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漢方治療をする上で、ときに大切になるのが養生です。
特に食養生は、日々の食事から人のからだが成っているだけに
大変に重要だということは、ご理解いただける事と思います。

漢方のもっとも基本的な考え方は 陰陽ですが、それは食においても同じです。
例えば、肉や魚などの動物性食品は 陽性 なので、
これを好んで食べると、からだは陽性に偏っていきます。
陽とは「中心に向かって収縮する性質」を指しますが、
そのような性質が強く働くと(言いかえれば悪い方向に働くと)、
いろいろと悪いものが溜まったり、凝集しやすくなります。

逆に砂糖に代表される甘いものや果物は 陰性 なので、
これを過剰に摂ると、からだは陰性に偏っていきます。
陰とは「外に向かって広がる性質」を指しますが、
そのような性質が強く働くと(言いかえれば悪い方向に働くと)、
からだの締まりが悪くなり、むくみや鼻炎などが起きやすくなります。

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ちなみに、穀物全般は陰陽の中間にあたる中庸です。
中庸のものが主食となっているのは、陰陽のバランスを保つ上でも都合が良い訳です。
なお、パンについては諸説ありますが、加工食品としてのパンは、
陰性としての性質が強くなるため、注意が必要です。
そして人といえども、その本質は動物ですから、元来の性質は陽性に寄っています。
ですから、食事全体では中庸からやや陰性寄りが理想とされています。

話が逸れますが、肉中心の食生活を続けると、
腸内細菌も、肉食のそれになっていくことがわかっています。
肉食を続けることで、からだ自身も肉しか受けつけなくなっていく。
そうして体質が嗜好にフィードバックしてしまうというのも、
からだの陰陽のバランスが乱れた一つの現われだと思います。

昨晩に、ビートたけしさんの番組:みんなの家庭の医学で、
漢方の特集がされていましたが、
それをご覧になり、さっそくにご相談の方がいらっしゃいました。

私も一部ですが見て、内容のわかりやすさとともに、
実際の相談でも、こういう表現を使えば、一般の方も理解しやすくなる・・・
と感心していました。
もっとも、こういう漢方の特集番組での質問コーナーでは、
だいたい「漢方薬は西洋の薬よりも効きが悪いの?」という疑問から、
決まって芍薬甘草湯が紹介されてしまうのが、王道パターンです。
二味の漢方薬って他にもあるのに・・・。

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また、こういう番組をご覧になり、店頭を訪ねる方々の中には、
あの番組で紹介してた○○湯っていうのを飲んでみたいんだけど・・・。
と言われる方がおいでになります。
気軽に漢方を始めていただけることは、とてもうれしいのですが、
漢方薬は身体にあったものを選ぶことが大切です。

番組でも紹介されていましたが、似たような症状を抱えていても、
その症状を抱えているからだの状態(=体質)が違えば、
処方する漢方薬もまた、がらりと変わることがあります。
そこが漢方の特徴でもあり、利点でもありますから、
それを最大限に活かすためにも、ぜひとも店頭で
漢方相談を受けていただくことを、強くおススメします。

ご自身の今のからだの状態、あるいは体質などを把握(理解)した上で
漢方薬を服用する方が、なんというか・・・漢方薬が活きてくるんですよ。

きょうの東日本は、かなり温かい天気だったようで。
この不自然ともいえる急激な陰→陽の変化が、
からだのコントロールに誤作動を招く事もあり、
反って負担にならないかと心配です。
ここは「油断せずに締まっていく。」が吉かもしれません。

今年のインフルエンザはかなり猛威を奮っていますが、
感染症予防には基本的な手洗い・うがいに加えて、
鼻呼吸 を心がける事が大切です。

先日のNHKニュースでも放送されていましたが、
幼稚園の子供たちが鼻呼吸を意識するトレーニングを続けたところ、
トレーニングをしていない同年代の子供に比べて、
インフルエンザの発症率が低下したとの事でした。
小さな子供は、口周りの筋肉の働きがどうしても弱く、
それを鍛えるために意識的にトレーニングを行うことで、
口呼吸を抑え、鼻呼吸へとシフトさせる事が有効だそうです。

