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気力・体力が充実している人。忙しい人。
直向きな人。昂揚している人。
そうして他所に気が回らず、感覚が鈍感になりがちな人は、
かぜを引いても「気のせい」と済ませてしまう。
そういう人が「かぜを引いたかも・・・」と訴えるときは
本当の引き始めから遅れてやってくるので、
はっきりとした症状が重く圧し掛かる傾向があります。

気力・体力に衰えを感じる人。生活がゆったりしている人。
神経質な人。気落ちしている人。
そうして気が向かず、繊細になりがちな人は、
かぜを引いていなくても「かぜっぽい」と感じてしまう。
そういう人が「かぜを引いたかも・・・」と訴えるときは
本当の引き始めに先んじてやってくるので、
実体のない症状が付き纏う傾向があります。

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漢方では、「かぜっぽさ」を訴える人と、かぜの引き始めの人は区別して扱われます。
かぜっぽさを感じてしまう人は、かぜに気をとられて
それを意識してしまう(かぜに気が向いてしまう)状態を反映しています。
そのような経緯でかぜっぽさを訴える人に、かぜ薬は必要ありません。

かぜっぽさを感じやすいときに服んでおきたい漢方薬とは即ち
実体のないかぜに気がとられないように整える漢方薬を意味します。
そういった場合には、気が内向きになるのを防ぐ香蘇散や桂枝加黄耆湯、
気力を回復して寒がるのを鎮める麻黄附子細辛湯、
あるいは胃腸を整えて心身を軽快にする香砂六君子湯などに、一服の価値があります。

特別な外傷がないのに、鼻血が止まらない。
不定期にポタポタと鼻血が落ちる。

鼻血は他人の目を引く、衣服に跡を残すなど面倒な症状です。
また「いつ鼻血症状が現れるのか」という不安感も、本人の悩み種です。
けれど実際は、深刻な症状の場合を除いて積極的な治療が行われにくい、
お医者さんと患者さんの間に温度差が生じやすい症状です。

漢方では、鼻血の症状には二面性があると見立てます。
一つが、充満に伴って起きる出血。体内に充満した血を、鼻から排出する症状です。
月経に伴う代償性の鼻血や、興奮・血圧上昇に伴う熱感性の鼻血が代表的です。
もう一つが、漏出に伴って起きる出血。体に血を保持できず、鼻から漏出する症状です。
貧血性の鼻血や、分泌過多に伴う鼻血が代表的です。

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人の体は通常、頭寒足熱の状態にあります。
けれど、何らかの理由で頭に熱が充満したり、足の熱が少なくなると、
バランスを乱して、症状・不調を訴えるようになります。鼻出血もその一つ。

鼻血に服んでおきたい漢方薬とは即ち、
①頭(=体の上部・表面)に充満した気血を鎮める漢方薬
②足(=体の下部・内面)から気血が漏出するのを防ぐ漢方薬を意味します。
なお、前者は体を冷やす漢方薬ですが、後者は体を温める(温まりやすくする)漢方薬です。

①には、実熱を冷ます黄連解毒湯や三黄瀉心湯、熱を発散する葛根湯や銀翹散
②には下腹部の鬱血を改善する桂枝茯苓丸や、
虚弱者の寝汗に用いる黄耆建中湯に、一服の価値があります。
なお、②を目的にした漢方薬は、使い方しだいで、鼻水の漏出を防止する働きも発揮します。
一剤で鼻血にも鼻水にも効くのが、漢方薬の妙技です。

のどを使い過ぎたせいか、声が嗄(か)れる。
ハスキー声になる。声を出しにくい。

のど(声帯)を使って声を出す事は、身体を使って(=運動して)汗を出す事に似ています。
体が発熱して発汗を促すように、のどは振動(≒発熱)して発声を促します。

肌に強い熱を当てると、日焼けや火傷を起こすように
のどは声の出し過ぎ(≒強い熱)を当てると、炎症(≒火傷)を起こします。
大声や飲酒で声を嗄らせるのも、同様の状態です。
そして皮膚の火傷は、時に水ぶくれを伴いますが、
のどではそれが結節やポリープに相当します。
一方で、声の仕事をする人はボイス・トレーニングを必ず行います。
声を鍛えるというのは、まさしくスポーツマンが汗を出して身体を鍛えるのと同じです。
そして健全なスポーツマンの肌が締まっているように、健全なのどもまた締まりや弾力が強い

