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 漢方でいう「表裏」とは病気の存在する場所を表す言葉です。「ひょうり」と読みます。「表」は身体の表層部、つまり皮膚部を指し、「裏」は身体の奥深い内部、つまり中空の消化器系を指します。表と裏の間を「半表半裏」と呼び、胸郭や肝臓など、横隔膜周辺を指します。そしてそれぞれの部位に病があることをそれぞれ、表証、裏証、半表半裏証といいます。
 例えばカゼの時、初期は表証として症状が表れ寒気や発熱、肩こり、関節のこわばりなどが生じます。そして病気が進行すると、裏証として気管に咳や痰などの症状、食欲不振や嘔吐、下痢や腹痛などが生じます。さらにこじらせると、腎臓や心臓、肝臓などに症状が現れます。特に表証は、外から邪が侵入することによって起こる病の初期段階に良く見られ、発病が急で変化が早く、病気の期間が短いのが特徴です。
 治療法としては、発汗療法で体表面から病邪を外に追い払うか、下剤を用いて病邪を外に出すか。また、半表半裏の場合は、葛根湯などで発汗させてすっきりした後は横隔膜付近がつかえた感じになります。そのようなときに、例えば柴胡桂枝湯などの柴胡の入った処方でつかえを取る必要があります。

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 今朝の京都市内は、今年一番の冷え込みではないかと思うほどに寒いですね。厚着するのも一つの手だと思いますが、私はそこをぐっと耐えて、出勤して若甦&温芯のお湯割を飲みます。飲んだ瞬間から温まり、長続きするその効果に、ちょっと驚いています。どちらも当薬局で取り扱っていますから、興味をもたれた方は是非一度お試しになってはいかがでしょうか。
 
 昨日は肌(皮膚)と衛気について述べました。今回はその衛気を養い、高める為の具体的な方法についてお話します。現代的な見地からすれば、気は一種の代謝と捉えられます。運動により体温が上がるように、気が充実すると基礎体温が向上します。現代医学では身体代謝を上げるために日々を積極的に行動することが推奨されます。これは漢方の世界にも当てはまることで、気の充実を図るにはやはり、日々の活動的な行動が必要です。併せて食を充実する(量ではなくて質にこだわりましょう)。身体の基盤となる気と血は精(生まれ持ったエネルギー源のようなものです)と日々の食事、そして呼吸から作られます。精は年を重ねると徐々に失われていきますから、食事のウエイトはその反対に増加していきます。まさに『食は生きることと同義』です。
 ここまでは気全体に当てはまる話、 ここからは衛気に当てはまる話です。衛気が高まったと実感する方法の一つには、『温かい飲み物を飲んで厚着をしてみる』です。最近話題のヒートテックもその一つだと思います。冷たかった身体が温まって、冷えにくく、冷えに強くなった感じがしませんか?この後半部分=冷えにくいが衛気の働きだといえます。
 しかし今のこの状態は、衣服が肌の代わりをしているに過ぎません。このままでは肌も身体も本来の働きを怠け、衰えます。ですから肌が怠けないように、適度な負荷(ストレス)を与えて強くする必要があります。乾布摩擦が最たる方法ですが・・・、ではその負荷をいつ与えましょうか。真冬の鳥肌が立つような寒い季節に与えましょうか。真夏の発汗が激しいような暑い季節にしましょうか。・・・いえいえ、春や秋の過ごしやすい季節にするのが良しですよ。『負担を与えることは、負担の少ない季節にする』、これは先人の知恵です。
 年齢や多忙など様々な理由でなかなか肌を強くできない方は、体表の気を補う生薬や漢方薬を積極的に取りましょう。そして何より身体を冷やさない事。代謝を上げることも大切ですが、下げないようにすることはさらに重要です。長くなりそうですから、この部分のお話はまた後日に。

