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ご無沙汰しています。
梅雨が明けて一気に暑さが盛んになりましたね。
京都市街は祇園祭一色ですが、とにかく蒸し暑い。
暑さも然ることながら、肌にまとわりつく湿気がこたえます。

さて、健康に関する相談を行っていますと、
「健康って何だろう」と、考えることがあります。

いずれの病院や薬局においても、
そこを頼ってみえる方は健康に何らかの不安を抱えています。
この不安の多くは、病気や症状によるものでしょうが、
ではその病気や症状を取り除けば、健康なのでしょうか。
またあらゆる病気や症状を果たして、都合よく取り除けるものでしょうか。

これは私の個人的な見解ですが、
「健康あらざる」には二通りあると思うのです。
一つは病気を抱えること
もう一つは健康の利きが悪いこと
漢方において言及される自然治癒力も、健康の利きの一つだと思うのです。
ですから、なかなかよくならない、快方に向かわないときには、
病気がそれだけ大きいと考える一方で、
治癒力(健康の利き)が悪いのではないか?
と原点回帰することも必要だと思うのです。

以上のような考え方を踏まえると
俗にいう「健康的」というのは、病気を解消するだけでは
半分しか到達されていないのではないでしょうか。
言い方を変えれば、難病を抱えていても、
健康の利きを良くすることに努めれば、それはそれで健康的だと思うのです。
そして病気を解消するということには、
始まりとか終わりとかそういうものがあるでしょうが、
健康の利きを良くする、健康を利かせるということには終わりなどありません。

だからこその健康を保つという考え方。
健康を保つ、長く続く健康とは、
健康の「大きさ」も然ることながら、健康の「利き」によって支えられるはずです。

疲れの裏に乱れあり。
きょうから7月。早くも半年が過ぎたわけですね。
京都は梅雨明けと共に、祇園祭で賑わう一ヶ月。
繁華街はさぞ活気に溢れることでしょう。
個人的には、その界隈で行われる歩道拡張工事の影響が気になるところです。

長患い。何を持って長患いとするかといわれると迷いますが、
この場合は文字通り、長い間をかけて患っている、症状を抱えているという認識で良いかと。
長く続く疲労であったり、長期に渡る耳鳴りなどもこれに含まれることでしょう。

十人十色の長患いでしょうが、
それらに共通するのが、「篭(こも)り、窮(きわ)まる」という点。

長引く症状に皆さんが感じる「頑固さ」は、
病邪が長い時間をかけて「篭り、窮った」状態に陥るからと考えられます。
これは他方で、暑気当たりのように、
短い期間に集中的に「篭り、窮まる」症状にも同様に言及できます。

暑さが篭もり、暑気に負ける
気持が篭もり、心神が鬱する
血液、体液が窮まり、視覚・聴覚を災う

「篭もりやすさ、窮まりやすさ」とでも言えば良いのでしょうか、
そういう傾向は、年齢や性格などはもちろんの事、
身を置く環境や身の回りの状況など、実に多くに影響されます。

そのような場合、症状に関わらず必要となるのは、「和ませる」こと。
篭もった中身、窮まった状態を自然な形で解消してあげる。
「柔らかくする」という方が的を得ているかもしれません。

まさしく、柔よく剛を制す。
柔とは、和ませる、解消する治療のこと。
剛とは、篭もり窮まった病状のことを指すと思うのですよ。(つづく)

疲れの裏に乱れあり。

からだに蓄えた水(すい)というのも、
それを取り巻く環境や習慣などにより、病や症状の種の一つになりえる。
前回は、そういう話をしました。
そういうものに影響されて、からだの水はけが悪くなる。

そうして、さまざまな症状が現れやすくなる。

ただ、水(すい)にまつわる問題は、環境や習慣以外によっても影響されます。
以前からたびたび話題にしている「老い」もその一つ。
環境や習慣によって悪化してしまうのに対して、
齢を重ねることに伴い、衰えていく。
「悪化するのと衰えるのは、大きく異なる」と考えるのは、
果たして私だけでしょうか。

そして、人体の水はけは、
五臓六腑における脾・肺・腎の働き

脾:体内に水を取り込む
肺:吸収した水を全身に運ぶ
腎:濁った水を外に出す

によって支えられており、
各々の働きが鈍ることで、特徴的な症状が現れます。
またそうして体内に滞溜した水は、気や血など他の要素にも影響を及ぼし、
動悸やうつうつ感、生理痛、冷えなど心身の不調につながる場合も少なくありません。

