• お問い合せ
  • サイトマップ
  • 個人情報保護
  • 交通アクセス
  • 漢方薬 漢方薬局 薬店のことなら きぐすり.com
  • ホームへ
  • 店舗紹介
  • 相談方法
  • よくあるご質問

薬用人参の効能は、今日では人参七効としてまとめられ、
その一つに 益血復脈 があります。
之は簡単に言えば、血の働きを高めるということ。
血の働きというと西洋医学では、
血液の検査数値を連想させますが、東洋医学では少し違います。


402558

漢方では大前提として、血は身体を巡るもの という考えがあります。
血液が巡ることで冷えに強くなる、血圧や脈が安定する。あるいは生理が整う。
全身を巡ることで、身体の各部に栄養をもたらすだけでなく、
さまざまな効果も同時に発揮するのが、漢方における血の働きです。
そして漢方では、血の働きが乱れた状態を特に お血 と呼び、
長い年月をかけてさまざまな対応を講じてきました。

そうした血の働きを整えるポイントは、実のところ 気を整える ことにあります。
漢方では 血と気の交わりは 気は血の帥 と称されるほどです。
血の正常な働きにとって、気の作用はそれだけ重要だということ。
からだの健康全般を支えるのは血の働きによるところですが、
その健康を実際に発揮するのは、気の働きによるということでもあります。
そして気が乱れると、血は濁り、やがては腐っていきます。

asian-ginseng

人参七効にうたわれる益血復脈は、
こうした 気血の関わりの大切さ を示唆しており、
薬用人参は特に、冷え性や貧血・低血圧に対して
効果を発揮することが知られています。

余談ですが、一口に貧血といっても、西洋医学と漢方では捉え方が違います。
貧血は、西洋医学では血液のトラブル(特にヘモグロビンの不足)とされますが、
漢方では、血が貧するのは気が抜けるため と考え、
貧血といいながらも、その実は気のトラブルとして対処されます。

血液を造り、それを巡らせるのは、身体の機能の一つですが、
その機能を発揮できるのは、気の働きによります。
その一方で、身体はそういう機能を通じて、血に気を通わせています。
そうして気が通うことで、血は本来の働きを発揮するようになり、
気の通った血が、俗にいう精を養います。
(精力というのは、気と血のかけ合わせで発揮されると考えられています)

薬用人参をお勧めする理由(14)リンク でも触れましたが、
気の恩恵は、俗にいう「元気」や「体力」を通じて、
身体が発揮する機能だけでなく、身体を構成する全ての要素にも通っていきます。

薬用人参にはさまざまな薬効がありますが、
薬用人参(朝鮮人参・御種人参)そのものは、
実はとてもデリケートな植物で、また栽培が難しい。

936_0_02


人の身体に有益な効能をたくさん持つから、さぞ凄い生命力を秘めていて、
少々劣悪な環境でもすくすくと生育していく・・・という訳ではなく。
実際は、過剰な水分や直射日光にとても弱く、弱酸性土壌でしか生育しません。
そのため、日本でも福島県や島根県など
限られた地域で、限られた量しか栽培されていません。


そんなデリケートな植物にも関わらず、
6年間ほどの生育期間を通じて、薬効成分がしだいに充実していきます。
そして収穫した後の土壌は、栄養が元通りとなるのに約10年を必要とします。
他のさまざまな植物も土から栄養を吸収しますし、農作物では
同一の作物を栽培することで連作障害が起きやすくなりますが、
そんな中でも一度の栽培を通じて、土の栄養を
全て吸収してしまう薬用人参は特に際立っています。
土壌から得た生命力(栄養)の全てをその薬効成分に変えている。
その点では、薬用人参を頂くということは、
まさしく 土の生命力を頂く ということになります。

asian-ginseng


之は偶然かもしれませんが、
薬用人参にはお腹の働き(=脾気)を高める作用があり、
万物を木・火・土・金・水に分けて捉える五行論では、脾は土に属す とされています。
土の生命力を通じて薬効成分を高める薬用人参ですが、
その効能は人の身体を通じて土(=脾)に帰るといったところでしょうか。

暑い時期に入ると、水分摂取の回数やその量は、自然と増えていきます。
最近では、特に高齢者の睡眠中の 脱水 も問題となっています。
暑さが増すほど、喉は渇きやすく、また汗はかきやすくなります。
そういう生理現象は、本人が「暑い」と自覚していなくても、自然と起きています。
中には暑さに我慢強い人も少なくありませんが、
その当人が「暑い」と感じるときは、実際はかなり暑い。
そして身体は急激な消耗には敏感ですが、
じわりじわりと襲う緩やかな消耗は感じにくいものです。

144707c86d4f2243af5b21a12274c0a61



漢方では、夏を中心とした暑い季節は 発散 の季節、
それに対して、冬を中心とした寒い季節は収蔵の季節とされています。
夏の身体には発散しようとする力が自然と働き、
生活面でも、その発散を促すように励みなさいということです。
そして夏の発散には、身体の 水回り がキモになります。
このような考えが根底にある漢方では、
水分摂取は身体から失う水分の補給だけでなく、
発散を促す一つの手段として定めることもできます。

