疲れの裏に乱れあり。
6月に入り、京都市内はさっそくの雨天でした。
かといって蒸し気はあまり感じられず。
暑さは鳴りを潜めている様ですね。
前回に述べましたように、私たちのからだは、
「血」が衰えることで疲れを感じたり、疲れやすくなったり、
果てはその疲れが解消されにくくなったりします。
そして、この「血」が衰えるというのに
①血の巡りが衰える、②血液そのものが衰える
という二通りの事が含まれます。
このことは、私たちが普段、何気なく服用している栄養ドリンクにも当てはまることで、
そこには、いち早く血の巡りに「活」を入れる、血の巡りを改善する成分や、
血液そのものを養う、血液そのものに働く(解毒)成分が、配合されています。
実際は値段が高い=よく効くというように選びがちですが、
必ずしもその通りではないんですよ。
果てしてリポ○タンDはどちらに当たるでしょうかね・・・?
ちなみに、「栄養ドリンク」と呼びますけど、
これは「栄養を含むもの」というよりもむしろ、
「からだの働きを栄え養うもの」とした方が、的を得ているのではと思います。
また、見方を少し変えてみますと、
血の巡りは、血脈や心臓の働きに支えられ、
血液そのものは、これを蓄える肝臓の働きに支えられています。
ですから、
◎血の巡りを改善するならば、心臓に働きかける
◎血液そのものを養うならば、肝臓に働きかける
というのも、有効な方法の一つといえるでしょう。
実際にも、気つけ薬で重だるさを伴う疲れに対処する、
葛根湯を用いて、頭の血の巡りを回転を良くするといった方法は
身近なものとして知る人ぞ知るところ。
もっとも一部では、「気つけ薬はどうき・息切れの薬」、
「葛根湯はかぜ薬」という認識が、完全に先行していますがね。
東洋医学では、肝(肝臓)と心(心臓)は、
相生(互いを助け・生かし合う)関係にあるとされています。
即ち、肝に蓄えられた血液が、心によってからだに送られる。
送り出された血液は、からだの機能を支え、
血液を養うのに必要なものを肝に運び入れる。
それによって、肝は血液をさらに滋養し、その血液が再び心によって送り出される。
そんな正の螺旋様のつながりが、からだの各部、各臓器にあります。
そして、そんな繋がりをもたらすのも、他ならぬ血液ではないでしょうか。
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更新日: 2015/06/05 |
疲れの裏に乱れあり。
ここ数日の暑さがやっと落ち着きました。 そよ吹く風に、心地良さを感じます。 このまま推移して梅雨入りしてくれると、言うことないんですが。 さて、以前にも少し触れたことですが、 スタミナはからだを巡る血に宿っていますが、 その血を支えているのは、血液そのもののと、それを全身に巡らせる働きです。 良質な血液もその巡りが悪ければ、本来の働きが発揮されませんし、 その逆に、いくら巡りが良くても、血液の質が悪ければ、 からだを十分に滋養することはできません。 したがいまして、血の滋養、また血に宿るスタミナの滋養には ①血液の滋養 ②血の巡りの滋養 を両立させていく事が肝要なわけです。 そして多くの場合、「疲れる」とまず衰えてくるのは、血の巡り。 日常の疲れなどは、これに当てはまります。 巡りが悪くなれば現れ、巡りが良くなれば消える。 少し休めば消える。一晩たてば消える。 そんな「現れては消え、消えてはまた現れる」ような印象の疲れ。 そして、そういう疲れの頻度が増えてくる。 疲れやすくなっている。あるいは慢性化している。 そういう時分では血の巡りのみならず、血液そのものも衰えていきます。 俗にいう内臓疲れも、これに当てはまることでしょう。 このような疲れと血のつながりに、実際はさらに 季節的なもの、生活習慣的なもの、性別的なもの、年齢的なものが加わってきます。 例えば、暑い時季には発汗など新陳代謝を上げる形で、 からだの外側では血の巡りが良くなり、対照的に内側では血の巡りが衰えやすくなる。 また汗によってからだの外側では、血液そのものが消耗していきますが、 その消耗した血液は、そのままからだの内側を巡ることにもなります。 消耗した血液と、衰えた血の巡り。 ともすれば、暑い時季のからだの内側は、 そのような血によってのみ、支えられているわけです。 |