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鼻と口。ときに呼吸器としてひとまとめにしがちですが、
漢方では鼻は肺と関係するのに対して、口(唇)は脾と関係します。
口はあくまで 飲食の入り口 であり、呼吸の入り口ではありません。
ましてや、呼吸の出口ではありません。
鼻の(呼吸)が詰まれば、口の(呼吸)に頼りますが、
その実、肺に備わった機能までを引き受けることはできない訳です。

鼻は「鬼は外、福は内」のごとく、正邪の選別ができますが、
口は飲食の入り口ですから、基本的にそういう事は不可能です。
対して、鼻呼吸を心掛けること、鼻の通りを良くすることは、
肺に備わった機能を正常に働かせる役割があります。

呼吸の上でも、口は災いの元 といえるのかもしれませんね。

漢方の大きな概念に陰と陽というのがあります。
陰が何を意味するのか?陽が指し示すものは何か?
と言及すれば、何とも果てしなく奥深い考え方ですけれども、
いかなる陰陽の間でも 陰は陽が無ければ陰とはならず
陽もまた、陰が無ければ陽とはならないという決まりがあります。

男と女の関係も然りです。
男をいろんな意味で男にするのは女性の存在が大きく、
女性も男性の存在を意識するからこそ、より女性らしさを求める。
そういう関係が世の中の万物全てに備わっている、
漢方に代表される古代中国の思想ではそのように考える訳です。

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これだけ聞けば、何とも良好な関係のように受け取りがちですが、
実際は少しの歪み(男女で言えば、すれ違いのようなもの)で、
二つの関係は良い方向にも、悪い方向にもスパイラルしていきます。
ただ単純にそういう繋がりを持つというのが陰陽 ですから、
それが良いものか悪いものか、高め合うのか傷つけ合うのかは、
残念ながらケース・バイ・ケースという訳です。

この少しの歪みというのは、実はいろいろな形で身近にも存在します。
今の時期だと、温かい屋内から急に寒い屋外へ出るのもその一つですし、
日常で頭にくるようなことが突然に発生するのもその一つですし、
ある不摂生、不規則な生活を続ける事も一つです。
それらを通じて、からだ自身の陰を傷つける、
あるいは陽を弱らせるなどしてしまえば、それは連鎖して、
陰→陽→陰→陽→・・・とまた別の陰陽が乱れることへもつながります。
多くの病気や症状は、そういう中から生じる一つの産物です。

からだを温める身近な食材に ショウガ があります。
漢方でも、生薬として多くの処方に用いられます。
有名なところでは、葛根湯にも配合されています。
ただし漢方では、ショウガに温める働きのみを求めていません。
むしろ消化器の働きを整える為に用いることの方が多くて。
文字通り、薬味的な働き・・・。

ショウガはたしかに、からだを温めます。口にして実感するから間違いありません。
ですがその実、効果の持続時間はとても短く、その後の落差が激しいです。
しばしば、ショウガの温め効果は マッチの火 のようだと例える先生もおられます。
温めるんだけど、あくまで瞬間的で、
かつ温めた後の落差が激しい、という事を言い当てているのだと思います。

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何もないところからからだを温めていくのは
簡単ではありませんから、温める刺激の一つとして、
冬のしょうがはやっぱり、欠かせない存在です。
けれどそれは、すんなりと温まるからだがあってこそ。
極端に言えば、温める端から、冷えていくような状態なら、
どれだけ温めても、埒があきません。
ですから、しょうがは 寒い屋外 ではなく、温かい部屋 の中でこそ摂りましょう。

これは私たちのからだにも通じる話です。
皆さんのからだは温かい部屋になっていますか?
寒い屋外のようになっていませんか?


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