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精をつける事と精を出すこと。
日々の健康はこの繰り返し。

精をつけるといえば、真っ先に思い浮かぶのは、精がつく食物や食事かもしれません。
たしかに精をつけるという事は、食に頼る部分が多いです。
では、万事食べれば精がつくかといえば、決してその通りではありません。
仮に同じものを食しても、食欲旺盛な人とそうでない人、
すなわち食欲不振気味な人では、同様に精はつきません。
精をつけることは、食事も然ることながら、
それを摂るのに必要な食欲に頼る部分も大きいわけです。

ではその食欲はどうして発揮されるのか。
半分はお腹の働きです。
おなかが活動する事、言いかえればお腹が精を出すことで、食欲が発揮されます。
ただし、残り半分はお腹以外の部分です。嗜好もその一つです。
簡単に言えば、おなかが元気でないと、食欲は発揮されないが、
そのおなかの元気は、お腹以外の部分で支えられているという事です。

そして例えば嗜好は、それまで摂取してきた食事を通じて育まれます。
言いかえれば、どういう食事を経験してきたか。
それはつまり、どういう精をつけてきたかという事です。

嗜好に限らず、何かを育むというとき、
そこには必ず「精をつける」という工程が関わっています。

育む事と精をつける事は同意といっても良いぐらいです。

精をつける。そうして成長する。
精をつける。そうして嗜好が生まれる。
精をつける。そうして利き手ができる。
精をつける。そうして大人になる。

当人の癖や考え方、性格、果て体質や健康など、長い時間をかけて培われるものは、
概して、精をつける過程で形成され、そして洗練されていくというわけです。

精を出すには大蒜(にんにく)を

滋養強壮に有効な成分として硫化アミノ酸を含む大蒜ですが、
その働きを一言で表現するなら、「動かす」という事に尽きます。

ある時は、血液を動かして(巡らせて)、疲労回復に貢献する。
またある時は、筋肉を動かして(ほぐして)、凝りや痛みを治める。
またある時は、内臓を動かして(働きを活発にして)、食欲を増やして、便通を整える。

ただし、これも良く言われることですが、
大蒜は効果が良い反面、それを摂取する人を選びます。
普段から旺盛な人は、強気に摂っていても問題ないでしょう。
対して、比較的虚弱な人、お腹が弱い人などは、
滋養教強壮のはずが、かえってからだの負担になる場合もあり、注意が必要です。

「動かす」と例えた大蒜の働きは、
精を出すという事を10段階で評価したときに、
0にあるのを10にするというものではなく、
5とか6とかにあるものを、10へと高めていくというものです。
ちなみにそれが、疲れたという状態に当たります。

虚弱な人ほど、精を出すのがとても苦手な状態にあります。
それは、「出せるんだけど、出が悪くなっている」ということではなくて、
「出せないから、控えざるを得ない」という状態にあります。
そのようなときに精を引き出そうとしても、なかなかうまくいかないのは道理(生理)。
そういうときはいきなり精を出すのではなく、
まずはしっかり精をつけることから始めましょう。

日々の健康は、精を出す事と精をつける事
この2つの繰り返しによって成り立っています。

栄枯盛衰と言われるように、
いかに精を出せる状態であっても、出し続ければいつかは枯れてしまう
それは、数日単位では疲れという形で現れて、
数十年単位では老いという形で現れます。

一方で、精を出さないままだと、
特に、精はつけるが、出さずにいれば、やがては肥えていく
その肥えの先に、現代人が抱える多くの生活習慣病があり、
「精をつけるが、精を出さない生活習慣」が文字通り、病へとつながるわけです。

これからは本格的にかぜの季節に突入しますが、
かぜに対しては予防も然ることながら、免疫を獲得していくということも大切です。
そして、免疫を獲得する上では、免疫を発揮する状況に身を置く、
この場合は意外にも、一度かぜにかかるのが有効な手段だとされています。
かぜという刺激を受けることで、それに適応した免疫が発揮される。
逆にかぜという刺激がない状況では、それに関わる免疫は活動が鈍くなっている。
かぜを引いたからこそ、免疫が精を出すわけです。

