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薬局・薬店の先生による健康サポート
今回の東北地方太平洋沖地震は未だ嘗てない大きな規模の被害が出ました。
震災後は、目がテレビに釘付けで、あまりのすごさに言葉が出てきませんでした。
私もたいへん心が痛み、私に何かお役に立てないかと考えました。
心的外傷後ストレス障害(PTSD)
東北、関東の方の中にはこの震災から後に心的外傷後ストレス障害(PTSD)にかかられた方が多いと聞きます。
当店がある三重県の方にも震災関連のニュースを見ているだけで不安症状が出た人がいます。
心的外傷後ストレス障害とはどういうものかご存知でしょうか。
それは危うく死ぬまたは重症を負うような出来事の後になって、心に加えられた衝撃的な傷が元となり、色々なストレス障害を引き起こす疾患です。
このような強いストレスに心が耐えられなくなって、なかなか自分で修復が出来ないのでしょう。
漢方薬にできること
このような非常事態に、私も何かのお役に立てればと考えました。
漢方薬で、このような状態に効くものを解説したいと思います。
たとえば、甘麦大棗湯とか苓桂甘棗湯という漢方薬があります。
甘麦大棗湯は甘草、小麦、大棗(おおなつめ)というたった三つの生薬が混ざったものであります。
症状としては女性の下腹に不快感があり気分が滅入って良く泣くような人、良くあくびをする人、小児の夜鳴きなどがある。
そのほかの症状として不安感があり、落ち着かなくそわそわするという人にも良いでしょう。
ここで女性と小児が対象のようにかきましたが、老若男女に拘らず下腹部に違和感があり、精神が不安的で落ち着かないという場合にも著効を表わすことがあります。
もう一つの苓桂甘棗湯は茯苓、桂枝、甘草、大棗という四つの生薬が混ざったものであります。
症状としてはへその下に激しい動悸があり、時々上に気がつき上げてきて胸の中がつまり、動悸がすることもある。
みぞおちの下や腹部が痛み或いは吐き気が出たり、頭痛がしたりする人に良いと思います。
今回は比較的良く使われる漢方薬を紹介しました。これ以外にも効果のある漢方薬は多くあります。
今後、時間がたてば、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発病される方が多くなるかもしれません。また、自分でPTSDだと気づかず、苦しむ方もおられることでしょう。心的外傷後ストレス障害の原因と対処法は色々あるでしょうが簡単に治る病気ではありません。信用できる人に相談し、根気強く、自分に合う方法を見つけることが大切です。
漢方薬なら色々な諸症状を和らげることが出来ると私は考えます。
軽いストレスは人間、誰しも感じながら生きています。例えば、春になり新しい生活が始まることにより体に症状がみられるかもしれません。そのようなご相談にも、漢方薬は強い味方です。お試し下さい。
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ケンコウ薬局
秋江 洋和先生 -
- 1951年 名古屋生まれ
- 1973年 製薬会社研究所勤務
- 1975年 漢方薬局勤務
- 1982年 津市で開局 現在に至る