漢方薬とは、主に薬草などの生薬を煎じた野菜スープのようなものなので
食事の延長線上にあるものと考えることが出来ます。
したがって、効果を最大限に活かすためには
空腹時(食前や食間)に服用が基本となります。
ただし、漢方薬といえど長期服用で胃腸に負担のかかるお薬もありますので、
かかりつけの医師、薬剤師に相談いただければと思います。
そのような場合は、食後服用も可能でしょう。
また、漢方薬は冒頭に述べたように生薬を煎じたものですので
熱いうちに服用が基本です。
つまり、現在の漢方薬はエキス剤(顆粒のお薬)が
携帯性や利便性から主流となっていますが、
エキス剤は煎じた液をカラカラに乾燥させたものです。
したがって、元の状態に戻すという意味から
お湯で服用が理想的で胃からの吸収もアップすると考えられます。
漢方薬は、空腹時にお湯で服用が基本です。
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更新日: 2014/02/28 |
俳句に季語があるように、漢方も四季の移りを大切にする医学といえます。
春は東方、肝の旺する季節であり、生物が芽生えを迎える青の季節です。 また食事においても、薬味においても春は酸味が応じる季節。 冬は塩味のきいた油っぽい食事をしていたのが、春を迎えると 酢をきかしたものをとるのが良いと言われています。 特に新しく成長してきた季節の青物を酢で調理して食すのは理にかなっています。 たけのこ、うど、わらび、ぜんまいなど成長の早いものは 特有の苦味を伴う場合もあり、、この苦味には毒出し、解毒の作用があります。 ですから寒い冬の間に、体内溜まった老廃物を体外へ出すという面からも、 この苦味は効果のあるものです。 また春は酸味以上に、甘味の摂取が良いされています。 甘味はストレスの多い人が好み、緊張緩和、疲労回復に役立ちます。 また季節の変わり目という時期で、自律神経(五臓の肝)が過敏になり、 アレルギー性鼻炎や喘息などが起こりやすい季節でもあります。 また湿気もじょじょに多くなってくるときですから、 水毒を溜め込まないように注意する必要もあります。 水分をとりすぎると、『春眠暁を覚えず』に例えられるように いつまでもシャキっとした感じがせず、 顔や手がむこんだり、脚が重だるくなりがちです。 |
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更新日: 2014/02/26 |
だいぶ間があきましたが、前回の続きです。
前回は漢方ならではの花粉症予防として 症状を抑える漢方薬を予防的に服用する以外に 衛気の補給が挙げられる、というお話でした。 漢方の考え方の一つ(漢方一貫堂医学)では、 病気は体質面からみて大きく3つに分類することができるとされています。 この三大体質とはそれぞれ ・解毒証体質 ・臓毒証体質 ・お血証体質 のことを指しています。 このうち解毒証体質というのは文字通り、 解毒剤と呼ばれる漢方薬(四物湯や黄連解毒湯など) によって治療にあたる体質をいい、現代の解釈では、 アレルギー疾患など外界からの刺激に反応しやすく 容易に炎症などの症状を起こす体質とされています。 花粉アレルギーによってもたらされる症状のおよそ半分、 腫れや炎症様症状は、この解毒証体質によるものであると考えられます。 (残り半分には水毒症状が含まれます) ちなみに花粉はこの場合の『毒』に当てはまるかということですが、 漢方で毒というのは、体毒=体内で作られるもののことです。 ですからこの場合、花粉は外からやってくるよこしまなもの=外邪と考えられるでしょう。 ちなみに解毒証体質における毒は、肝臓によって解毒される毒です。 邪によって毒を成す。 邪による影響を受けにくくする、体内に取り入れないようにするために 衛気を補うという手法が選択され、 体内で生じる毒を速やかに解毒する、毒をためないようにするために 解毒証体質を改善する(解毒代謝を上げておく=肝を清めておく)という手法が選択されます。 もちろんこの二つを合わせれば、より効果的とも言えますね。 |
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更新日: 2014/02/25 |
![]() 生理時に痛みが出てくるものだと思っている人は多いのでは ないでしょうか?生理が来るたびに、鎮痛剤を飲むのが 当たり前になっている人が多いように思います。 若い女性も生理痛に悩まされ、日常生活に支障をきたすのは 大変辛いです。 鎮痛剤を服用すると、その時は痛みがとれてもまたすぐに 痛みが出てきてしまいます。 しかも西洋の鎮痛剤は、解熱鎮痛ですから、これを毎日続けて 連用すると、体温をどんどん下げていってしまいます。 体温が下がるということは痛みは出やすくなるということですよね。 生理痛の原因の一つに、身体の冷えは大きく関連してきます。 もし、西洋薬の解熱鎮痛薬を使う場合は、漢方で身体を温める 効果のある温経湯や桂枝加苓朮附湯と一緒に服用することが オススメです。そうする事で、身体が冷えるのを和らげ、 鎮痛効果もあるので、西洋薬の鎮痛剤の服用を除々に 減らしてゆけばいいのです。 |
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更新日: 2014/02/24 |
薬草には、辛、酸、甘、苦、鹹(塩からい)の五味と
淡という味のしないものがあります。 淡は適合する効能がないのでここでは、五味について取り上げてみます。 辛は、香辛料の辛で「辛い」という意味があります。 漢方的には、気を発散する・気を巡らす作用があります。 つまり、精神的な気の鬱滞、すなわち躁鬱状態に効き目があるとされています。 そして、気を動かすということは、血や水は気のコントロール下で動くので、 血や水の流れも良くなるということになります。 また、かぜなどの時、外気の寒邪が体表面を冒したため発症すると考えていますが、 体表面に存在する寒の邪気を追い払う効果もあります。 辛に属する生薬は、「桂皮」、「生姜」、「紫蘇」、「薄荷」、「丁子」、「鬱金」などがあり いずれも食生活で身近な食材が多いのが特徴です。 五行論では、「辛」は肺と親和性があり、肺の病的状態を改善するとされています。 |
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更新日: 2014/02/21 |