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声の出が悪いとか、声が嗄れやすいというのは、
のどの締まりの悪さ(弛緩や浮腫を伴う状態)を反映しています。

しわがれ声に服んでおきたい漢方薬は即ち、
①のどの使い過ぎによる炎症(火傷)を防ぐ漢方薬
②のどに適度な締まりを与える漢方薬を意味します。
ちなみに、しわがれ声の漢方名薬といえば響声破笛丸がありますが、
この漢方薬は①と②を兼ねたバランスの良い方剤です。

しわがれ声に用いる漢方薬はこれ以外にも、
使い過ぎによる腫れを鎮める駆風解毒湯や竹葉石膏湯
のどに潤いを与えて発声を助ける麦門冬湯や養陰清肺湯、
あるいは、体表の締まりを整える玉塀風散、
のどの過緊張を解く半夏厚朴湯などに、一服の価値があります。

冬になると足元が冷える。足が冷たくて眠りづらい。

手先・足先といった体の末端部分では
寒さが強くなるにつれて、冷えを感じやすくなります。
それ自体は、寒いから冷えるという正常な反応(寒冷障害)ですから
手足を寒さに直に晒さない、指を意識して動かしてみる、
カイロで温めるなど積極的な対応が求められます。

けれど一方で、末端に現れる冷えは血行の悪さ(血行障害)も反映します。
手先・足先といった末端は、体の中心から見れば
一番遠い部分=血液を一番届かせにくい部分に当たります。
そういった部分で冷えを感じることは、
体の温もりが届きにくい(届いていない)サインです。

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血行の悪さは、日中は身体を動かすことで
ある程度サポートできますが、夜半や就寝中は難しくなります。
逆に体の血流は、夜半や就寝中に落ち着き消沈していくので
日中よりも夜半や早朝に冷えを感じやすいのは、納得できる話だと思います。

足元が冷える時に服んでおきたい漢方薬とは即ち
足元の血行の悪さを改善する漢方薬を指します。
そういった場合には、手足へ向かう血流を増やしていく人参養栄湯や当帰四逆湯、
足腰の血流循環を整える芎帰調血飲や八味地黄丸、
あるいは下半身へ向かう血液を温める苓姜朮甘湯や五積散に、一服の価値があります。

のどが荒れやすい。
かぜを引くと、決まって喉を荒らしてしまう。
のどの腫れや痛みがひどく、いつも抗生物質のお世話になる。

そういう病状はしばしば、のどの偏った性質(状態)で引き起こされます。
漢方的には、その偏りは陽証・実証・熱証といった形で表現されますが
簡単に言えば、「荒れにくさ」よりも「荒れやすさ」が勝るほどに、
のど粘膜は荒れやすく、腫れはひどくなります。
そういった偏りが、免疫で起こるとアレルギーに、
患部で起きると呼吸器が弱いという話に言及されます。

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のどを荒れにくくする。その為には
のど粘膜の「荒れにくさ」と「荒れやすさ」のバランスを整えることが重要です。
例えば、大人よりも子供の方が、虚弱な人よりも旺盛な人の方が
ゆっくりした生活よりも忙しい生活を過ごす人の方が「荒れやすさ」は盛んになりやすい。
そういった場合には頻発する炎症を鎮める、荊防敗毒散や荊芥連翹湯、
あるいは柴胡桂枝乾姜湯に一服の価値があります。

また一方で、若い人よりも高齢の人の方が、口の渇きや皮膚の痒みを訴える人の方が
かぜを引きにくい人よりも引きやすい人の方が「荒れにくさ」は衰えやすい。
そういった場合には喉に潤いを与える、麦門冬湯や滋陰降火湯、
あるいは味麦地黄丸に一服の価値があります。


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