今日の一言(10月2日)で少し触れましたが、秋は自然界では金の気が満ち、これを用いて人体では肺の力(肺気)が養われる季節です。肺気は肺の機能(呼吸と宣発と粛降)を発揮する為に必要不可欠なものです。
肺は以下の機能を発揮すると考えられています。
呼吸 : 大気の清気を取り込み、体内の濁気を排出する
宣発 : 肌への気の拡散、汗などの水の排泄代謝を行う
粛降 : 気や水を上から下へ降ろしたり、それによって排泄をコントロールする
これらの作用から見れば、肺が持つ機能には鼻や咽などの呼吸器官、皮膚や体毛、大腸が深く関わっています。さしずめ司令塔と実行部隊というところでしょうか。
一方で、肺は火の気によって抑制されますから、(火は金を克す)、火の温めるという性質も合わさって水の不足や停滞が生じ、粛降(排泄)作用が抑制されます。これにより大腸の通暢(つかえることなくすらすら通ること)が不調となり、便秘がおこりやすくなります。
大腸は人体の内側に位置し、便秘は特に大腸の内側でおこります。一方で肌は人体の外側に存在し、肌荒れは肌の表面部分でおこります。まさに「肌荒れの裏に便秘の気配あり」と言ったところでしょうが、大腸の不調と肌の不調は、「肺気の不調」という硬貨の表と裏でつながっていると言えますね。