健康トピックス 「漢方薬こぼれ話」

前回、漢方独特の概念で副作用とめんげん反応について少し触れました。
この「めんげん」反応、何も漢方薬に限った事ではありません。
針灸治療でも体験します。
私的な経験ではありますが、
針灸では結構多く体験します。
具体的には、
腰痛の方に、針灸治療をした後、
当日の夜から翌日にかけて余計に痛くなって、
「却ってひどくなった」と思っていたら
その次の日にはスコんと治った
というような例です。
これも「めんげん」と言えるのではないかと思っています。
このような事は、
先哲・長濱善夫氏がその著書「東洋医学概説」
でも触れておられます。

昨日の話・・・・
整形外科で1年半はかかると診断されたテニス肘の方、
私が診ても、現代医学的には立派なテニス肘でした。
何回かの治療の後、前回の治療後、
どうしてこんなに体や肩が重いのだろう」って思っていると
翌日の朝も残っている。
それでも出勤しないといけないので
車で仕事に向かう途中、
コンビニによって帰ってきたら
スコんとすべてが治っていた!とのこと。
不思議ですわ」って。
そんな事ってあるんです。
これも一種の「めんげん」だったのかと。。。
魔法はありません。
が、こんなことってあるんです。
東洋医学、一度体験しませんか?
もしかしたら、うまくいくかもわかりませんから。。。

福田漢方 TEL:0746-32-4568
 

 

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漢方薬は副作用がない・・・
そんな事を思っている人が意外に多い。
あります。副作用。
しかしながら、その発症頻度は
一般的に合成薬品に比べるとはるかに低く
極めて安全性の高いお薬なのです。

そもそも、副作用という云い方が疑問です。
例えば、アスピリンを鎮痛剤として使えば鎮痛作用は主作用で、
血をサラサラにする作用は余計な作用=副作用であります。
逆に血をサラサラにする作用を期待したら鎮痛作用は副作用です。
副作用というより、歓迎されない反応というべきでしょうね。

で、その反応のリスクは先に述べたとおり漢方は極めて安全なのです。
しかし、歓迎されない反応が起こる事はあります。
「めんげん」反応といって
一見、歓迎されないような反応があっても
病が治る前兆の反応をそういうのですが、
「めんげん」反応なのか単に歓迎されない反応なのかの
見極めが困難な場合があります。

しかしながら、いわゆる副作用にせよ、その見極めの難しい反応にせよ
漢方的に診断して使い、状況を素早く見極めれば
問題となることは極めて少ないと思っています。
そのためにも信頼おける先生と密に連絡をとり報告をしていただきたいと思います。


で、ここはやっぱり専門の先生に相談される事をお勧めします。

福田漢方  TEL0746-32-4568

 

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もう20年以上も前の話。
ご主人が飲ん兵衛でほとほと困った奥さんが相談に来られた。
なんとか、ご主人の酒をやめさせたいと必死の願い。
そこで、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)を工夫したような処方をご用意した。
何日か経って、ご主人が怒鳴りこんできた。
酒がまずくて飲めなくなったというのだ
内心、良かったじゃないかと思いながら苦情を聞いていた。
本人にしてみれば、浴びるように飲酒するのは罪の意識があるというか
良くないのはわかっていたから服薬したもの、
たしなむ程度には飲みたかったらしい。
これほどに効きすぎるのは良くなかったようだ。
もちろん、処方したほうもここまで効くとは正直思ってなかったように思う。
何とも難しいケースだったが、似たような処方で、
ここまで、劇的に効いたのはこの人がNO1ですね。
酒がまずくなるとはどういう感覚なのか
今思うと、その時にもう少し詳しく尋ねておけば良かった。
この方、今も元気にされているのだろうか。
難しくも懐かしい思い出である。
ただ、現在でも二日酔いを解決するのに
黄連解毒湯と五苓散を併用したり、さらに柴胡剤を加えたりという事は
よくやる手です。
人によって少し工夫するだけで
二日酔いの予防にも治療にも結構いけます。

福田漢方   TEL 0746-32-4568

 

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立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花。
美人を形容して言うこの言葉は有名ですね。
芍薬にしても牡丹にしても百合にしても
鑑賞用としてご存知の方のほうが多いかもわかりませんが、
実は漢方薬としても重用されます。

特に芍薬。寒冷地で排水が良くかつ保水力もある土地を好み
つぼみを全部摘み取って根を太らせて、
4~5年丁寧に育てて、根の外皮を剥いで乾燥したものを
漢方薬で使う白芍(びゃくしゃく)=芍薬といいます。

日本では足利時代(1400年代ころ)には栽培していたという記録があり
奈良県で栽培されたものは「大和もの」として高級品です。
やはり奈良の土壌・環境は優れているのだと思います。
そういう意味では、「高級品」をしっかり確保できる吉野にて
開業している事はありがたい事です。

ところで、この芍薬、抗炎症作用・鎮痛作用・鎮静作用・平滑筋弛緩作用
血管拡張作用・プロゲステロン様作用などが報告され、
漢方としては、補血作用・止痛作用などを期待して配合します。

婦人漢方として有名な当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)の芍薬もこれです。
美人を形容するのは見た目だけなく、
これを服用することで健康で美人になれるというような側面があるのかもしれませんね。
実際、この処方で「シミ」がきれいになってきて喜んでくれている方はいます。
漢方の良いところ、自然の恵みを是非、体験していただきたいものです。

 

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私がまだ駆け出しのころの話。
ある日、大変スタイルのいい若い女性が相談に来られた。
モデルの仕事をしているが、ニキビが出て困るので
なんとかしてほしいとのこと。
仕事にかかわる事なのでたかがニキビといえど本人にとっては大問題だ。
当時の詳しい処方は忘れたが、師匠はある煎じ薬を出した。
ところがこの処方、良薬口に苦しを地で行くような成分だったので、
投薬時、「お薬は苦いかもわかりませんが、我慢して服用してください。
良薬口に苦しです。」みたいなことを言ったように思う。
それから一カ月後、再び来られた時は、
ビックリするほどきれいになっていて
苦いお薬と言われましたが、私は全然苦く感じなかったです。
全く抵抗なく飲めました。」というではないか。
さらに、
「あんまりきれいになったので、家族がびっくりして
我も我もと飲んでみると、苦くて飲めたものでない。
よくもまあ、こんな苦いお薬を飲めるなあと感心されました。」
というのだ。
お薬が合うとはこういことをいうのだなあと思った瞬間だった。
漢方薬が合う=良薬口に美味しいのかもしれない、ですね。

 

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