の安定を保ってくれている為に、心が弱ると不安感や不眠・物忘れが多くなるといったことが起こり易くなります。
脾(ひ)は食事の消化吸収と感情面の「思い」を司る臓器です。
脾は食事を消化吸収し必要な栄養分を全身に運び不必要な物を体外に排出させる働きを担当しています。その為、脾が弱ると食欲が湧かない・下痢をしやすい等のほかにも浮腫みや疲れやすい等の全身の症状も起こり易くなります。また、感情面では思いを担当している為、脾が弱ると「クヨクヨ思い悩むことが多い」「考えがなかなかまとまらない」といったことも起こり易くなります。
肺(はい)は酸素や二酸化炭素の運搬という呼吸機能のほかにも、外的から身を守る防御
機能また、感情面では悲しみを司っています。
肺の防御機能が低下すると風邪を引きやすく長引きやすい。
また、喘息なども漢方では肺と深く関連しています。
感情面の悲しみと深く関係している為に、肺が弱ると涙もろくなったり、愚痴が増えたり、
気分がスッキリしないといったことも起こり易くなります。
腎(じん)は生命力の源、精(せい)の貯蔵庫です。
身体の温度を調節するエアコンのような働きも腎の担当です。
腎が元気だと健康的でイキイキ若々しくいられます。
腎の精が不足すると足腰や身体の温度調節・排尿・生殖に異常が起こり易くなります。
具体的には、膝や腰の重ダルサや痛み・排尿回数が多かったり逆に少なくなったり・夜間に排尿に目を覚ます・体の冷えやホテリ・不妊症・精力減退・インポテンス等が起こり易くなります。