ここ京都では、盆明けからの雨天も相まって、
湿気は変わらずとも、暑さはいささか(というかかなり)和らいだようです。
ここが都市部でなければと、悔やまれるところ。
暑さに合わせて、エアコンの設定温度を変えるがごとく、
口に入るものや身につける衣服などにも気を配っていきましょう。
「季節の変化に先手を打つ」のが養生の基本の一つでしょうから。
過ごしやすい時期に、過ごしやすさに任せて無茶をするか。
それとも過ごしやすいからこそ、余裕をもって行動していくか。
その分かれ道が、次のシーズンである冬にじわじわと効いてきます。
何ともアリとキリギリスの童話のような話ですが。
わたしたちの健康にとっての貯金は、
過ごしやすい秋、そして実り・収蔵の秋にこそ取り組むべきものだと思います。
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更新日: 2015/08/20 |
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お盆明け。そしていずれ訪れる夏休み明け。
休み前は楽しみだけど、休み明けはしんどい。 ・・・という経験はよくあることではないでしょうか。 例えば、夏休みの間、夜が過ごしやすいからとして 夜更かしの生活を続けると、本人も気がつかないうちに、 心身は夜型にシフトしてしまいます。 ただ、人間は本来、夜行性の生き物ではありませんから、 実際は誤魔化しながらの状態になります。 それが休み明けには元の昼型に戻るわけですが、 当然、そこには夜型と昼型のズレがあります。 このようにして休み明けの不調の一つには、 からだに刻まれたリズム(体内時計)と実生活のリズムのズレで 引き起こされるものが考えられます。 また、普段忙しい環境に身を置く方が、 休み中、時がゆっくり流れる雰囲気や環境に慣れると、 リフレッシュはできるものの、ときが経つほどに、 元通りの生活に戻るときにも「ズレ」が生じやすくなります。 人間、自分の好きなことをするとき、心も弾むものです。 休み前や休暇中も同様で、気がそちらに向きやすい。 言い方を変えると、気が乗りやすい。 逆に、自分の嫌いなことをするときは、気持ちがついていかないものです。 休み明けも然り、気がそちらを向きにくい。すなわち、気が乗らない。 気の乗らないことをやるのが大人・・・かもしれませんが、 その一方で気が乗らないと、身も入らないということもあります。 そして、人間のからだは、24時間いつでも気が乗るようにはできていません。 お天道様の日の出、日の入と同じくように、気にも出があれば入があります。 気が乗るというのは当然、「出ているとき」の方が適いやすい。 今の時代、その気にさせる刺激には事欠きません。 最初に述べた休みや休暇も、その間に いつもとは違う過ごし方をすると考えれば、一つの刺激とみなすこともできます。 そして刺激は誤った用い方をすれば、リズムを乱します。 気の出と入のリズムを整える良薬となるか。それとも乱す劇薬となるか。 私達はこの点を肝に銘じておく必要があるでしょう。 |
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更新日: 2015/08/18 |
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冬かぜ、夏かぜという表現があります。
冬に引くから冬かぜ。夏に引くから夏かぜ。 その解釈も誤りではないでしょう。 ただ、夏に引いたかぜだからこの処方薬で・・・、 また、冬に引いたかぜだからこの処方薬で・・・、 というようにすんなりと事は運びません。 何時の時期に引いたかというよりも、 どういう症状が現れているのかを把握することが大切です。 例えばの話、夏の暑い時期に、冬かぜと同様の症状に陥った場合、 それは冬かぜの処方薬(例えば葛根湯)で事足ります。 ただし、実際はそのようなことは極めて稀です。 簡単に言えば、夏は暑くて湿気が盛んで、冬は寒く乾燥しやすいから。 かぜは感染症ですから、寒熱・燥湿などで環境が変化すると、 感染するものも異なるのが道理でないでしょうか。 もし、夏にも関わらず冬かぜ様の症状が貴方の身に起きた場合、 貴方の身の回りは夏ではなくて、冬のままの状態だということです。 そんな不可思議なこと、往々にしてあるでしょうか。 最近では夏なのに、冷房の多用からくる肌寒さを訴えるように 室内はあたかも冬の様相を呈している場合があります。 かといえば、室内で熱中症で陥るケースも多発している。 対照的な二つですが、どちらも夏らしくないのでしょうね。 夏に、夏らしい夏を送る。夏の冷房の利用はかくあるべき。 夏を涼しくするために、ましてや寒気を感じるためにあるわけではありません。 そして病状は現れない、病には陥らないに越したことはありませんが、 夏に暑い、暑いと訴えるのは自然な事ですが、 夏に寒い、寒いと訴えるのは、ひどく不自然でしょう。 ですから夏に葛根湯を服むのは、それだけ夏らしくない=不自然なことなのですよ。 |