もっともこれは、直ちにかぜを引いてくださいということではありません。
何の下準備もなくかぜを引くことは、それだけリスクも高い。
事前には、免疫が精を出しやすい土台を固めておく必要があります。
だからこその体力充実、そして温活。
そういう養生が、免疫に精をつけるわけです。

繰り返しになりますが、日々の健康は、
精を出す事と精をつける事、この2つの繰り返しによって成り立っています。

精を出すときに必要なのは「動かす」という事。
全身フル稼働というか、総動員というか、「動」の極みというか、
要するに、日々培っているものを最大限に活かすという事です。

当たり前の話かもしれませんが、体は動かす為にあります。
じっと置いておく為にあるのではありません。 
そして、精を出すということは、この体を動かすことでしか適わない事。
昔の生活に比べて、現代の生活は体を動かす事(運動量)がかなり低下しています。
言いかえれば、それだけ精を出さなくなったということです。
精を出さなくなるから、精をつける必要もなくなる。
そうして、少しだけ培った精で健康を回そうとする。
健康というのは、そのような省エネの先にはありません。

「一日中、忙しなく仕事してますよ」と、お思いかもしれません。
ですが実際は、ずっと椅子に腰掛けて、神経を張り詰めて、仕事していませんか。
そういうとき動かしているのは体というより、むしろ「頭」でしょう。
頭脳労働では、「精を出す」ということは適いません。腰掛けならば尚更です。

また精を出すことは、「動かす」ことを通じて、
からだが培っているものを最大限に発揮するということですから、
トレーニングやリハビリのごとく、健康の伸び代を大きくする
というところにも関わっています。
少々、宗教じみた考えでしょうが、精を出して前進していくから、精進なんでしょう。
健康もある意味、精進の道だと思いますよ。

培ったものを動かして、活かして、精を出す。
漢方では培ったものとは、気血を指しますから、
精を出すという事は、気血をしっかり巡らせる事
すなわち、理気(活気)する事と、活血する事につきます。
理気や活血を謳う漢方薬は、治療薬や滋養強壮薬など実にさまざまですが、
「精を出す」というニュアンスに最も近いものといったら、
大蒜(にんにく)などは、外せない一つです。

「精魂込めて・・・」という表現があります。
この精魂とは、
からだのみを表した言葉ではありませんし、
心のみを表したものでもありません。
即ち身体の「精」と、精神の「魂」という事で、
体と心の両方にまたがる事です。
体が精を発揮するのと同じく、心は魂というものを発揮します。
体が精を出せば、同様にして心は魂を出すというわけです。

この2つの働きは、自転車のペダルのように交互に働き、
互いを支えあい、高め合います。
体が充実すれば、心も充実します。
体が不調になれば、心も不調になります。

そして体が老いれば、心もやはり老います。
そのような中で、「精をつける」ということは
巡り回って「魂をつける、養う」という事につながるわけです。
精神修業の多くが、なぜ苦行と呼ばれるのか。
精神統一するときには、どうして静寂の中に身を置くのか、はたまた座禅するのか。
世のクリエイターの多くは考えを巡らせる為に、なぜ体を動かすのか。
いずれも、この精と魂の関係を辿れば、自ずと答えが見えてきそうな話です。

生理不順や更年期障害のように、
体の不調に伴い、心の不調が現れる事は決して少なくありません。
ただそういう時、体の不調はあくまで体の不調として、
心の不調はあくまで心の不調として、
それぞれを別々に取り扱うという事は、何とも、理に適っていません。
この場合の理は、すなわち人の「生理」の事を表します。
生理不順といいつつ、人の生理に適わないことをするのは、
やはり本末転倒ではないでしょうか?



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