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最近、当店でも問い合わせが多い耳のトラブル。

そもそも耳が聞こえる(耳が通じる)=聴覚が発揮されるのは、
耳でエネルギーが放出(消費)されるからだと漢方では考えます。
聴覚以外の視覚や嗅覚も同様に、
それぞれ目や鼻からエネルギー(気)が出ていくことで養われているわけです。
子供向けの番組で、ロボットが目からビームを発して敵を攻撃する
という描写がしばしば目にしますが、「言い得て妙」です。

そして、視覚ではしばしば眼精と結びつけて考えるように、
(眼精が消耗することで、視覚にトラブルが生ずる)
からだには耳精と呼ばれるものが蓄えられ、
何らかの理由でこれが消耗されることで聴覚にトラブルが生じやすくなります。

そして精とは簡単に言えば、先のエネルギー(気)の素。
火力発電所で例えれば、
石炭が精に当たり、発電される電気がエネルギー(気)に当たる。

そして漢方では耳は器ではなく、穴=出口と考えます。
エネルギーの噴出孔、電気の送電先です。
対して耳に送られるエネルギーの元である精は腎という臓に蓄えられている。
文字通り「お蔵」なわけです。そして腎に蓄えられることから腎精と呼ばれます。
まあ呼び名などはさして重要なことではありませんが、
老化・加齢症状としての耳のトラブルは、
燃料不足に状態ある腎や、
エネルギー不足の状態にある耳にトラブルの種がある
わけで、
肝心(肝腎)の燃料を養わないと、根本の改善には行き着かないというのが、
漢方の教えといえます。
そしてエネルギー不足を痛感するのは、
やはりこれからの寒さが厳しくなる季節ではないでしょうか。

一休みすることを「一服する」と表現します。

「ちょっと一服しませんか?」とか、「あそこにある茶店で一服していこう」とか・・・。

一服するとは即ち、
お茶(+茶菓子)を服みつつ一休みすることに他ならないですが、
この考えは漢方にも通ずることで、
即ち、一服するというのは「飲んで、はい終わり。」ではなくて、
服む最中やその後の30分~1時間をどのように過ごすかで、大きく変わってきます

さしずめ「効かせ方」といったところでしょうか。

特に疲れとか冷えとか、そこからくるかぜとか痛みとか・・・。
中でも疲れというのは、服んですぐに動くことを良しとせず、
しばらく安静にしておくことが肝要です。
これを行わず、動き続けて働き続けて、効いた実感がないというのは、
当然の言われでしょう。

急がば回れとは、まさに的を得た表現かもありません。

漢方薬を飲むことも服むといいます。服むとは即ち一服すること。

漢方薬を服用されるときには、この点にぜひ気をかけていただきたい。
ですから漢方薬で一服するというのは、大ありなことです。
対して西洋薬で一服するというのは、通じない話だと思いますよ。
味気ないでしょ。

先日からお話しましたように、

刺激を受けない状態よりも、
刺激に負けない状態にからだを養っていく方が理に適っている。

すなわち、刺激を小さくするよりも、刺激を受けて反応するからだを強靭にしていく。
その中ではもちろん、適宜に刺激はコントロールしていきますが。

簡単な例え話をいたしましょう。
同じ環境下に100人がいて、ある刺激に晒されたとき、
全員がその刺激に等しく何らかの反応を示した場合、
これはからだを強靭にしてどうこうできる類のものではなくて、
「からだにうける刺激」をトラブルの種と考えるのが自然でしょう。
簡単にいえば刺激が強すぎる

ですが、ある刺激に対して100人中1人だけが何らかの反応を示した場合、
これは「刺激をうけるからだ」をトラブルの種と考えるのが自然でしょう。
簡単に言えばからだが弱すぎる


からだが弱すぎるというのは、
裏を返せば「器」としてのからだが小さすぎること。
もしくは器に蓄えられたもの(エネルギー)の量が器に合っていないということです。
多すぎると溢れる=刺激に対する反応が過敏に現れるし、
少なすぎる器は冷えて、刺激に対して脆弱になる。

