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陽気は、私たちのからだに欠かせない原動力ですが、
その大切さは、寒さや冷えにだけに限った話ではありません。
当店で相談に力を入れている、不眠症や睡眠障害にも大きく関わっています。

陽気は、「からだに十分な陽気があるか」ということも大切ですが、
加えて、「その陽気を うまくコントロールできているか 」ということも重要です。
うまくとは「効果的に」という意味ですが、
日々を精力的に、忙しなく過ごす方々にとってはなおさらの事です。

人のからだは、常に同じペースで陽気を出している訳ではありません。
一日単位で見ると、昼は出すことに励み、夜は引っ込むことに励む。
また昼夜を問わず、
活動的になるほど、高揚するほど、出すことに励み、
消極的になるほど、気落ちするほど、引っ込むことに励む。
大雑把に言うと、体調はこの陽気の出入で支えられています。
ときに「いつもと体調が違う・・・?」と思うのも、
陽気の出入りが変化するのを、敏感に感じての事ではないでしょうか?

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「規則正しい生活を心掛けましょう」とは、
陽気の出入を整えること に尽きると思います。
そして大切なのは、受身になるのではなくて、自立・積極的につとめること。
あれをしよう、これも摂ろう。・・・ということではありません。
たしかに積極的に取り組むことも大切ですが、
あえてそれと逆を選択すること(あれはしない、これは摂らない)も、
立派に積極的な姿勢です。
「やる」という事をこつこつとやる一方で、
「やらない」という事を、これまたこつこつとやる。

さて皆様は、健康の為に、日々の体調を整えるために、
どういう事は「やる」と決めていますか?
またどういう事は「やらない」と決めていますか?

からだが寒いと感じるときは、
寒さでからだの 陽気が引っ込んだ状態 です。
ですから外から刺激を与えて、陽気を引っ張り出す のが基本的な対処法です。
漢方では、かぜの漢方薬で有名な葛根湯がこれに当たります。
そもそも冬かぜとは、即ち傷寒(寒さに傷つけられた)という状態ですから。
また、陽気が引っ込んだ状態は、朝起きて間もないからだの状態にも似ています。
ですから朝に起きて、心身をしゃきっとさせたいときにも、葛根湯は重宝します。
別にかぜではなくても、「陽気の出が悪いなぁ・・・」
と感じたときに服用してみるのも一つです。

ちなみに、陽気は引っ張り出しすぎると、
多くは汗としてからだの外に排出されてしまいます。
ですから、冬のように陽気の働きが不足しやすい時期に、
積極的に汗をかくのはお勧めしません。汗をかく手前がベストです。

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そんな寒さに対して、からだが冷えを感じるときは、
何事もないのに、からだの陽気が引っ込んだ状態です。
・・・むしろ 勝手に引っ込んでいる状態 に近い。
ですから外から刺激を与えても、なかなか引っ張り出せません。
その最大の理由が、陽気が小さい=陽虚だからです。

少ないもの、か弱いものは密集している方が都合が良い。
自然界の群れって基本的にそうだと思います。
その中からむやみに引っ張り出したり、広がろうすれば、
かえって散り散りになり、各個に駆逐されてしまう。
集合している方が都合が良い。
そういうときは外から刺激を与えずに、まずは群れを集める(=大きくしていく)。
すなわち、陽気そのものを大きくしていく
漢方では陽気を養うことから補陽と呼んだりします。
陽気が大きくなれば、それが機能することによるインパクトもまた大きくなります。

同じかぜでも陽虚の方には、
乾姜・細辛など、からだの内部を温める生薬が入った
小青竜湯や苓甘姜味辛夏仁湯、
あるいは附子が入った麻黄附子細辛湯などが適しています。

今日から12月です。
何かと忙しない師走です。
・・・、京大の学生さんから耳にしたんですけど、
この時期に沖縄で学会ですって。
正直、うらやましい・・・。

陽気と寒さの関係をうまく表現しているのがずばり
子供は風の子、大人は火の子 です。
漢方では、陽気は生命力にも通じたものとされ、
子供は 陽気が充実した存在(即ち陽実)、
それに対して年を経た大人は、
陽気が虚ろな存在(即ち陽虚)とされています。

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陽気が充実している子供のからだは、
からだの外から寒さがやってきても、簡単に負けません。
むしろ積極的に応戦します。
それが例えば感冒にかかったときには高熱として現れる。
そうして、良くも悪くも反応が際立っている訳です。
陽気が高いことは良いでもありますが、
からだを自ら傷つけやすいという面も持ち合わせています。

