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13日の金曜日ですね。 何となく。

胡麻【ゴマ】。最近ではゴマに含まれるセサミン、リノール酸などの不飽和脂肪酸を中心として、その働きに注目が集まっています。胡麻は食品としてのイメージが強く、様々な形で用いられます、それは漢方の世界でも変わりません。

胡麻はその油分が特徴的なように、潤いを与え保つ作用、即ち体内の陰分を補う作用があります。漢方の外用薬-紫雲膏や太乙膏、中黄膏などには全て胡麻の油が配合されており、皮膚の血行を促したり、肌の湿潤するために用いられます。また内服薬では「消風散」に配合されています。消風散は分泌物の多い慢性湿疹に用いられますが、胡麻はやはり潤躁に用いられます。

また胡麻には栄枯盛衰を司る腎を補う作用があるとされ、特に黒胡麻はその働きが強いと言われています。胡麻でよく耳にする抗酸化力もこの補腎、特に陰分の滋養と深く関わることです。黒い食材は補腎に良い、白い食材は補肺に良いというのが漢方の考え方ですが、この考えによれば、胡麻の中でも白胡麻は肺に属する皮膚や大腸に良いと言えます。ちなみに、一節によれば胡麻は「油を取るには白いものが適す、服食には黒いものが適す」と言われています。

梅雨時期のポイントは水分代謝を整えること。

水浸しにならぬよう道路には側溝が設けられています。同じくして、体内が余分な湿気で満たされないよう、梅雨の時期は脾の滋養に努めることが必要です。水分代謝を司る臓腑の中でも、脾は食事や飲料の受け皿として、特段の働きを果たしています。体内の水分代謝の半分はこの脾の働きにかかるといっても過言ではありません。

脾の働きは温かい環境の中でスムーズに動く性質があります。(ちなみに、栄養分や水分を全身に運搬することから運化と称されます。)即ち滋養のポイントのひとつは「温める事」。また甘味には弱った脾の働きを滋養、健脾する働きがありますから、甘味を帯びた食材を温かい状態で食すことは、弱った脾胃を立て直す上で非常に有効な方法です。

しかし、ここでいう甘味とは自然の甘味であり、砂糖など人工的なものではありません。人工的な甘味は水分を生みやすく、返って余計な負担を脾に強いるので注意が必要です。また、香り良い食材や芳香性生薬にも健胃作用があります。これに準じて用いられるスパイス類は、消化器官の回転を上げる。例えるなら、「体内に整備された側溝の排水効率を、側溝の容量を増やすことなく引き上げる」といった類のものでしょうか。市販の和漢胃腸薬が香り高いのも、この芳香性生薬を多数配合する点に由来します。

益気健脾 【食材】:穀類、芋類、しいたけ、とうもろこし、大豆
       【生薬】:黄耆、白朮、大棗など
芳香化湿 【食材】:紫蘇、大葉、みかん、玉葱、ジャスミン
       【生薬】桂皮、茴香など

以上のような食材を使い、献立を立てて、ジメジメうっとうしい梅雨を乗り切りましょう。

これからの暑い季節。宴席やビアガーデンでついついビールを飲み過ぎて、翌日は二日酔いに悩まされる…こんな方も多いと思います。そもそも二日酔いは、酒類に含まれるアルコールの代謝途中で生ずるアセトアルデヒドという毒素が体内に蓄積することによって起こるとされています。適量の飲酒ならば、この毒素は酢酸へと代謝され、二日酔いになりませんが、過ぎた飲酒で代謝が間に合わず、毒素が蓄積してしまう。この点によれば、二日酔いとはある種の中毒症もいえます。

一方で東洋医学では、二日酔いは体内に余分な水分【水毒】と熱分が蓄積した状態と解釈されます。この場合の水毒とは、飲みすぎで消化管内に水分が停滞してうまく排せずに、水分分布が悪くなっている状態をさします。またそのような方は口渇感がつきまとい、無性に水を飲みたくなる。この【口渇】と【消化管内の水滞】を目標にして用いられるのが、五苓散。しばしば「漢方の利尿剤」と称されるように、尿の出を良くして、水毒を制する処方です。加えて二日酔いの場合には、熱を清めたり、肌に生じた黄疸を清める生薬を加えた処方が用いられます。また飲酒による熱感や火照りには、黄連や黄柏のような清熱の生薬を配した黄連解毒湯がよく用いられます。

