精をつける事と精を出すこと。
日々の健康はこの繰り返し。
精をつけるといえば、真っ先に思い浮かぶのは、精がつく食物や食事かもしれません。
たしかに精をつけるという事は、食に頼る部分が多いです。
では、万事食べれば精がつくかといえば、決してその通りではありません。
仮に同じものを食しても、食欲旺盛な人とそうでない人、
すなわち食欲不振気味な人では、同様に精はつきません。
精をつけることは、食事も然ることながら、
それを摂るのに必要な食欲に頼る部分も大きいわけです。
ではその食欲はどうして発揮されるのか。
半分はお腹の働きです。
おなかが活動する事、言いかえればお腹が精を出すことで、食欲が発揮されます。
ただし、残り半分はお腹以外の部分です。嗜好もその一つです。
簡単に言えば、おなかが元気でないと、食欲は発揮されないが、
そのおなかの元気は、お腹以外の部分で支えられているという事です。
そして例えば嗜好は、それまで摂取してきた食事を通じて育まれます。
言いかえれば、どういう食事を経験してきたか。
それはつまり、どういう精をつけてきたかという事です。
嗜好に限らず、何かを育むというとき、
そこには必ず「精をつける」という工程が関わっています。
育む事と精をつける事は同意といっても良いぐらいです。
精をつける。そうして成長する。
精をつける。そうして嗜好が生まれる。
精をつける。そうして利き手ができる。
精をつける。そうして大人になる。
当人の癖や考え方、性格、果て体質や健康など、長い時間をかけて培われるものは、
概して、精をつける過程で形成され、そして洗練されていくというわけです。
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更新日: 2015/11/17 |
精を出すには大蒜(にんにく)を。
滋養強壮に有効な成分として硫化アミノ酸を含む大蒜ですが、 その働きを一言で表現するなら、「動かす」という事に尽きます。 ある時は、血液を動かして(巡らせて)、疲労回復に貢献する。 またある時は、筋肉を動かして(ほぐして)、凝りや痛みを治める。 またある時は、内臓を動かして(働きを活発にして)、食欲を増やして、便通を整える。 ただし、これも良く言われることですが、 大蒜は効果が良い反面、それを摂取する人を選びます。 普段から旺盛な人は、強気に摂っていても問題ないでしょう。 対して、比較的虚弱な人、お腹が弱い人などは、 滋養教強壮のはずが、かえってからだの負担になる場合もあり、注意が必要です。 「動かす」と例えた大蒜の働きは、 精を出すという事を10段階で評価したときに、 0にあるのを10にするというものではなく、 5とか6とかにあるものを、10へと高めていくというものです。 ちなみにそれが、疲れたという状態に当たります。 虚弱な人ほど、精を出すのがとても苦手な状態にあります。 それは、「出せるんだけど、出が悪くなっている」ということではなくて、 「出せないから、控えざるを得ない」という状態にあります。 そのようなときに精を引き出そうとしても、なかなかうまくいかないのは道理(生理)。 そういうときはいきなり精を出すのではなく、 まずはしっかり精をつけることから始めましょう。 |
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更新日: 2015/11/11 |
日々の健康は、精を出す事と精をつける事、
この2つの繰り返しによって成り立っています。 栄枯盛衰と言われるように、 いかに精を出せる状態であっても、出し続ければいつかは枯れてしまう。 それは、数日単位では疲れという形で現れて、 数十年単位では老いという形で現れます。 一方で、精を出さないままだと、 特に、精はつけるが、出さずにいれば、やがては肥えていく。 その肥えの先に、現代人が抱える多くの生活習慣病があり、 「精をつけるが、精を出さない生活習慣」が文字通り、病へとつながるわけです。 これからは本格的にかぜの季節に突入しますが、 かぜに対しては予防も然ることながら、免疫を獲得していくということも大切です。 そして、免疫を獲得する上では、免疫を発揮する状況に身を置く、 この場合は意外にも、一度かぜにかかるのが有効な手段だとされています。 かぜという刺激を受けることで、それに適応した免疫が発揮される。 逆にかぜという刺激がない状況では、それに関わる免疫は活動が鈍くなっている。 かぜを引いたからこそ、免疫が精を出すわけです。 もっともこれは、直ちにかぜを引いてくださいということではありません。 何の下準備もなくかぜを引くことは、それだけリスクも高い。 事前には、免疫が精を出しやすい土台を固めておく必要があります。 だからこその体力充実、そして温活。 そういう養生が、免疫に精をつけるわけです。 繰り返しになりますが、日々の健康は、 精を出す事と精をつける事、この2つの繰り返しによって成り立っています。 |
