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薬用人参は滋養強壮薬としての面がある一方で、
漢方薬に含まれる生薬としての面もあります。

薬用人参は元気を補う薬物(補気薬)として、
補中益気湯や帰脾湯、六君子湯を始めとした漢方薬に含まれています。
これらの漢方薬は共通して、
人体の元気・栄養不足を補う働きがあります。

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中国最古の薬物書「神農本草経」の中で薬用人参は
上薬と呼ばれるカテゴリーに含まれます。
上薬は総じて副作用が少なく、寿命を延ばす働きがあり、
また漢方薬全体の作用を整える働きを有しています。
つまり、上薬としての働きがある薬用人参は、
他の生薬と組み合わせやすく、
だからこそさまざまな漢方処方に用いられるという訳です。

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ただ漢方薬の効能は、個々の生薬の働きも然ることながら、
生薬の組み合わせによるところが大きいです。
そして漢方薬はそもそも煎じ薬ですから、生薬は全て刻んだ状態で用いられます。
薬用人参では若齢の4年根や5年根が、刻み生薬として漢方方剤へ当てられます。
逆に適齢の6年根はその稀少さから、刻み生薬としては用いられず、
一本根としてそのまま流通します。6年根はそれだけ稀少ということです。

適材適所。同じ薬用人参ですが、用途によってその根齢(?)が異なります。
それは薬膳から薬酒、漢方薬まで、
さまざまな形で活用される薬用人参ならではの話です。

実験室で化学的に合成された化合物は単一の成分からなります。
ですが、自然下で生育される薬用人参の中では、
長い時間をかけて、さまざま有効成分が生成されていきます。
その有効成分を人工的に作り出す方法は、現在のところ確立していません。
植物体そのものを増やす栽培に頼らざるをえない訳です。

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また、薬用人参に代表される天然生薬の妙は、
複数の有効成分が一定の割合で含まれている点にあります。
有効成分のどれか一つが欠けても、
生薬としての有用性は失われてしまいます。
そして、それをそのまま人工的に作り上げるにはかなりの無理があります。
まさしく自然の妙です。ですから自然に委ねるしかありません。
数多くの有効成分を含む薬用人参ならば、なおさらの事しょう。

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ちなみに薬用人参は、6年の歳月を費やして有効成分を生成・貯留していきます。
この6年間を早めることもできません。じっと待つしかありません。
そうまでして用いるのは、それが代わりのきかないもの、
薬用人参が唯一無二の存在だからです。
遥か昔から珍重されてきた薬用人参が、
今日でも変わることなく用いられることには、そういう経緯もあるんですよ。

薬用人参が日本で本格的に栽培され、薬として重用されるようになってから300年余り。
今では、医薬品から健康食品、果ては化粧品にいたるまで、
さまざまなものに配合され、利用されています。
そんな薬用人参ですが、数ある滋強壮剤の中でも、実はかなりユニークな存在です。

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あまり知られていませんが、
薬用人参は服用する時間帯によって、異なる働きを示します。
例えば、朝の時間帯に服用すると 身体に活力が沸きます
けれども、夜の時間帯に服用すると 身体が休息しやすくなります
何とも不思議な働きでしょう?

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私たちの身体には、元から リズム(周期) が備わっています。
例えば女性の生理は月のものと呼ばれ、文字通り月周期で訪れる現象です。
同様にして日周期があり、それは活動・休息の周期です。

人の身体は、日中は行動するように、夜半は休息するようにできており、
その周期にあわせて生活するのが、もっとも負担が少ない方法とされています。

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そして薬用人参の効能は、この 人の身体に備わる周期を整える ところにあります。
人の身体に元から備わったリズムを、本来の形に整えてくれるわけです。
日周期が整えば、日中は行動しやすくなり、夜半は休息しやすくなる。
疲れや不眠に悩まされることが、ずっと少なくなります。
そして月周期が整えば、生理が整っていき、
あるいは年周期が整えば、不老長寿が整っていくという・・・。