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更新日: 2015/08/10 |
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暑い時期は汗をかくから、水分補給は欠かせない。
たしかに正論です。汗をかく方にとっては・・・。 ですがその一方で、暑さにまかせて汗をかくのはからだに堪えます。 発汗は健康・体調にとってプラスの事ですが 多汗は逆にマイナスになる。 発汗による過度の消耗を抑えるためには、汗を適切に調節する必要が出てきます。 そのような中で、暑い季節に盛んになる水分補給にも、 さまざまな意味というか、価値をもたせることが必要になってきます。 水分補給に付加価値を。 それすなわち、お茶ではないでしょうか。 その延長線上に漢方の煎じ薬なども見立てることもできます。 例えば、夏場のお茶。 ビワ茶やペパーミントティ。 いずれも水分補給に清涼感を付加してます。 対して、冬場のお茶であるところのしょうが湯。 水分補給に温感を付加しているわけです。 夏場の水分補給はともすれば、暑さを解消するために行われがち。 ですが、水がからだを冷ますわけではありません。 かといって温めるわけでもありません。 温性でも寒性でもない平性が水の性質です。 漢方の考えでは、からだを温めたり冷ましたりするのは、 むしろ血(血の巡り)であるという考え方もあります。 冷たい飲み物を服めば、暑さは解消されるのでは・・・と考えますが、 それは「冷たさ」を抱えているだけ。 そしてこの冷たさは、付加価値としてはとても質の悪いものです。 稚拙な表現ですが、からだにはやさしくありません。 氷を長い間握り続けれませんでしょ。手が痛くなるでしょ。 だからこそ、冷たさに代わるものとして、 人々は古来より「涼しさ」を求めてきたわけです。 ちなみ、水はいろいろなものが溶け込みやすいという延長線上なのか、 いろいろなものを帯びやすいという性質を持ちます。 日本では、暑くなるほどに湿気が増えていくでしょう。 湿気(水気)が暑さを帯びている状態です。同様にして寒さも帯びやすくもあります。 そして自然界で生じる現象は同じくして、私達のからだにも生じます。 からだに溜まった水分に熱が結びついたり、寒を含んだりする。 そのようにして、湿気に富んだ時期や水分摂取の増える時期には それぞれに特有な症状が現れたりするわけです。 |
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更新日: 2015/08/06 |
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スタミナ。
夏に聞くことの多いキーワードですが。 そして夏場は実際、何かと意識してスタミナを摂ることも多くなるわけですが。 そのスタミナ・・・、こってりしてませんか? 今の時期のスタミナ食材といわれるうなぎ、焼肉など・・・、こってりしていませんか? 私たちのからだは、 暑い季節にかけてはさっぱりした薄い味を、 寒い季節にかけてはこってりした濃い味を、それぞれ好みます。 この好みはからだの、夏は発散につとめ、冬は収蔵につとめる という働きにも通じています。 発散するにはさっぱりした味に含まれる、酸味や辛味の方が都合が良いでしょうし、 収蔵するには、こってりした味に含まれる甘味の方が都合が良いでしょう。 実際にも中華では、こってりした味付けの料理は、 一部の宮廷料理に見られるものの、 そもそもは寒い地域の料理に見られる事が多い特長です。 これには諸説ありそうですが、寒い地域に適した食事ですから、 体脂肪を養うことで耐寒性を高めたり、 香辛料をふんだんに用い、からだの発熱や保温をうながすといった目的が 込められているのではないでしょうか。 そして夏のスタミナ補給は、基本はやはり、さっぱりの方が良いと思います。 実際、さっぱりした味付けに用いられる酸味は、味としても然ることながら、 クエン酸やアミノ酸なども熱中症対策に積極的に利用されていますし。 そして先に述べたように、夏のスタミナ補給は、 発散によるスタミナ切れにならない為のものでしょうから 肥えるためのものではなく、むしろ、継続力、持久力に根ざしたものでしょう。 そのような点からも、暑い時期のスタミナ補給には 適度な酸味や辛味が利いたものが適している様に感じられます。 ちなみに、夏の次には食欲の秋が控えてるのですから、 スタミナ補給といっても、スタミナを蓄える必要は全くと言って良いほどありません。 |
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更新日: 2015/08/04 |
















