• お問い合せ
  • サイトマップ
  • 個人情報保護
  • 交通アクセス
  • 漢方薬 漢方薬局 薬店のことなら きぐすり.com
  • ホームへ
  • 店舗紹介
  • 相談方法
  • よくあるご質問

秋は日を追うごとに大気が乾燥していく時期ですが、
秋に重きをおく肺は、この乾燥を嫌う臓器であり、
その働きを高めるには、肺自身の 潤い を整えていく必要があります。

全身の皮膚や粘膜、鼻や喉などの呼吸器官といった部分。
漢方でいえば肺が養う部分には、いずれも適度な潤いが必要です。
単に乾燥しやすくなるというだけでなく、
潤いが不足すると十分な機能が発揮できなくなります。
また荒れやすくなることで、肌荒れや皮膚炎、
咽頭炎や咳、息切れなどの症状もおきやすくなります。
潤いが不足することで、
肺本来の 分泌力や抵抗力、治癒力 がうまく働かなくなる訳です。

002132

肺に潤いを与える。肺の潤いを養う。
からだの外側であれば、適した保湿薬を用いて、潤いを与えることはできます。
けれどもそれだけでは、からだの内側や肺本来の潤いはなかなか整いません。
またそういう部分は水分を摂れば、すなわち潤うという訳でもありません。
からだの潤いは足りないのに、
水分を摂りたがらない方も実際には存在します。

からだの元気を取り戻すのに滋養(強壮)という方法があるように、
からだ自身の潤いを取り戻すのに 滋潤 という方法が存在します。
(先ほども述べましたが、水分を摂る事と滋潤することは同じではありません)
漢方では肺に潤いを与えるとは、この滋潤(もしくは滋陰)のことを指します。
当たり前かもしれませんが、からだには 自らを潤す働き があります。
それを高めていくことは、肺の働きを高めていくことにも通じていきます。

前回に引き続き、秋に重きをおく肺について。

しばしば、肌は内臓を写す鏡 といわれますが、
漢方では、「肺は百脈を朝じる」という表現があります。
百脈とはからだに通じるすべての血脈のこと、朝じるとは集めるという意味です。
からだの血脈が集まる肺には、
その脈を通じて、からだの良いものだけでなく、悪いものも集まります。
からだにとって良いものは、内臓の働きを高めてくれますが、
その逆に悪いものは、内臓の働きを弱らせてしまいます。

002132

前回も述べた通り、肺は悪いものが外部から侵入するのを防ぐ役割をもちますが、
日々の生活を通じて、からだの内部に悪いものが増えてしまうと
それはやがて肺に集まり、その働きを弱ませたり、乱したりを繰り返します。
(多様化した食生活や生活習慣を過ごす私たちは、このリスクと常に隣合せです。)
不幸なことに、そういう兆候は、肌にかかる刺激(寒さや乾燥、アレルギー物質など)が
強くなるほど、それに反発するかのように顕著に現れてしまいます。

秋は肺に重きをおく季節ではありますが、
それは単純に「肺の働きを高めよう」ということではありません。

肌が荒れる。
せきやぜんそく、鼻水が続く。
かぜを引きやすくなる。

そういった肺の異常は、肺の弱さだけでなく、
それ以外のからだ全体の不調によっても現れやすくなります。
肺に重きをおくとは本来、
肺の異常を通じて、からだ全体の不調を見直しましょう、
からだ全体を整えて、肺の働きを高めていきましょう、
と言及しているのだと思います。

9月に入り、季節は日に日に秋を帯びていきます。

秋といえば、漢方では に重きをおく季節とされています。
肺とは、からだの表では 呼吸器官 、裏では大腸のことで、
五臓(肝、心、脾、肺、腎)の中では、からだの最も外側に位置している臓器です。
そのため肺は、悪いものが体内に侵入するのを防ぐ
という重要な役割を果たしています。
万病に対する 抵抗力免疫力 も、
漢方ではこの肺の働きを通じて発揮されると考えられています。

002132



肺のそのような働きが求められるのは、何よりも秋冬の寒さ厳しくなる季節です。
漢方では「傷寒論」という古書も存在するほど、
寒さはからだに害をなすもっとも身近な存在であり、
秋はその寒さに備えて、肺の働きを高める準備期間でもあります。

肺の働きを高める方法の一つとして、肺を積極的に働かせることが大切です。
横隔膜 を動かして呼吸をする。つまりは深呼吸です。
カラオケなどを通じて、積極的に発声することも良いかと思います。
あるいは、呼吸や発汗を伴うような軽い運動を行う。
難しい方はアロマ入浴という便利な方法があります。
肺を積極的に働かせることには、肺の働きを高めるだけでなく、
からだの緊張を整える(肝の働きを整える)効果もありますから、
そこに香りを加えると、睡眠にもより良い働きになります。

夏の終わりから寝つきが悪くなった、睡眠の質が悪くなった。
その睡眠の兆候、実は夏疲れのサインかもしれません。
睡眠の乱れには、精神的 な側面がありますが、
同時に 疲れ としての側面もあります。

005480

「緊張の瞬間」とか「緊張の糸が切れた」というように、
人のからだは緊張が長く続くようにできていません。
異常に長い緊張や過緊張の状態が続くと、いつも以上に疲れてしまう。
ですがその逆もまた然りです。
疲れ過ぎたり、疲れが溜まった状態が続くと、
神経は無性に昂りやすくなります。

気が休まらないと、気疲れも起こりやすくなりますが、
そうして気疲れが増えると、気はさらに休まりにくくなります。

008690

日々の生活に、適度な刺激(ストレス)や緊張、疲労は必要ですが、
緊張が続く、疲れが溜まるといったことが繰り返されると、
かえってストレスに弱くなったり、疲れやすくなったりすることがあります。
いつも通りの方法でからだが休まらない 事もその一つ。
休息の質が変わってしまうのも疲れのサインですので、注意が必要です。

ちなみに、こういうとき漢方では「陰血」のお手当てをします。
陰血とは簡単にいえば、からだの活動と休息のバランスを整える働きのことです。
話し出すと長くなりますから、詳しい内容はぜひ店頭でお尋ねください。

夏にかぜを引く方も少なくありませんが、
最近は、そこから せき をこじらせる方も増えています。
せきが治らないのは煩わしく、ときにつらい症状でもありますが、
せきが止まないのはやはり それなりの理由 があります。

004541

せきやぜんそくは、呼吸器官に何らかの異常があるときに現れる症状ですが、
外気と直に接する気管は、実はとても デリケートな器官 でもあります。
せきが長引くと、気管もじょじょに荒れやすくなり、
荒れて熱を帯びていくと、そこを通る呼気も熱を帯びやすくなります。
そういうせきを繰り返すと、気管はさらに熱を帯びやすくなり、
症状も長引きやすくなります。
漢方では、呼吸器官の肺と消化器官の大腸は表裏の関係にあると言われますが、
腸内環境が重要な役割を果たすように、気道環境の整備もまた重要という訳です。

また呼吸は、発汗や排尿と同じく、
からだから不要なものを排出する反応の一つですが、
長引いているせきは、その不要なものが 停滞しているサイン でもあります。
ですから、止めてしまえば良いという訳ではありませんし、
せきがなかなか治まらないときは、からだがうまく出せなかったり、
出すべきものがなかなか途切れないといった状態も背景にあります。

せきで何を追い出そうとしているか。
どうすれば追い出そうとしているものが小さくなるか。
長引くせきを治めるときに、
そういった点から治療を行うのも漢方ならではの事と思います。


Copyright© 漢方 柿ノ木薬局 All Rights Reserved.