刺激を「かぜ」に例えるとわかりやすいかもしれませんね。

100人中1人だけがかぜをひいた場合、
その人はやはり、かぜをひきやすい(もしくはひきやすい状態)と判断されます。
もちろん一時的に疲れていただけかもしれません。
一時、体調が優れなかっただけかもしれません。
けれどそういうことも含めて、
かぜをひきやすい=かぜをひいて症状が出やすいのは、
ちょっとしたかぜに対しても過剰な反応をしてしまうか、
かぜを簡単にからだの奥深くまで招き入れてしまうか
のどちらかでしょう。

前者は発熱・炎症に代表される表証
(からだの表面に現れる症状)が顕著に現れやすく、
後者は寒気・分泌過多を伴う裏証
(からだの内側に現れる症状)が生じやすい。

そしてこういう場合に必要になるものこそ養生です。
「かぜをひきやすい」を治めるための養生。
それはケースバイケース。十人十色。

対して、100人中100人全てがぜをひくような場合、
それはもはやかぜとしてではなくて、何らかの凶悪な感染症として扱うべきでしょう。
そのような場合に始めて予防が必要になる。
そして予防というのは方法が決まっています。

エネルギーというのは少々厄介なもので、
それを納める器がないと飛散してしまう。
ちょうど、液体に似たような性質でしょう。
けれども私達が生きていくにはエネルギーを保持しておかないといけませんから、
エネルギーを収めるための器がおのずと必要になってきます。
それが「からだ」

漢方で考える健康(ちょうど良い状態)は、
程よい大きさの器に8~9割程度、熱湯に似た液体が満たされた状態と考えます。
すると器全体がちょうどよい温かさになります。
器をちょうどよい温かさにするための要点は
「器の大きさがちょうど良いこと」「中が8~9割程満たされていること」

小さい器ではすぐに満たされてしまい、かえって溢れやすくなる。
すると器は熱くなりすぎてしまう。
大きい器ではいつまで満たされることはない。
すると器はいつまでも冷たいまま。

きのうお話しましたように、からだに刺激を受けたとき、
そこ流れるエネルギーは盛んに活動していきます。
ちょうど器の中身が、ぐつぐつと沸騰してくるような感じです。
逆に言えば、刺激を受けないというのは器の液体に波風が立たないような状態。
器が大きく、中に蓄えられた液体が多いほどに、波風は立ちにくくなるものでしょう。

エネルギーが悪さをするから、これを小さくしようというのではなく、
エネルギーを蓄える器を大きくしていくことがやはり大切です。

ある刺激を受けた場合、からだに実際に現れる反応は

(刺激の大きさ)×(刺激に対する感受性)×(刺激に対する反応性)
という積み上げによって現れていきます。

もう少し詳しく説明していくと

からだは刺激を受けると
幾分かは受け流して
ある部分は、はねのけて
またある部分は吸収(蓄積)して
そうして体内に入り込むという運命をたどります。


このうち受け流したり、反発したりすることにからだはまず、エネルギーを使います。
俗にいう「バリア」ですね。
バリアを利用して受け流し、または、跳(は)ね除(の)ける。
このバリアを生み出すのに用いられるのが、
漢方におけるエネルギーであるところの「気」です。

そして前にお話しましたように、
エネルギー(気)は刺激を感覚することにも費やされます。
つまるところ、私たちのからだは
片や刺激を受け流したり、跳ね除けることにエネルギーを用い、
片や刺激を感覚することにも、エネルギーを費やすというわけです。
さながら、コインの表と裏のような関係です。

ですから刺激を跳ね除けるバリアが強固になることは、
それだけ刺激に対する感受性が鋭敏になることの裏返しでもあります。

過ぎたエネルギーはそれだけ御(ぎょ)しがたくなる。

つまり、からだを守るはずのエネルギーが、
勢い余ってからだを傷つけるという矛盾を抱えることになる。


ではどうすれば良いのか、という話に行き着くわけですが
それは、気を御する部分=からだの器を大きくしていくこと
で解消されると考えます。


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