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11月も中旬を迎え、木々の様相はすっかり秋一色の紅葉です。
ですが寒さの方は一進一退で、
寒い日が続くかと思えば、ある日だけ急に温かくなる。
体調管理と寒さ管理に気を配る毎日です。

前回はからだの「温まりやすさ」と「冷えにくさ」について述べました。
からだを巡る気(元気)は温まりやすさに通じ、
同じく巡る血(血流)は、冷えにくさに通じています。
ただ実際は、気血は 陰陽の関係 にあります。
陰陽の関係はさまざまな解釈があるので複雑ですが、
一言で言えば 夫婦の関係 です。
基本的にはお互いを支え合う関係にあります。
(ときには傷つけ合う関係に陥る事もあります。現実の夫婦と同じです(笑))
自然界では雌雄一対を成すのが一つの理ですが、
それは私たちのからだでも同じであり、気血の関係が之に当たるというわけです。

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日々の漢方相談の中で、しばしば次のような話をします。
からだにとって大切な気血ですが、
気は 伸びしろ 的な役割を果たします。
からだのさまざまな機能や働きにとっての。
それに対して、血は 土台 的な役割を果たします。
土台がしっかりしていれば、それだけ伸びしろは大きくなります。
そして土台に伸びしろが生まれると、土台自身もその分だけ大きくなることができます。
そうして土台が大きくなると、またその分だけまた新しく伸びしろができます。
・・・補給と行軍で置き換えるともっとわかりやすいかもしれません。
補給が滞りなく行われると、戦線を延ばすことができ、
より遠くまで行軍する事ができます。
その戦線が安定すると、更にしっかりした補給路を確保する事ができるようになります。

話を戻しますが、表題で述べた通り温まりやすさも冷えにくさも
目指すところ、行き着くところは同じです。
からだの温まりやすさを追求すれば、
必ずどこかの点でからだの冷えにくさと交わります。
それはそれぞれと深い関わりを持つ気と血も、
また深い交わり(陰陽の関係)を持っているからです。

漢方ではこの陰陽の関係を重んじています。
ただ実際の治療では、陽側の気からお手当てする場合もあれば、
陰側の血からアプローチする場合もあります。
その辺りが同じ症状を訴えても、
治療法が異なると言われる由縁ではないでしょうか。

日に日に寒さが増しています。
北海道では早くも積雪が認められたとか。
ですが、秋冬の寒さはこれからが本番です。
どうかお体ご自愛ください。

前回に述べましたように、体温には周期的なリズムがあります。
簡単に言えば、日中に上り坂になり、夜半に下り坂になるという。
ただ、体温は目に見えないエネルギーですから、
実際にはそのエネルギーを伝える媒体が必要です。
漢方ではこのエネルギーが気であり、
気を伝えるもの=熱伝導体が血流という訳です。
この 2つの働きが組み合わさって 、からだ全体が温まり、体温維持をしています。

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漢方ではしばしば「気血の巡りを整えましょう」と言います。
どうき・息切れの救○の広告でも見かけますね。
この気血のうち、からだの 温まりやすさ には、気が強く関わっています。
「病は気から」といいますが、別に病に限った話ではなくて、何事も気からです。
気が整っている人は、からだが正直です。だからすんなりと温まります。
その逆に、からだの 冷えにくさ には、血が深く関わっています。
俗にいう「強いからだ」とは、全て血の働きによるものです。

・・・こういう説明をしますと、しばしば「私は気の働きを高めよう」とか、
「私は血を整えよう」と、気と血を分けて考える方がいます。
気血は陰陽の関係にあります。
気の養生は血の養生に、血の養生は気の養生に通じています。
「どちらから先に・・・」というのはありましょうが、
「どちらかだけ・・・」というのはむしろ「不自然」です。
全て繋がっているのが自然なわけですから。

