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秋口は、咳で悩まれる方が少なくありません。
その多くが、かぜ由来の咳というのも一つの特徴です。

私は、咳症状についてお話しするとき、
咳は鍋の吹きこぼれの様なものとしばしば例えます。

「鍋が気管(漢方では肺に属する部分)で、
咳が起こるときは、この鍋が沸騰して、そこから吹きこぼれが起きています。」
一般的な咳止め薬の働きは、
この鍋に落とし蓋をして、この吹きこぼれを抑えることに似ています。」



西洋の咳止め薬で咳が止まる方がいる一方で、
なかなか止まらない方もいます。
そのような方はいわば、落し蓋をしても、
鍋の吹きこぼれが止められない状態に陥っているわけです。

ちなみに、喉の手前というか、上気道で咳をしている人は、
西洋の咳止めで止まりやすいですが、
気道の奥で咳をしている人ほど、
こみ上げる発作的な咳がなかなか止められないように見受けられます。

そういうときは、下火にしてあげるのが良いでしょう。
上から吹きこぼれを抑えこむのが難しければ、
下からその原因を絶てば良いという考え方です。

ちなみにこの原因というのが、かぜ由来の咳では、
実はかぜによってもたらされるものだったりします。
だからこそ漢方では、かぜ薬とせき薬に明確な線引きが存在しないわけです。

風邪やインフルエンザ、ノロウイルスなどの感染症に対する予防として
うがい、手洗い、マスクの着用などは、秋の深まりと共に励行されます。

これらは感染症としての予防に重きをおいています。
ただ、良くも悪くもその域を出ない。
早い話が、これらの手法は気力・体力が充実している人が
感染しないように「上乗せするもの」
気力・体力が乏しい人が、これらを行うことで、
免疫力や抵抗力が高まるというわけではありません。

もともと備わっている、免疫力や抵抗力
これに上乗せする、うがいや手洗いなどの感染予防。

ただ現実には、一日中手洗いはしていられませんし、うがいもしてられません。
マスクは・・・その気になれば一日中してられますけど、
果たして何人がその気になれるでしょうか?
また、食事時は外すでしょう。
いわば感染予防の「穴」は必ずあります。

免疫力は心身の状態に左右されますが、
基本的にずーっと働いています。
これが最大の強みで、寝ている時でもそこそこ働いています。

免疫力とか抵抗力は健康状態に帰属しますから、
これらを高めることは健康の丈を伸ばしたり、土台の裾を広げることになります。
簡単に言えば、「免疫力を高める事」と、「かぜの回復を早める事」、
そして「元気になる事」はお互いに通じているわけです。

対して、感染症予防は基本、何にも帰属していません
よく言えば、ピンポイントで、悪く言えば孤立しています。
これらを励行しているからといって、別に治りが早くなるわけではありません。

これは私の考えなのですが、何事においても
「○○をしましょう、やりましょう」というのを、
「○○だけをしましょう」、「とにかく○○をやりましょう」と認識してるのではと思います。

もちろん私は、うがいとか手洗いを否定しているわけでは、全くありません。
ただ、そういうことをしていたにもかかわらず、かぜを引いてしまって、
それが治りが良くなくて、「うがいとかしてたのに・・・」と
口をついて出てしまっているのが何とも・・・。

店舗内では営業中、ラジオをかけていますが、
日によって、雑音が入ります。
チューニングを触っていないにも関わらず。向きや置き場所を変えないにも関わらず。

さまざまな影響を受けて電波が乱れることで、雑音が入ってしまう。
FMラジオは特に乱れやすく、店前にハコ車が停車したときなど、たちまち乱れます。
強風や悪天候などでも同じく乱れやすいですね。

ラジオに雑音が入るとき、まず何をしますか。
私はまず、チューニングをします。
なぜと聞かれると・・・、理に適っているからでしょうね。
耳障りな雑音を小さくして、ボリュームを下げて避けることはしない。
そんなことをすれば当然、本来聞きたいラジオ放送が聞こえなくなるから。

果たして、健康にも同じ考えが当てはまるのではないでしょうか?
ラジオ電波のチューニングと、体調のチューニング。
全く別のものですが、よく考えてみれば共通することも多いはずです。

チューニングしないで音量を下げれば、ラジオ放送そのものが聞きづらくなる。
ラジオの出力が小さくなったわけですから当然です。
同様にして、心体を「チューニング」しないで雑音である症状を鎮め続ければ、
そのときは私たち自身の出力が小さくなるのではないでしょうか。

雑音が聞こえるから、ちょっとチューニングを見直そう。音をクリアにしよう。
漢方の立ち位置はそういうところにあると思います。

温活には二通りあると思うんです。

一つには、からだ自身が発する熱を増やすという考え方。
からだが発する熱の多くは、筋肉によって作られるから、
これを増やしていきましょうという事です。
筋肉は血液の巡りにも影響するので、
筋肉を養うことは血流不良による冷えにも、効果が期待されたりします。

ただ、これには季節に対する考えが存在しません。
暑い季節だから、筋肉が発する熱は抑えられて
寒い時期だから、筋肉が発する熱が増えることはありません。
そういうのはからだを動かすことで、筋肉を刺激してはじめて補完されます。

一方で、寒い季節に入ると、
からだに備わったスイッチの様なものがONになり、からだが発する熱が増える。
実はそういう働きも、私たちの体に備わっています。
冬に寒さを感じやすい人は、この部分の働きが鈍い。

筋肉に基づく温活が、からだが発する熱を底上げするのに対して、
このスイッチをONにする温活は、寒い時期の体温を補完する形で働きます。
そしてこれがもう一つの温活といえるわけです。

ちなみに、このスイッチをONにする温活が、盛んに働いているのが幼児です。
筋肉が未熟であるにも関わらず、体温は成人より高いのは、
体温を補完しようとするからだのメカニズムのおかげです。

幼児にあって大人になるほどに失うもの。
「若さ」・・・と、これだけで済ませるのは、やはり言葉足らず。
さまざまな形の「若さ」がありますが、
ここでは「細胞の活きのよさ」がこれに当たるといえます。
中でも褐色脂肪細胞という、熱産生に深く関わる細胞の活きの良さ。
これが幼児期の体温を支え、
寒さによる体温低下を防ぐことにも大きく貢献しています。

大気がめっきり秋めいています。
秋といえば肺の季節。
気管や皮膚、大腸などと関わりが深い季節です。

ちなみに、睡眠も秋と縁深いものの一つだったりします。
肺(気管や、皮膚、大腸)と関わり強い秋が、睡眠と縁深い。
それはつまり、肺は睡眠と関わりがあるといえるのではないでしょうか?

よくよく考えていただくと分かることですが、
快眠のために寝具にこだわるというのは、つまりは寝心地にこだわるということ。
ではその寝心地はどこで発揮されてるのかといえば、
肌触りとかゆったりさとか温かさなど、いずれもからだの表面

桂皮という生薬。一般の方にはシナモンとして親しまれています。
シナモンは、その甘い香りがリラックスを誘います。
一方で生薬としては、体表を温めたり、
温めることで血行を良くするといった働きがあります。

リラックスさせる働きと、皮膚・肌(体表)を温める働きが、通じ合っている。
つまりはリラックスしたければ体の表面を程よく温めましょうということでは・・・?
温めすぎると、火照ったりすると、かえって駄目なんでしょうね。
好く温める。好く温めるですよ。


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