そのような「水に端を発して生じる諸症状」に対して、
よく用いられる生薬に伏苓(ブクリョウ):サルノコシカケの一種があり、
水を利する働きに加えて、心神を安ずる効能を有しています。
「利水」と「安神」。
一聞すると、互いの効能は結びつかないと思われるかもしれませんが、
そのような部分にこそ、漢方の妙があると思うのですよ。

疲れの裏に乱れあり。

老化にしたがって現れる「毒素」にまつわるトラブル。
これからの季節に顕著になる毒素といえば、
やはり「水(すい)」ではないでしょうか。

漢方でいうところの水(すい)と、
日常的に飲む水(みず)とは、少し意味合いが違います。
簡単に言ってしまえば、漢方の水(すい)は、からだの一部。
対して、水(みず)は自然界の一部。
然るに、からだに取り入れた水は、
この水(みず)と水(すい)の中間のような状態、
自然と人体の両掛けのような状態といえます。
然るに、誤った水(みず)にまつわる習慣は、人体の水(すい)に影響を与えます
反映されてしまう。それは良くも悪くも仕方がない事でしょう。

そして、水にまつわるトラブルが増加するのが、これからの暑い季節です。
暑い季節ですから、水分摂取が増える。
汗をかきますから、当然のことでしょう。
けれど一方で、水分摂取が増えるという事は、
人体の水(すい)に波風が立ちやすくなる。

即、トラブルが生じるというわけではありません。
ただ、トラブルが生じるリスクが大きくなる。

簡単な話、からだに水を取り入れることは、
からだの水かさを増やすことに通じる
わけですから、
かさが増えた分だけコントロールは難しくなります
ただ、それを回避するために、水分摂取を控えるという理屈は、
少なくとも夏には通用しませんよね。

疲れの裏に乱れあり。

前回の引き続き、老化と毒素について。
毒素というと、文字通りの毒(ポイズン)と捉えてしまうかもしれませんが、
漢方では、からだに負担をかけるものの総称を毒と考えます。
言いかえれば、毒性が限りなくゼロに近い毒
ただそのような毒でも、塵も積もれば何とやらで、滞積することによって災いと転じる。
そういうもの、そういう性質が漢方でいう「毒」であり、
それに伴って現れる症状などは、さしずめ毒証といったところでしょうか。

ちなみに「中毒」は毒に中(あた)ることの意。
漢方でいうところの毒には、この中(あた)るという考え方はありません。
ただ一方で、解毒という考え方はあります。

加齢と伴い、からだにそのような毒素がたまりやすくなる。
言い方を変えれば新陳が悪くなる。
その背景には現代の生活習慣が影響している。
前回はここまでお話したと思います。

少し脱線しますが、こういう話をする上で、
私が個人的に念を推しておきたいのは、
生活習慣とか様々な健康法とか予防法などは、
良くも悪くも一つのリスク・マネージメントという点。
ある習慣に陥れば、ある症状が出る・・・のではなくて、出やすくなる。
ある予防法を心掛ければ、ある症状が出ない・・・のではなくて、出にくくなる。
インフルエンザとその予防で考えると自明の事と思います。
けれど、「じゃあ、予防接種とか手洗い・うがいって、やっても意味無いじゃん・・・。」
とは、実際にはなりませんよね。
それはそれで、リスク・マネージメントとして、一定の役割があるわけです。
ですが感染症でいえば、医療関係者と一般の方ではリスクの程度は大きく異なります。
そこではやはり、医療関係者は、一般の方以上に予防に、気を配っている。
それもまた事実です。

そして、老い・老化というのはある種、
行き着く先というか結果が決まっているものです

齢を重ねると、こういう症状が出やすくなり、健康上では、こういう病が現れやすい。
けれどもそれは「万人がその通り」であって、
「貴方がその通りかどうか」は定かではありません。

ですから、万人に当てはまる老いへの対処も大切ですが
より貴方の老いにあった対処法:リスク・マネージメントが重要になってくるわけです。

男なのか、女なのか・・・
夏が過ごしやすいか、冬が過ごしやすいか・・・
仕事をしているのか、そうでないのか・・・
家族はいるのか、いないのか・・・
趣味はあるのか、ないのか・・・

そのようにして実に多様な事象が、
人生に影響を与え、貴方の老いは成り立っていくと思うのですよ・・・。


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