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夏休みが終わる今の時期。
子供の不登校や心患いなど、
新学期に伴う神経症が心配になる頃でもあります。

前に連休明けに服んでおきたい漢方薬リンク でも触れましたが、
生活のテンポが大きく変化すると、それに体のリズムが影響されて、
なかなか元に戻りにくいというケースが存在します。
その中でも、9月を迎える頃の症状は、子供特有のものだと感じます。

子供は、大人と比べると多感(≒感受性が強い)であったり、繊細な側面があります。
漢方の言葉を借りれば、子供は大人と比べて「五臓六腑」の働きが未熟です。
五臓六腑は体と共に心を支える存在であり、
その成長途中では、いろいろなものに感化される可能性があります。

体の上では、子供は大人と同じことができません。
(無理という部分もあるし、早すぎるという部分もあるでしょう)
心の上でも同じで、子供は大人と同じように振舞えない面があります。
その点では、大人と同じ心の有り様を全て、子供に求めるのも誤りであると感じます。
けれど実際は、「学校に行ってほしい」という責任を推しつけられてしまう。
「行きたくない学校」に「行かないといけない(という責任)」が合わさる。
成長途中の子供の心には、酷に思います。
そういう状態が、気の巡りを悪くして、伸びやかさやしなやかさを失い、
場合によっては病的な痰(≒水の滞り)を招きます。
その子の持ち味というとか、性質の良さは気によってもたらされますから、
それを失って招いてしまう痰は、まさに病的なものとして解釈されます。

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現実的に、「この漢方薬を服用すれば不登校が解消される」というものはありません。
それは「不登校がそんなに単純なものではない」という事よりも、むしろ
「不登校は病気でなく、体が自身を守ろう(バランスを保とう)としているサイン」
と捉える為だと思います。
特に、「急に学校に行きたくない」という訴える場合などは
同じはずの「学校生活」を「肯定的」から「否定的」に捉えるように変化しているサインです。
そういうケースでは、学校生活の変化だけでなく、
子供の心の変化にも目を向けなければいけません。

新学期の不登校に服んでおきたい漢方薬とは即ち、
五臓六腑に働きかけて、子供の心が持つ豊かさを支える漢方薬を意味します。
それには例えば、陽気(≒やる気?)を引き出す苓桂朮甘湯や、小建中湯、
決断を支える胆の働きを回復する温胆湯、あるいは五臓六腑の気を補う補中益気湯などに、
一服の価値があります。

8月も終わりを迎えて、日差しや暑さが急に穏やかになりました。
過ごしやすさすら感じる、今の時期。
この時期に雨が重なると、肌寒ささえも感じます。
夏特有の湿気はこの「肌寒さ」にも、深く関わってきます。

暑さが退き、気温が落ち着いても、夏の大気には湿気が残っています。
気温は同じでも、湿度が違うと体感が変わってくるように、
湿気の存在は、暑さ(≒暑気)や寒さ(≒寒気)に加担して、その影響を増幅します。
言葉を変えると、「肌寒い感じ」を生み出しているのは
気温が下がること以上に、湿気の存在による所が大きいという訳です。

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湿気を取り除く。大気から湿気を払うには、
エアコンのドライ(≒除湿)機能のように、冷やせば良いという考えがあります。
けれど、人の体にはこのやり方は通用しません(肌寒さを伴う場合、なお更です)。
漢方ではむしろ正反対で、人の体から湿気を払うには、温めれば良いという考えがあります。
この場合の「温める」には、「温めて湿気を発散する」という作用が込められています。

寒気と比べ、湿気を発散する場合には、それほど強い発散力は必要ありません。
どちらかといえば、湿気(もしくはそれに伴う肌寒さ)で体内の気が弱まり、
塞ぎ込むのを防ぐという方が本来の働きのように感じます。

「夏の終わりの不調」に服んでおきたい漢方薬とは即ち、
穏やかな気温に伴って湿気が招く「肌寒さ」に対処する漢方薬を意味します。
それには例えば穏やかな発散力を持つ桂枝湯や香蘇散、
体を温めて湿気を払う藿香正気散や補中益気湯、
あるいは体表の虚を補う、玉塀風散や桂枝加黄耆湯、参蘇飲などに一服の価値があります。



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