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更新日: 2015/11/10 |
精を出すときに必要なのは「動かす」という事。
全身フル稼働というか、総動員というか、「動」の極みというか、 要するに、日々培っているものを最大限に活かすという事です。 当たり前の話かもしれませんが、体は動かす為にあります。 じっと置いておく為にあるのではありません。 そして、精を出すということは、この体を動かすことでしか適わない事。 昔の生活に比べて、現代の生活は体を動かす事(運動量)がかなり低下しています。 言いかえれば、それだけ精を出さなくなったということです。 精を出さなくなるから、精をつける必要もなくなる。 そうして、少しだけ培った精で健康を回そうとする。 健康というのは、そのような省エネの先にはありません。 「一日中、忙しなく仕事してますよ」と、お思いかもしれません。 ですが実際は、ずっと椅子に腰掛けて、神経を張り詰めて、仕事していませんか。 そういうとき動かしているのは体というより、むしろ「頭」でしょう。 頭脳労働では、「精を出す」ということは適いません。腰掛けならば尚更です。 また精を出すことは、「動かす」ことを通じて、 からだが培っているものを最大限に発揮するということですから、 トレーニングやリハビリのごとく、健康の伸び代を大きくする というところにも関わっています。 少々、宗教じみた考えでしょうが、精を出して前進していくから、精進なんでしょう。 健康もある意味、精進の道だと思いますよ。 培ったものを動かして、活かして、精を出す。 漢方では培ったものとは、気血を指しますから、 精を出すという事は、気血をしっかり巡らせる事、 すなわち、理気(活気)する事と、活血する事につきます。 理気や活血を謳う漢方薬は、治療薬や滋養強壮薬など実にさまざまですが、 「精を出す」というニュアンスに最も近いものといったら、 大蒜(にんにく)などは、外せない一つです。 |
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更新日: 2015/11/05 |
「精魂込めて・・・」という表現があります。
この精魂とは、 からだのみを表した言葉ではありませんし、 心のみを表したものでもありません。 即ち身体の「精」と、精神の「魂」という事で、 体と心の両方にまたがる事です。 体が精を発揮するのと同じく、心は魂というものを発揮します。 体が精を出せば、同様にして心は魂を出すというわけです。 この2つの働きは、自転車のペダルのように交互に働き、 互いを支えあい、高め合います。 体が充実すれば、心も充実します。 体が不調になれば、心も不調になります。 そして体が老いれば、心もやはり老います。 そのような中で、「精をつける」ということは 巡り回って「魂をつける、養う」という事につながるわけです。 精神修業の多くが、なぜ苦行と呼ばれるのか。 精神統一するときには、どうして静寂の中に身を置くのか、はたまた座禅するのか。 世のクリエイターの多くは考えを巡らせる為に、なぜ体を動かすのか。 いずれも、この精と魂の関係を辿れば、自ずと答えが見えてきそうな話です。 生理不順や更年期障害のように、 体の不調に伴い、心の不調が現れる事は決して少なくありません。 ただそういう時、体の不調はあくまで体の不調として、 心の不調はあくまで心の不調として、 それぞれを別々に取り扱うという事は、何とも、理に適っていません。 この場合の理は、すなわち人の「生理」の事を表します。 生理不順といいつつ、人の生理に適わないことをするのは、 やはり本末転倒ではないでしょうか? |
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更新日: 2015/11/04 |