そのように人の健康に即したものだから、
その名前にも「人」という字が使われているのかもしれませんね。

精を出す事と精をつける事。日々の健康は之の繰り返し。

病は気からといいますが、本当に怖いのは
①気を病んで
②気が回らなくなり
③血の気が乱れる

という一連の流れにあります。
そして血の気が乱れると、血は行き先を見失います。
文字通り、血迷う訳です。

「彼方を立てれば此方が立たず」といいますが、人のからだも同様で、
頭で血の気が多くなれば、反対の腰では血の気が失せやすくなります
もっとも、たちまち失せてしまうというわけではありません。
長い時間をかけてゆっくりと血の気が失せていきます。
そしてまた、からだ全体の血の気が少ない人ほど、
からだの一部に血の気が集まれば、他の部分では血の気が失せやすくなります。


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血の気が多い状態が続けば、からだはそれだけ傷つきやすくなります。
頭が傷つくと、頭痛や耳鳴り、あるいは高血圧症などが現れるようになります。
逆に、血の気が少なすぎると、からだはそれだけ定まらなくなります。
一種の栄養不足に陥ってしまう。
そうして腰では、頻尿や便秘、腰痛などが現れやすくなります。

ちなみに、降圧剤を用いることと、血の気を整えることは同じではありません
たしかに重なる部分もあります。
ですが降圧というのは、今以上に血の気が多くならない為の手段です。
言ってしまえば現状維持です。血の気が多い状態には変わりありません。
ですから血の気が整わない状態で降圧するのを止めれば、
血圧は血の気に誘われて、高い方へと戻ってしまいます。

そして降圧は、高いものを下げるという一方向のみに働きますが
血の気を整えることは、必ずしも一方向ではありません。
血の気が多ければ、減らす方へと働き、血の気が少なければ、増やす方へと働く。
ですから場合によっては降圧と昇圧の両方を兼ねることもあります。
逆に不要だとどちらにも働きません。それは、その人の血の気の具合によります。
血の気を整えることで血圧が安定していく以外にも、疲れに対抗力がついたり、
睡眠の質が良くなるなど、良い兆候がいろいろ現れるのもそういう訳です。

精を出す事と精をつける事。日々の健康は之の繰り返し。

「血の気が多くなる」というのを耳にすると、
激情しやすいとか、精神的に高ぶりやすいとか
特別な状態を連想してしまいますが、
それに限った話ではありません。
誰にでも簡単におこり得る生理現象です。

例えば、走って汗をかく。
汗をかけるのは、皮膚に血の気が多くなるからです。
いつもよりも多くの血液が皮膚に送られることで、
皮膚の代謝は高まり、そして発汗が促されます。
走って皮膚に血の気が多くなるのは誰にでも起こることです。

あるいは、緊張して上気する。
誰でも緊張すれば、血の気が上半身に集まります。
そして血の気が多くなるほど、ほてりを帯びていきます。

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からだを動かすことで、血の気が多くなる事とは別に、
血の気は定まることなく、たえず変化を繰り返しています。
ちょうど現実の波のように、引いて寄せてを繰り返しているわけです。
そして波に干満があるように、血の気にも満ち干きがあります
一日単位の満ち干き。一ヶ月単位の満ち干き。
それこそ女性の月経は、完全に一ヶ月単位の満ち干きに該当します。
一日単位の満ち干きは食欲や睡眠、
あるいは夕方なると熱っぽくなる症状(潮熱症状)などにも通じています。

そして規則正しい生活を通じて、血の気の満ち干きは養われ、整っていきます。
逆に不規則な生活を繰り返すことで、血の気はだんだんと乱れていきます
特に、子供の夜更かしが良くないといわれるのは、
大人に比べて、子供の血の気が未熟だからです。
子供は大人よりもずっと血の気が乱れやすい。
その兆候が強く現れるのが思春期や反抗期なんでしょうね。


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