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 私がまだ小さい頃、それは幼稚園や小学校に通う頃ですが、今のような秋空の季節にはみんなでシャツ一枚になり、グラウンドで乾布摩擦を行いました。最近の小さい子はどうなんでしょうか・・・、まだ続いているんでしょうか。乾布摩擦は肌を鍛える方法の一つとして有名ですが、漢方の考えから見ると衛気を養うことと同義であるといえます。
 衛気は人間の体を巡る気の一種で、体表を包むような形で存在しており、種々の外邪が体内に侵入しないよう防いでいます。これは現代語で言うところの、風邪やインフルエンザなどの疾患に対する免疫力と同義ですね。これ以外にも衛気は、暑い季節の発汗調節などにも深く関わっているとされており、必要以上に汗をかいてしまう症状、いわゆる多汗や寝汗は、肌の衛気不足によると考えられています。
 漢方の考えではこの衛気、五臓の一つの肺が司るとされています。肺による動作といえば呼吸ですが、この吸うと吐くの一連の動作によって全身に衛気が巡ります。ですから呼吸が浅いと、この気の巡りが悪くなってしまいますが・・・、浅い呼吸は皆さんも知らない内に陥っています。例えば何かに集中している時や没頭している時、何かを考え込んでいる時や悩んでいる時など。「ため息ばかりついていると幸せが逃げていく」としばしば言いますが、ため息をしている中での呼吸は吸気が疎かになり、これも衛気の巡りには良くありません。ちなみに病は気からといいますが、この場合の気は衛気に当たると思いますよ。
 肺は衛気に深く関わりがある上に、鼻や喉など風邪の初期症状が現れる箇所も含まれます。マスクをして咽喉からウイルスの侵入を予防するのと同様に、肌もマスクをして外邪に備えましょう。では肌のマスクとは何ぞや・・・と、その実は衛気養生なのですが、その方法は明日にご紹介します。

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 漢方でいう「寒と熱」とは、体が熱を持っているか否かということです。西洋医学では熱というと体温の異常な上昇を意味しますが、漢方では必ずしも熱症とは診断しません。つまり、体温が38度台でも患者が悪寒を訴え、手足も冷たく、尿も透明で濁っていないなどの症状があれば「寒」と診断し、温める処方を用います。それに対して、体温が平熱で熱感が強く、鼻汁や痰に色が黄色がかっていたり粘り気があれば「熱」と診断し、冷やす処方を用います。熱症は、陰陽虚実で分類するなら陽証に含まれ実証に伴うことが多く、寒症は陰証に含まれ虚証に伴うことが多いのです。
 ちなみに風邪の場合にも寒と熱がありますが、顔が青白くて寒気もする、節々が痛いなどの訴えの風邪を「青い風邪」、赤ら顔で喉も腫れ気味で熱さを強く感じる風邪を「赤い風邪」と呼んだります。そしてこの青い風邪が漢方の世界では傷寒に当たり、赤い風邪が温病(うんびょう)に該当します。

 
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 中国の家庭民間薬である板藍根。冬季に、中国の学校では生徒たちが板藍根の煎じ液でうがいをしたり、お茶として飲む習慣があります。風邪や感染症対策によく利用され、近年では2003年にSARS(重症呼吸器症候群)が猛威をふるった際に注目を浴びました。それはもう中国内のどこでも品切れになるほどだったらしいですよ。
 板藍根はアブラナ科のホソバタイセイの根を乾燥させた生薬を指します。ちなみにホソバタイセイの葉はインディゴと呼ばれる藍色染料の主原料になり、こちらも古くから利用されてきました。(この藍染めでの利用が名前の由来になっています)
 板藍根では現代の基礎研究によって、抗ウイルス作用や抗菌作用、免疫増強作用、解熱消炎作などが認められています。また生薬としての作用は清熱解毒と涼血。清熱解毒は炎症に伴う熱や腫れを抑える働きを、涼血はのぼせや発赤などの症状を抑える働きをいいます。これらの作用により、生薬としての板藍根は、発熱や発疹、のどの痛み、扁桃腺や耳下腺の腫れなどを抑え、口内炎やニキビへの消炎作用も期待できます。 
 日本でも健康食品としての需要が増えており、粉末やトローチ、お茶など種類に富んだ製品が取り扱われています。実際に粉末を白湯に溶かして口にしましたが、独特の味ですから、何かとブレンド(これからの季節はしょうが湯などがお勧め)すると、大変おいしくいただけますよ。


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