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更新日: 2015/05/29 |
疲れの裏に乱れあり。
5月にもかかわらず、暑さは早くも夏日に達しているそうです。 スタミナ滋養を心掛けましょう。 飲水によって水気のみを補充するならば、 「飲む点滴」こと、レバコールを服んで、 血気も合わせて補充する方がだんぜん効果的ですよ。 さて、今回はそんなスタミナと「血圧」の関わりについて。 血圧は血管内を流れる血液にかかる圧力ですから、 これが高いという事は、血液を巡らすのに、 それだけ強い力が必要という事でもあります。 ちなみに血液に強い力がかかるときは、血圧の上昇以外にも、 脈拍の変化や心拍数の増大なども伴ったりします。 では、なぜ強い力が必要になるかということですが。 一つは、そのものずばり「流れにくいから」ですね。 血管が細くなった、血液の粘性が高まったなどを経て 流れにくくなった血液を何とか流そうとするからより強い力がかかる。 そしてもう一つは、「いち早く流したいから」。 その背景には、からだの活動を上げていくという意図があります。 例えば、起きてすぐの血圧と数時間後の血圧が違うように、 活動を促すような形で血にかかる力が上がっていく。 あるいは、一時的に血流に勢いをつけて、悪いものを押し流していく。 そこには、血流に勢いをつけて、 血液と共にスタミナを届けていくという意味合いがあるわけですね。 ただ、血液にかかる力の多くは、血管の弾力に吸収されますから、 実際は、「血管断面の広がり:1脈動で送られる血液の増加」へと変わります。 そういうことが影響して、脈拍や心拍も変動していきます。 では逆に、血液にかかる力が弱くなるのは、どんなときでしょうか? 一つには、そのものずばり「流れやすいから」です。 高血圧気味の方が、暖かい季節になると血圧が落ち着くのは、この事ですね。 もう一つは「流せないから」。 食後に気だるくなるように、活動を抑えるような形で血にかかる力が抜けていく。 活動を抑えるタイミングには他にも、 夕方から夜にかけての時分や、リラックスしている時、 はたまた慢性的に症状を抱えている時や、 長らく疲れ、バテた時分なども含まれるでしょう。 そしてこのような時分は、 スタミナにとって「回復」の時間に充てられる時間。 ですから「流したくても、流せない」といったところでしょうか。 そして消耗の程度が激しいほど、この傾向は強くなると考えられます。 |
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更新日: 2015/05/27 |
疲れの裏に乱れあり。
「続・スタミナと暑気」と題しまして前回の続きです。 まず、おさらいですが、暑気に晒されたからだには、 汗で消耗した水気の補給と同時に、 「汗をかく」ことで損耗したスタミナの補給も必要になります。 このスタミナは、からだを巡る血に宿っていますから、 その補給というのはやはり、血の巡りに因るところが大きい。 そして、「スタミナは血に宿る」とは即ち、 ①血液そのもの(陰気)に宿る②血の巡り(陽気)に宿る という2つの事象を含んでいますから、 スタミナ補給とはその実、 ①血液の滋養(養血) ②血の巡りの滋養(活血) この二つをバランス良く行う事と考えられます。 話がすこし逸れますが、上の様な事は、 暑気による発汗で、スタミナを消耗したときでも、 逆に、いつも冷房の効いた部屋にいて 汗をかかない生活を続けたときでも当てはまることです。 ただし、前者は、発汗によって陰気と陽気をバランス良く消耗していくのに対して、 後者は、冷気によって陽気のみを損耗していくという違いがあります。 