二日酔いになる前にこれらのお薬を予防的に服用して、体内の解毒力を挙げておくことも有効です。お酒は百薬の長と言われますが、飲み過ぎは百害あって一利なし。適量を心掛け、うまく付き合っていきましょう。

甘味よりも、むしろ淡味。濃い味よりも、むしろ淡い味。

漢方では伝統的に味をして五味といいますが、実際には淡味を加え、六味あります。淡味は手前の辞典によれば【あっさりした味】。この味は脾臓や五臓と関係深く、カラダの湿を取り除き、脾胃の働きを促進、食欲を誘うといった働きがあります。代表的な食べ物には、ハトムギや冬瓜、ハクサイなど。

昔の宮廷料理というのは、豪華絢爛であるほどにこってりとした濃い味で、胃への負担が多くなるというのが特徴でした。毎日そのような食事を口にした当時の将軍や高官は、恰幅が良い一方で慢性的に食欲不振に悩まされ、その改善策として淡味を活かした薬膳料理を食し、脾胃の営気を養っていました。

淡味の最大の特徴は、その利尿作用によって脾胃が最も嫌う湿を排する点にあります。冷えて弱った胃は、甘味を帯びた温かい食事で養生するのに対して、過度な食傷や水飲で弱った胃は、淡い味でその負担を減らしながら、余分な湿を排して養生していきます。ちなみに、暑い季節は陽気を養いつつ発散に努めよ、というのが養生の基本ですが、その中でも淡味は湿の発散に用いられ、苦味は熱の発散、排出に用いられます。これらをうまく組み合わせて活用していくことが、梅雨や盛夏をうまく過ごすポイントの一つでしょう。

梅雨から夏場にかけての蒸し暑さが影響して、巷では水もの、生もの等の摂取が確実に増加します。ですが、その際の食中毒・下痢症状には十分にご注意を。

食中毒原因の約9割は細菌とウイルスによります。特に暑い時期は、胃酸の希薄(主として水分の過剰摂取による)も相まって、細菌やウイルスに対する消化器官の抵抗力も疎かになりがち。「家族で海外旅行に行き、現地の料理を『うまい、うまい』と食したが、翌日には家族全員が下痢に悩まされて、さんざんな旅行だった」、などという話も毎年のように耳にします。またそのようなウイルスが影響して、下痢や吐き気・嘔吐といった消化器症状を伴う夏カゼをこじらせてしまう方も。カゼを引いたらお薬となるのですが、胃腸症状があるために、成分が吸収しにくいといった問題も出てきます。

一方で食中毒対策では十分な熱調理も必須です。古人がその代用として、生ものとともに殺菌・抗菌作用をもつ薬味を摂ったというのは有名なお話ですね。「寿司屋に行ったらまずガリを食え」というのも理にかなったことなのです。

夏の漢方治療では、「体内の水はけを良くする」というのが一連の共通項として取り扱われ、これには藿香正気散をはじめとした漢方薬が用いられます。主薬の藿香には、適度に体を温めて湿気も発散させるとともに、働きの悪くなった胃腸を癒して食欲不振を改善する作用があります。ちなみに【正気散】とは、カラダの内外の冷えや湿気などが原因で、乱れてしまった気を正すという意味に由来するとか。この場合の気は、消化器官の免疫力や抵抗力を表現しているともいえますね。

さらに近年の研究では?香という生薬に抗菌作用があることも発見されており、夏の養生漢方、下痢・食中毒対策としてこの漢方薬の服用が推進されています。また、胃腸の免疫力を向上して食中毒を予防するという観点では、ノロウイルス対策に効果のあるラクトフェリンの利用なども有効ですね。


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