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 民間薬は昔から民間で伝承されてきた薬のことです。その土地の風土に根ざした植物や動物、鉱物などの天然物を利用したものが多く、民間薬を用いた治療法は民間療法の一つとして考えられます。民間薬はその性質上、そもそもは科学的根拠(どこに効果があるか、どういう仕組みで効果が発揮されるのか)は解明されていないものが多いです。
 漢方薬は、東洋医学という分野で体系づけられた方剤のことです。方剤というのは生薬を、互いの効能を高める目的や、副作用を起こしにくくするなどの目的で複数組み合わせたもの、及びその組み合わせのことです。ある設計図に基づいて複数のパーツ(生薬)を組み合わせてできたものが漢方薬、というわけです。漢方薬は複数の有効成分が絡み合うことで相乗的、また抑制的にも働く仕組みになっているのが大きな特徴であり、民間薬や生薬を単独で用いるより薬効は大きいです。また服用した際にからだのどの部位に効くか、どの病気を治療するかというなどといった事も分析されています。
 具体的な例を挙げると、日本の代表的な民間薬にドクダミがあります。焙煎した葉を湿布代わりに、また茶葉として用いることで便秘にも効果があります。そしてこのドクダミを乾燥させたものは、十薬という生薬になります。十薬には緩下作用、利尿作用など、十種の薬効があるとされています。天然物をそのまま、または乾燥・異物の選別などの簡単な一次・二次加工によって得たものを生薬と呼びます。この天然物は民間薬として用いられている場合もありますが、そうでない場合もあります。そして漢方薬の五物解毒散という処方にはこの十薬が配合されています。
 特定の民間薬がかたちをかえ、生薬として用いられるあたり理解しにくいと感じますが、民間薬と生薬・漢方薬の発祥はかたや伝承、かたや学問と、そもそもの出だしが異なる点が最大の違いだと思います。

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 夏にオススメする飲み物。その①はビワの葉のお茶です。ビワは昔から利用が盛んな民間薬です。夏場はビワ茶を予防的に飲む習慣がありました。暴飲暴食・ストレス・冷え、その他さまざまな原因で『消化器官が弱ってしまうと、脾胃で十分な気を作れず、からだの元気が不足してしまう。その結果、気のエンジンとしての作用が弱り、血液や体液の輸送が滞ってしまう』のが、夏ばてや熱中症の正体です。ビワ茶は特に、摂り過ぎた水をさばいて(利水作用と言います)胃腸の調子を整える働きがあり、暑気あたりの予防に用いられます。
 夏にオススメする飲み物。その②は黒酢や果物酢など。いわゆるお酢は、酢酸菌による発酵をうけており、アミノ酸が豊富です。またあの独特な酸味の正体は、有機酸と呼ばれるもので、細胞のなかでエネルギーを生み出す代謝を向上させる働きがあります。このエネルギーはきのうお話した営気にあたると考えられますね。またこの酸味を体感することで、体内の分泌が盛んになり、唾液や胃酸・胃液の出も良くなります。ですからお酢は、エネルギーと消化器官の両面から、貴方のからだをサポートしてくれますよ。

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 気功という言葉の『功』には工夫とか技術とかいう意味があります。気功(この場合、気の鍛錬法という意味になると考えられますが)は文字通り、からだを巡る『気』によって免疫力、治癒力を高めて、健康のレベルを上げる健康法です。気功を続けると血液の流れが良くなるというのは、その効果の一端ですね。この気功に見られるように、気の流れと血液の流れは密接に関係しています。東洋医学では、気は血に対して優位な作用を持っていると考えられ、両者の関係を『気は血の師(すい)』と表現しています。
 気が足りない方は、疲れやすい、食が細い、動悸や息切れがする、風邪を引きやすいなどの症状を訴える場合が多いです。東洋医学でも『気』にはいろいろな種類があるとされており、それぞれ宗気、営気、衛気、原気と呼ばれます。特に営気というのは血液に含まれる栄養に富んだ気の概念です。また原気は元気ともいわれ、生命活動の原動力です。いわば車の燃料(営気)としても、エンジン(原気)としても働くということです。このような観点からすれば、気が足りない方が陥りやすい症状も、理解しやすいのではないでしょうか?

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 良くない血液の条件、二つ目の『足りない』とは、からだを巡る血液の絶対量が不足しているということ(俗に言う貧血)です。血液はからだを巡り、細胞に栄養を与える働きがあります。この血液が不足すると、からだの隅々まで血液を送ることができなくなり、血色が悪くなる、肌や髪のツヤも少なくなり、爪も脆くなるなどの症状が現れます。
 生理等による急激な出血を別にすれば、血液が不足する原因は、アミノ酸に代表される栄養素の不足や、造血細胞の代謝不良が挙げられます。特に血液中のヘモグロビンは、鉄分とアミノ酸から作られますから、鉄分・アミノ酸の補給は代表的な体質改善法です。一方、薬用人参は、鉄分を多く含んでおり、加えて、造血に関わる細胞の代謝を促進する働きもあるとされています。すなわち血液製造にに関わる環境を整えるため、アミノ酸で材料を供給し、薬用人参で代謝を向上させるというわけです。
 また薬用人参には、細い血管への血液の巡りやすくする(赤血球変形能を向上させる)作用もあるとされ、血液の『生理的機能』を改善します。薬用人参がもつこれらの作用は『益血復脈』と総称されます。血液を増やして、脈の力を回復させるという意味ですが、まさに良い血液の条件の『たっぷり』に最適な生薬として、アミノ酸と合わせて積極的に摂取したい成分ですね。
 

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 きのうは『良い血液』の条件として『きれいに&たっぷり&巡り良く』を挙げましたが、『良くない血液』は簡単に言えばこの逆です。つまり『どろどろ&足りない&巡り悪い』。このような状態が続くと、血液がどろどろになり、からだをうまく循環しなくなる症状につながると言われています。この症状を東洋医学の言葉で『お血』と言います。
 良くない血液の条件、一つ目の『どろどろ』とは、文字通り粘性が高い(すなわち水分の少ない)ということです。これは以前にも説明しました(今日の一言(6月11日)リンク )。 発汗時の水分補給が不十分だと、血液中の水分量が不足してしまったり、汗を適切にかく習慣がないと、血液に老廃物質が溜まりやすくなることが影響します。これは夏場に特に注意が必要ですね。また体質的なものでは、からだが持っている細胞を潤す力が低いためにからだが乾き、血液もどろどろになってしまう、といったことが挙げられます。このような体質を持つ人は、肌が乾燥しやすい、口やのどが渇きやすい、のぼせやすい、水を飲みたがるなどの症状が見られる場合が多いでうす。東洋医学的には『陰虚お血』。陰とは体内の水液の事です。

 続きはまた明日。 


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