そんな子供に対して、火の子と称される大人は、
からだの外から寒さがやってくると、応戦はしますが、負け戦となりがちです。
からだの奥まで寒さが侵入しやすく、そのために陽気はずるずると後退していく。
陽気はからだの内から外へと進む性質も持っていますが(赤外線の様なもの)、
寒さに晒されても、外に向かって出て行けず、むしろ内に引っ込んでしまいます。
もっとわかりやすく言えば、陽気が縮こまっている 訳です。
縮こまったものを外から引っ張っても、なかなかすーっと伸びていきません。
やはり内側から、縮こまりを解消していくのが吉です。
即ち、内から温・め・る。即ち、陽気を補うということです。
からだの内から効果的に温めることで、陽気を高めることができます。

例年よりも早い時期から、
インフルエンザが流行期に入りました。
一般的な感冒と異なり、感染症は
予防の占めるウエイトが大きくなります。
極端な言い方をすれば、
元気な人でもかかってしまうのが感染症の恐いところです。
これには、適切な予防を日々心掛けるのが一番です。

前回からの続きですが、
冬は温かいものを口にしたり、からだを積極的に温めることが多くなります。
それは、身の回りが寒くなる=自然界で陽気が少なくなることへの対処です。
身の回りが寒くなることは、大気から陽気が失せるということですが、
そうして不足した分だけ、からだが陽気を欲しがる、
即ち寒いときには温かいものが欲しくなるという訳です。

また前回にお話したように、私たちにとって陽気は、からだを温めたり、
からだに備わる諸機能を高めるための大切な原動力です。
ですから基本的には、一年を通じてその働きを高めておく 必要があります。
その上で、夏の暑さはプラスに働きやすく、
冬の寒さはマイナスに働きやすいという傾向があります。
ただし・・・、あくまでそういう傾向にあるというだけです。
絶対のものではありません。

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実際には、例えば陽気を高めるために、
あえて 寒さに身を晒す という事も行われます。
年始に見かける寒中水泳などはその極み。
即ち、「犬は喜び、庭駆け回り・・・」です。

冬の寒さとは、いわば自然界に満ちた陰気ですから、
この行いは、自然界の陰気に身をさらして、
からだの陽気を呼び起こす=発熱を促すということ。
ただし寒さに慣れていない人や、さまざまな理由で陽虚気味の人が
いきなりこれを行うのは危険です。
かえって陽気を傷つけてしまう事もあります。
そういうときには、まずは温めることから始めましょう。
即ち、「猫はコタツで丸くなる・・・」です。
温かくして、温かくして、温かくして・・・、ときどき試しに寒さに身を晒す。
そういう風にして 緩急をつける ことで、
ここぞいうときの陽気はフットワークが軽くなります。

ちなみに、冬の寒さに身を晒して発熱を促すのと正反対にあるのが、
夏の暑さに身を晒して発汗を促すことですが、
からだの陽気はその両方に深く関わっています。
陽気の働きが不十分だと、発熱も発汗もなかなかうまく行きません。

ここ関西もそこそこ寒いですが、
昨日の関東は、実に54年ぶりの11月中の降雪に見舞われました。
夕食どきに、情報番組を見ていると、
街中で取材を受けていたOL風の女性が
「11月に突然雪が降るなんて。ブーツも何もまだ準備できてないのに・・・」
とコメントしてました。
ブーツは慌てて買えますが、健康とか抵抗力はそうはいきません。
急がば回れ。早めは早めの、加えて日々の地道な備えが肝心です。

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漢方には冬病夏治(とうびょうかじ)という考えがあります。
冬に起こりやすい病気は一番に、その寒さと深い関わりがあります。
漢方では、寒くなるとは即ち 陽気が少なくなる こと。
自然界から陽気が少なくなると、
そこに過ごす私たちのからだは、陽気を損ないやすくなる。
私たちにとって陽気は、からだを温めたり、
からだに備わる諸機能を高めるための大切な原動力です。
ちなみに、何かと陽気が不足しがちな冬に対して、夏は陽気が豊富ですから、
冬病夏治とは、「冬に起こりやすい病気の治療・養生は、
陽気が充実する夏にこそ重きをおくべし」という教えです。

陽気の充実度を確認する方法はいろいろありますが、
もっとも身近なものは、体温 です。
大人では陽気が充実すると体温は36.5℃に近づきます。
あるいはかぜを引いたときに、
しっかりと熱が上がるか否かでも判断することができます。

冬は温かいものを口にしたり、からだを積極的に温めることが多くなります。
それは基本的に、身の回りが寒くなる=自然界で陽気が少なくなることへの対処。
言ってしまえば、寒くなると温かいものが欲しくなる訳です。
ですが、それでからだ自身の陽気が高まっていくかといえば・・・。
ずばり、高まる人もいれば、そうはならない人もいる。
後者は漢方では 陽虚 と呼ばれます。
陽虚の人は、温めることにも工夫が必要です。(続く)


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