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精を出す事と精をつける事。日々の健康は之の繰り返し。

精神的に高ぶりやすい人を血の気が多いと例えますが、
血の気が多いとは、(身体の一部に)血が異常に充満した状態を意味します。

平素の血液はからだのさまざな部分にバランスよく分散していますが、
何事が起きたときにはそのバランスが乱れ、特定の部分に血が集まりやすくなります。
それが即ち血の気が多くなるという状態です。

春は、何かと血の気が乱れやすくなります。
からだを流れる血液は、ちょうど良い気候のときは
からだの中と側、上と下、内と外などで、それぞれバランスよく流れています。
(仮にバランスを1:1としておきます。)
けれども寒いときは体温を保とうとして、血液はからだの内や中に流れやすくなります。
そうすると当然、バランスも変化していきます。
(内:外=1:1だったものが、寒いときは内:外=3:2に変わるという具合)

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そして寒いときから、ちょうど良い気候に移り変わるときは、
バランスが元の状態に戻るから、良い兆候のように受け取られます。
実際にも、春に深まると肌が乾燥しにくくなったり、
手足の冷えを感じにくくなったり、からだも活動的になっていきます。
ですが中には度を越した反応が現れることもあります。
汗をかきやすくなる。ほてりを感じやすくなる。
吹き出物ができやすくなる。神経が敏感になる。痒みがおこりやすくなる。


血の気が乱れると、それに伴ってからだには反動が現れます。
ただ、それが小さいか大きいか、好ましいものかそうでないかは
血の気の乱れ方(どれだけ乱れるか)で決まります。
小さな乱れに留まると反動は小さくて済みますが、
大きく乱れてしまうと、それだけ反動も大きくなってしまう。
俗に、平静を保つことを「心乱さず」と申しますが、心は全身の血脈を司る部分。
ですから心乱さずとは、血の気を乱さずということも表現していると思います。

季節の変わり目や生活環境、生活習慣の変化に伴い、血の気は乱れやすくなります。
ですが一方で、その人自身の「乱れにくさ」というものも忘れてはいけません。
心の乱れにくさ。血の気の乱れにくさ。
最近注目されている「鈍感力」というのもその一つではないでしょうか?
もちろん、全てにおいて鈍感である必要はありません。
大切なのは、人並みに敏感であれという事です。
全く血の気が乱れないというのも無理ですし、それは人間らしくありません。

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そしてまた、乱れた血の気をよそへと逃がすという対処法も大切です。
気分転換は高まった血の気をよそへと転換して、解消してくれます。
血の気を整えると、からだだけでなく、心も平静を取り戻します。
マッサージで全身の血の気を整えると、気持ちが穏やかになる。
便通を整えておなか周りの血の気を整えると、精神的に高ぶりにくくなる。
ちなみに漢方では、この血の気を整えることを疎肝とか疏泄といいます。

精を出す事と精をつける事。日々の健康は之の繰り返し。

精神的に高ぶりやすい人を血の気が多いと例えますが、
血の気が多いとは、(身体の一部に)血が異常に充満した状態を意味します。
そして、血の気で言われる「気」とは、気配の「気」と同じ意味です。

何事もないとき、人はさまざまな事に気が配れます。
ですが、特定のことに気を配り始める(固執し始める)と、
それ以外のことには気が回らず、疎かになってしまう
物事に集中して、寝食を忘れる、
心配事があって、食欲が失せるなどもその一端です。

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血の気についても、同様のことが当てはまります。
平素の血液はからだのさまざまな部分にバランスよく分散しています。
ですが、何事が起きたときには、特定の部分に血が集まってしまいます
逆に他の部分は血の気が疎かになりやすくなる。

ただ、実際のからだは、血液や血流に対して余力を残しています。
どこかに血が集中したからといって、たちまちどこかで乏血は現れず、
バランスが乱れた状態は、柔軟な血流によって修整されます。
ちなみにそれもまた五臓の「肝」の働きです。
肝の働きが整えば、必要なときに必要な量だけ、速やかに血液が届けられます。

また、血の気が多くなる部分では、身体の働きは亢進しますが、
逆に血の気が少なくなる部分では、身体の働きは衰退します。
イライラすると眠りづらくなる、疲れると神経が敏感になるなどは、
血の気が乱れた人に見られがちな症状です。