ただし・・・、
補給された水分を通じて、体液が補給されるには「隔たり」があります。
口から摂る水分と体液は、厳密には組成が違うという「隔たり」。
口から摂る水分が、身体に吸収されるのにかかる時間的な「隔たり」。
両方とも最近は、経口補水液のお陰でかなり改善されています。


zxfafasfaw


漢方では、体液(津液)は気の働きによって生成・供給されると考えています。
たしかに適度な水分補給は必要になりますが、
それを吸収して、体液に作り変えて、身体の各所に運ぶのは気の働き。
そして大切なのは、気の働きは身体の「水回り」を整えるという点。
水分の吸収・体液の生成だけでなく、
その発散をサポートするのも、気の働きによるところです。

130519soda01-thumb-640x360-57706



あくまでイメージですが、体液は炭酸水を連想させます。
しゅわしゅわとした炭酸は、まさしく気が入っている証拠。
そのようにして気が通っているから、体液となります。
ですが気が抜けていたらそれは炭酸水ではなく、そして体液でもありません。


薬用人参をお勧めする理由(10)リンク でもお話しましたが
人参には渇を止め、津液を生じる働きがあります。
それはつまり、気を補うことを通じて、体液を生成するということ。
暑い時期の水分補給は、このような 気と水の両立 がとても大切です。

忙しいときは、何事も「体力」に頼りがちになりますが、
今の身体にどれだけ体力が備わるかは、
体力の充実だけでなく、体力を蓄える「身体」の大きさにも左右されます。
体力は身体が発揮する訳ですから。

124192


そして身体には文字通り、「内臓」が内蔵されており、
漢方では、身体が発揮するものは全て、内臓の働きに基づくとされます。
ですから体力強化を考えるなら、それを発揮する身体の強化を・・・。
けれど身体の強化を考えるなら、まずは内臓の強化を・・・という訳です。

医療現場では身体の疲弊時に、点滴や缶入りの栄養剤が用いられます。
たしかに身体が弱っているときには、いち早い栄養摂取が望まれます。
ですが栄養が豊富なら、ずっと点滴を受ければよい、
その栄養剤を飲んでいれば良いという訳ではありません。
栄養は取れますが、吸収が良いから内臓の働きは必要としません。


良く言えば、内臓に負担をかけないという事ですが、
言い変えれば、内臓が働く要素がないという事。
動かないと身体が鈍(なま)るように、内臓も働かないと怠けます。
そして働かない内臓はやはり、本来の姿ではありません。

e0073240_7225465


栄養を摂る事と、食事を摂る事の大きな違いは、
内臓を働かせる要素 がある点。実は之がとても大切です。
規則正しい食生活も、規則正しく内臓を動かすための一つの方法です。
そして漢方では、内臓の働きを支えるのは気の作用によると考えられています。

神農本草経に記述される薬用人参の薬能は、
今日では人参七効にまとめられ、その一つに 補気救脱 があります。
補気とは気を補うことですが、それには内臓の働きを高めるという意味があります。
内臓の働きの大切さは先に述べた通りですが、気はその原動力に当たります。
中でも薬用人参は、お腹(脾)の気を高める働きがあります。

asian-ginseng


救脱とは、虚脱を救うこと=体力を増進したり、身体の抵抗力を高めること。
そして補気は、内臓の働きを高めること。
ですから補気救脱とは
内臓(お腹)の働きを高めて、体力や身体を強化する
人参のこの効能は、健康や体力の支えは
他ならぬ内臓の働きにあると物語っています。

梅雨の空気は湿気を帯びて湿っぽくなりますが、
同じようにして、人の身体を巡る気も湿っぽくなります。
湿っぽくなると粘調も強くなり、気の流れは
ゆっくりしたもの(悪く言えばぱっとしないもの)になります。
晴耕雨読 という言葉にあるように、
身体は晴天では活発になり、雨天だと緩慢になります。

sentakumono


また、湿っぽくなった衣服は肌に張り付き、重く感じますが、
同じようにして、湿っぽくなった気は「内臓」に張り付きます。
漢方では、肝ならば肝気、肺なら肺気というように、
内臓は自らの 気を発する ことで、その機能を発揮すると考えます。
(さまざまな機能の乱れを、それを司る五臓の気の乱れと結び付けるのも漢方の特徴です)
ですが湿った薪がなかなか燃えないように、その気が湿っぽくなると、
内臓から発せられるときにもたついてしまいます。
そうして身体のさまざまな機能が 緩慢 になるのが、湿っぽい時期の特徴です。

img_snail02


そんな湿気による影響が強く現れるのが お腹(脾) です。
たくさんの湿気は、働きを緩慢にするだけではなく、
ときにお腹を傷つけてしまいます。
また、他の臓器(肝・心・肺・腎)にもたらされる気は、
お腹の働きによって作られますが、傷つき弱ったお腹では、
十分な気が供給されません。
そしてまた、湿っぽい脾で練られる気も、やはり湿っぽくなります。

asian-ginseng


大気は湿っぽくとも、お腹には晴天を。
雨天の陰気(湿っぽさ)に対して、晴天は陽気をたくさん含んでいます。
そして、お腹の陽気を養うには、気を補って陽気を高める薬用人参が適しています。
梅雨の身体は、どうしても陰気に傾きがち。
けれど、あまりに陰気に偏ってしまうと、返って陰気は傷つきます。
陰陽のバランスを図るという点でも、陽気を補うことは理に適っています。


Copyright© 漢方 柿ノ木薬局 All Rights Reserved.