
中国の家庭民間薬である板藍根。冬季に、中国の学校では生徒たちが板藍根の煎じ液でうがいをしたり、お茶として飲む習慣があります。風邪や感染症対策によく利用され、近年では2003年にSARS(重症呼吸器症候群)が猛威をふるった際に注目を浴びました。それはもう中国内のどこでも品切れになるほどだったらしいですよ。
板藍根はアブラナ科のホソバタイセイの根を乾燥させた生薬を指します。ちなみにホソバタイセイの葉はインディゴと呼ばれる藍色染料の主原料になり、こちらも古くから利用されてきました。(この藍染めでの利用が名前の由来になっています)
板藍根では現代の基礎研究によって、抗ウイルス作用や抗菌作用、免疫増強作用、解熱消炎作などが認められています。また生薬としての作用は清熱解毒と涼血。清熱解毒は炎症に伴う熱や腫れを抑える働きを、涼血はのぼせや発赤などの症状を抑える働きをいいます。これらの作用により、生薬としての板藍根は、発熱や発疹、のどの痛み、扁桃腺や耳下腺の腫れなどを抑え、口内炎やニキビへの消炎作用も期待できます。
日本でも健康食品としての需要が増えており、粉末やトローチ、お茶など種類に富んだ製品が取り扱われています。実際に粉末を白湯に溶かして口にしましたが、独特の味ですから、何かとブレンド(これからの季節はしょうが湯などがお勧め)すると、大変おいしくいただけますよ。