そして「一事は万事」といわれますが、血の気という一事の乱れを整えるときには、
それ以外の万事を整える事も、実はかなり大切ですよ。

精を出す事と精をつける事。日々の健康は之の繰り返し。

桜が良い感じに咲き誇っているのに、あいにくの雨天。
散ってしまわないか、少し心配です・・・。

心身のサスペンションとしての役割を果たす肝。
その働きの中心にあるのは柔軟さです。
そして肝の「柔軟さ」を支えるのは、肝が貯蔵している血=肝血の流れです。

漢方では、柔軟な血流が肝の働きを支え、そして柔軟な心身を養っていくと考えます。
その一方で、柔軟さを失った血流は滞りやすい為、
之をお血と呼び、万病の元として問題視しています。
※お血とは? 今日の一言(3月8日より)リンク

ちなみに、精神的に高ぶりやすい人を血の気が多いと例えますが、
血の気が多いとは、(身体の一部に)血が異常に充満した状態を意味します。
柔軟と充満はいわば正反対ですから、血の気が多い状態に近づくほど、
肝の柔軟さは損なわれ、高ぶりやすくなります。

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ただし、身体のある部分で極端に血の気が多くなってしまうと、
別のある部分では逆に血の気が失せるという現象も起きてしまいます。
心から血の気が失せると、精神は安定を失いやすくなり
体から血の気が失せると、冷えやほてり、こり、痛みなど、
さまざま々な症状が現れるのもこの為です。

精神的に高ぶりやすいほど、精神的に落ちつきにくい。
生理前で下腹の子宮に血の気が多くなるほど、
上半身が火照りやすくなる、手足が冷えやすくなる、安眠しにくくなる。

そのような症状は、体のある部分で血の気が多くなり、
別のある部分では血の気が少なくなってしまうという、
血の気が乱れることで起こりやすくなります。
そういうときは文字通り、乱れた血の気を整えることが必要になります。
万事、気を整えるのは、五臓の肺がもっとも得意とするところです。

精を出す事と精をつける事。日々の健康は之の繰り返し。

心身のサスペンションとしての役割を果たす肝。
その働きの中心にあるのは柔軟さです。
これが失われると、心身がガチガチに固くなり、張ってしまいます。
緊張といいますが、その実は肝張(?)とも言える訳です。

そんな肝の「柔軟さ」を支えるのは、肝が貯蔵している血=肝血です。
肝に十分な血が湛えられることで、肝本来の働きが発揮されます。
ですが肝というのは、肝臓だけを指すのではなくて、
四肢や消化器官、子宮など全身の筋肉もまた肝に属します。

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筋肉の中には血管が通っており、十分な血液が通うことで筋肉は柔軟さを保ちます。
その点では筋肉も血を湛えると考えられ、
漢方では之を一つの臓として捉えます。
臓とは臓器そのものを指すのではなくて、身体にとっての働きや機能の事を指す。
この辺りは、漢方ならではの考え方かもしれません。

そして肝の柔軟さには、肝血の存在が欠かせない訳ですが、
ここで大切なのは「いかに肝血を養うか」という点。
前回も少し触れましたが、肝血といえどもやはり血ですから、
そこは巡らなければ、働きは十分に発揮されません。
健全な血液は、健全な血流から始まります。

ではその健全な血流はいかにして?
その答えは肺にあります。
簡単に言えば、肺は促進を担います。
すなわち、肺の働きが肝血の流れを促進してくれるという訳です。

精を出す事と精をつける事。日々の健康は之の繰り返し。

心身のサスペンションとしての役割を果たす「肝」。
その肝の働きの中心にあるのは、柔軟さです。
身体の柔軟さだけでなく、心神の柔軟さも支えるというのが、なんとも漢方的です。

柔軟さが失われた心身は、いわばガチガチの強張った状態にあります。
心神がガチガチだと、精神が不安定になりやすかったり、
高ぶりや抑うつが起きやすくなり、身体がガチガチだと、
筋肉は硬くて痙攣しやすく、関節も曲がりにくい。
自動車でいえば、サスペンションの
バネ弾みやダンパーの油圧が利かない、とてもピーキー(挙動が不安定)な状態です。

サスペンションとしての柔軟さ、すなわち肝の柔軟さを支えるのが肝血。
まさしくダンパーの油液そのものですから、
肝にとっての肝血は生命線、文字通り「肝のキモ」となるわけです。

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そして肝血といえどもやはり血ですから、
そこは巡らなければ働きが十分に発揮されません。
肝の特徴の「柔軟さ」を発揮するのは肝血ですが、その働きを維持するには、
肝血もまた巡らなければならないというわけです。

ちなみに肝は五臓六腑の中で、一番たくさんの血液を必要とする臓器です。
逆にいえば、血液不足で制限されやすいのも、また肝。
そういう点から漢方では肝の働きの良悪を通して、
全身の血液状態を把握していくこともしばしば。
そんな血液の映し身としての肝は、まさしくかんじんかなめというわけです。


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