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老化とは、簡単に言ってしまえば、
からだに蓄える精が少なくなっていくこと
これが少なくなれば、やはりからだが発揮する精も少なくなり、
結果、これまで通り精が出すのがつらくなっていきます。

そういう見地からすると、世の精力剤は
精をつけるものと、精を出させるものの大きく2つに分けることができます。
精をつけることを疎かにして、
精を無理に出せば、それは労傷となり、ますます精の不足を招きます。

ただ、精が少なくならなくても、精の出が悪くなることはあります。
例えば、緊張して本来の力が発揮できないというのがあります。
緊張してせっかくの精が発揮できていないわけです。
緊張とかストレスは、精を出す上での障害の一つですから、
そういうときは精の出をコントロールする。
そうして存分に精が出せるようにする。

そして精を出すことは、生命活動の全てに影響しています。
精を存分に出しているかどうかがが、
健康や生活が充実しているかどうかの裏返しといえます。
年を取ってからこそ趣味は持つべきというのも、その一端。

仮に生きるのに一生懸命であれば、趣味を持つ必要もないでしょう。
そこできっちりと精を出せるわけですから。
ですが悲しいかな、今の時代は便利で、生きることだけでは十分に精を費やせない。
行き場を失った精をどのようにして費やすか。
そして精は出さないから、費やさないから溜まっていくという類のものではありません。
出したくても出せないならいざ知らず、出せるのに出さない。
稚拙な言い方ですが、それは健全ですか?

もっとも、働き盛りの人たちにとっては、やりたい事やすべき事が多すぎて、
むしろ精は、どれだけあっても足りないものといったところかもしれませんが。

日を追うごとに大気の朝冷え、夜冷えが目立ちます。
こういうときは、からだをいち早く温める工夫をしたり、
それに類するからだの働きを高めてあげることが大切です。

朝冷えと夜冷え。

起床時に体験する朝冷えでは、からだの活動がどん底の状態にあります。
よく耳にする、スロースターターな状態。
これから脱するには、からだの活動を促して、いち早く発熱させることが重要です。
起床後に軽くからだを動かすことや、朝食を摂ることもからだの活動を促します。

対して夜冷え。
日中が温かいほど、夜半の冷えをはっきりと感じるものです。

日中の温かさと夜の冷たさ。
このギャップによって起こるのが夜冷えです。
これから脱するには、保温に努めて
からだの温かさを逃がさないようにする。
即ち、温め直すこと以上に、
日中に獲得した温かさをどのように長持ちさせるかがポイントになります。

このように考えると、例えば風呂一つとっても、
朝風呂と夜風呂では、用途が違うというか、
区別されて然るべきというのがよくおわかりいただけるかと。
すなわち、朝風呂はちょっと熱めで、からだの活動・発熱を促して。
夜風呂はぬるめで、温かさを定着させるというか。

そして、朝冷えと夜冷えを抱えたからだでは、
やはりそれに用いる生薬、漢方薬も違います。
簡単に言えば、からだの中心を温めるか、からだの表面を温めるか。
またそれに関与して、血の巡りを良くしておくことも重要になります。

冬の寒さに備え、秋は保温力を高めましょう。
子供時分に励んだ乾布摩擦もその一環です。

寒いときは温める。というのは寒い時期の基本ですが、
ただ温めるだけでは、温もりは余所に発散してしまい、
その場に留めることが難しくなります。
からだの内側で得た熱を逃がさないようにする。
温めるときには、その温かさを保つ工夫が必要になります。
運動をしてからだが火照った後に羽織物をして、
からだを冷やさないようにするのもその一環です。

漢方では体温を作り出したり、それを維持したりすることは
総じての働きによるものと考えます。
簡単に言えば、気が充実している人ほど、
理想体温に近く、体温も保ちやすいというわけです。

ただ、体温に関わる気と保温に関わる気は、厳密にいえば別のものです。
先に述べたように、元は同じ気ですが、一言で気と言っても、
実際はいろいろな働きをもった気があります。
体温に関わる気は、からだを内側を流れる気が深く関わり、
保温に関わる気は、からだの表面を流れる気が深く関わっています。

ですから、保温力を効果的に高めるなら、
からだの表面を流れる気、これを高めることが最大のキーポイントになります。
はじめに述べた乾布摩擦にも、この気を充実させることが根底にあります。

秋口は、咳で悩まれる方が少なくありません。
その多くが、かぜ由来の咳というのも一つの特徴です。

私は、咳症状についてお話しするとき、
咳は鍋の吹きこぼれの様なものとしばしば例えます。

「鍋が気管(漢方では肺に属する部分)で、
咳が起こるときは、この鍋が沸騰して、そこから吹きこぼれが起きています。」
一般的な咳止め薬の働きは、
この鍋に落とし蓋をして、この吹きこぼれを抑えることに似ています。」



西洋の咳止め薬で咳が止まる方がいる一方で、
なかなか止まらない方もいます。
そのような方はいわば、落し蓋をしても、
鍋の吹きこぼれが止められない状態に陥っているわけです。

ちなみに、喉の手前というか、上気道で咳をしている人は、
西洋の咳止めで止まりやすいですが、
気道の奥で咳をしている人ほど、
こみ上げる発作的な咳がなかなか止められないように見受けられます。

そういうときは、下火にしてあげるのが良いでしょう。
上から吹きこぼれを抑えこむのが難しければ、
下からその原因を絶てば良いという考え方です。

ちなみにこの原因というのが、かぜ由来の咳では、
実はかぜによってもたらされるものだったりします。
だからこそ漢方では、かぜ薬とせき薬に明確な線引きが存在しないわけです。

風邪やインフルエンザ、ノロウイルスなどの感染症に対する予防として
うがい、手洗い、マスクの着用などは、秋の深まりと共に励行されます。

これらは感染症としての予防に重きをおいています。
ただ、良くも悪くもその域を出ない。
早い話が、これらの手法は気力・体力が充実している人が
感染しないように「上乗せするもの」
気力・体力が乏しい人が、これらを行うことで、
免疫力や抵抗力が高まるというわけではありません。

もともと備わっている、免疫力や抵抗力
これに上乗せする、うがいや手洗いなどの感染予防。

ただ現実には、一日中手洗いはしていられませんし、うがいもしてられません。
マスクは・・・その気になれば一日中してられますけど、
果たして何人がその気になれるでしょうか?
また、食事時は外すでしょう。
いわば感染予防の「穴」は必ずあります。

免疫力は心身の状態に左右されますが、
基本的にずーっと働いています。
これが最大の強みで、寝ている時でもそこそこ働いています。

免疫力とか抵抗力は健康状態に帰属しますから、
これらを高めることは健康の丈を伸ばしたり、土台の裾を広げることになります。
簡単に言えば、「免疫力を高める事」と、「かぜの回復を早める事」、
そして「元気になる事」はお互いに通じているわけです。

対して、感染症予防は基本、何にも帰属していません
よく言えば、ピンポイントで、悪く言えば孤立しています。
これらを励行しているからといって、別に治りが早くなるわけではありません。

これは私の考えなのですが、何事においても
「○○をしましょう、やりましょう」というのを、
「○○だけをしましょう」、「とにかく○○をやりましょう」と認識してるのではと思います。

もちろん私は、うがいとか手洗いを否定しているわけでは、全くありません。
ただ、そういうことをしていたにもかかわらず、かぜを引いてしまって、
それが治りが良くなくて、「うがいとかしてたのに・・・」と
口をついて出てしまっているのが何とも・・・。


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