11月が始まりました。
寒がりではありませんが、朝一番は
熱めのものを口にして、からだを温めることを心掛けています。
コーヒーも好きなんですけど、結果的にからだ冷えちゃうから。
ミルクティーも捨てがたい。

前回まで、「秋はからだを温まりやすくすることが大切です」
ということを述べてきましたが、
私たちの体は日中の活動を通じて熱を帯びていきます。
これは実際にも体温計に現れる数値で、
朝と夕方では体温に0.5℃の差があります。
実際には、ある瞬間に突然0.5℃上がるわけではなく、
朝起きてから夕方頃までおよそ10時間をかけて、緩やかに上がっていきます。
ちなみにその後は、同等の時間をかけて緩やかに下がっていきます。
こういう 体温の一日のリズム、実は自律神経によって作られています。
からだのさまざまなリズムを支えるのが自律神経、
漢方では肝と呼ばれる部分の働きです。
しばしば「自律神経失調を整えましょう」と言われますが、
どのぐらい整っているかの目安の一つとして、この体温リズムも役立ちます。
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また肝は、体温を円滑に巡らせる役割も担っています。
体温は変わらずとも、何事か緊張するとからだが妙に火照ったり
その逆に気が抜けた途端、不意に寒気を感じたりすることがありませんか?
それは、肝の働きが一時的に乱れた状態ですから、
整えてあげると、火照りや寒気も自然と消えていきます。

ただ中には、生来の性格や職場での役職上から、
そういう状態が固執してしまう方もいます。
そのような方は緊張しやすくなったとか、夕方以降にからだが妙に熱っぽいとか、
寝汗をかきやすいという訴えをする場合もありますから、注意が必要です。

10月も最終週。朝夕が肌寒いです。
こういう時期の朝飯は、抜いて得無しです。
寒い時期の朝食は栄養云々もありますが、
からだの発熱を促す面では大切なものですよ。

前回もお話した通り、
秋はからだを温まりやすくすることが肝心ですが、
その役割を担うのが、 五臓の「脾」と「腎」 です。

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漢方には、からだに備わったさまざまな働きは全て、
肝・心・脾・肺・腎という五臓によるものという考えがあります。
体熱を作る(発熱する)のも例外ではなく、
その働きは脾や腎によって支えられています。
脾とは、簡単に言えば消化器官のことですが、
からだが自ら発熱する上で、食生活は欠かせないものです。
食べたものをエネルギーに代えて、発熱する訳ですから。
またそのエネルギーを蓄えておく腎の働きは、
生命エネルギーの燃料貯蔵庫として大切な部分です。
わかりやすくいえば、若さを支えるのが腎です。
人としての生命力の強さも腎に宿るとも考えられています。

人体最大の発熱器官は筋肉ですが、
脾は肉を司る部分でもありますから、筋肉とも関わりがあります。
からだを温まりやすくする上で、まず重要になるのは
この脾と腎の働きを高めて、
からだの土台を強固な物にすること
からだが発熱できる環境を作ること が大切になります。

先週の朝方の寒さが辛かったですが、
今週は温かい毎日が続いていますね。
京都市内はいよいよ、秋の観光シーズンに突入します。
市内の公共バスは外国人でいっぱいです。

やがて訪れる本格的な寒さに向けて
秋はからだを 温まりやすくする ことが大切です。
之は、もっとも基本的な健康法の一つでもあります。

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スポーツの秋も、食欲の秋も、
あくまでからだを温まりやすくするための方法です。
別に、「汗をかきなさい」とか「おいしいものを食べなさい」ということではありません。
ただやはり何事も動かさないと、からだは温まっていきません。
逆に、本格的な寒さも始まらない内から、
厚着を繰り返せば、からだは温まるのを怠けてしまいます。

例えるなら、便利なエスカレーターに頼らずに、あえて階段を使うようなもの。
そのようにして、フットワークを鍛える(軽快にしておく)。
之が秋の温活の本分だと思います。


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