そして、温かい時季の大気には陽気が満ちますから、 汗をかく生活では、この陽気の恩恵を受けられますが、 冷房の利いた部屋では、自然の陽気を活かしていくことは決してできません。 そういう意味では過剰な冷房によって、 自ら陽気を損なうことに「不自然さ」を感じずにはいられません。 もっとも、からだに蓄えられた陰気や陽気は、「使う為」にあります。 「若さを浪費してはいけない」というのと同様に、 「それらを消費し何をもたらすか」という点が、とても重要なわけです。 間違っても、後生大事に取って置くため存在するわけではありません。 「スタミナを消費して汗をかくこと」は実際、体にとって大変に価値のあること。 簡単に言ってしまえば「健康的」なわけです。 対して「冷房の冷気によって陽気を損なうこと」は、からだにとって損しかありません。 簡単に言ってしまえば「不健康」なわけです。 冷房の話をしましたのでそのついで、という訳ではありませんが。 皆さんも、冷房の1℃の違いで、寒気の体感が大きく変わる、 というのを経験した事があると思います。 からだの表面がそうあれば、からだの内側もそうではないでしょうか? 冷房の設定温度を気にするのと同じように、 口に服む飲み物の温度にも気を使う。 からだの内側だから、外界と接しにくいから、尚更の事だと思います。 ![]() こちらの記事は、漢方柿ノ木薬局のfacebookでも掲載しています。 facebookへはこちらから ![]() また漢方柿ノ木薬局の詳しい情報はこちらでも ![]() |
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更新日: 2015/05/25 |
疲れの裏に乱れあり。
京都市内の今朝は比較的に冷え込みました。 だたし、日中の日差しは衰えず・・・。 体調管理も一苦労ですね。 さて今回は、これまでの総括としまして 「スタミナと暑気」について、とりまとめていきたいと思います。 暑気に晒される、あるいはそういう状態が続いて疲れを感じる。 そういう時、からだの血に宿したスタミナは 発汗によって、じわじわと消耗していきます。 汗によって大きく失われていくのは、血液の潤い。 単なる潤い(水気)ではありません。血液の潤いです。 実際に舐めてみると、汗が単なる水気ではない事はすぐにわかると思います。 そこには塩気(ミネラル)が含まれており、 この水気とミネラルを効果的に補うために、経口補水液が注目されます。 ですが、ここで少し考えてみてください。 たしかに水気とミネラルによって、汗(で失ったスタミナ)は補われます。 けれどもこれによって 汗をかくというからだの働き(で失ったスタミナ)は補われるでしょうか? 「もの」と「ものを動かす働き」。 「もの」を補充するだけでは、「ものを動かす働き」は高まりません。 「汗」と「汗をかく」という働きの関係は、まさにそれです。 言い方をかえれば、汗をかくという働きによって失うのは、 汗だけではないという事。 からだの働きそのものも、消耗している。 働きに関与したスタミナを、損耗している。 私の意見ですが、からだの働きに関与したスタミナを損耗する、 そういうことを通じて、俗にいう疲れを感じるのだと思います。 そして、そういうからだの働きこそ、 血を巡らせる「スタミナ」によってもたらされるものです。 ただ、ご注意いただきたいのが、 暑気が盛んになるほど発汗が激しくとなるという点。 より大きな暑気に身を晒すほどに、からだは過熱を回避しようとして 汗をかく機能を高めていきます。 それは、暑気が解消されるまで衰えることはありません。 それまでスタミナが保てば良いのですが、 普通に考えれば、暑い時季の暑気には際限などありませんから、 真正面からぶつかり続けると、スタミナの方が確実に先に尽きます。 すると途端に汗をかけなくなり、過熱が一気に進んでしまいます。 そうならないために、「盛夏の日中外出は適度に控えましょう」 というのが奨励されるわけですね。(つづく) |
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更新日: 2015/05/22 |