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これからの季節、大気の乾燥化が進んでいきます。
そして同時に、じょじょに寒さが際立ってくる。

乾燥に対しては保湿に先んじて、補湿を。
寒さに対しては保温に先んじて、補温を。
そして、暑さに対しては保冷に先んじて補冷を。

保つ前に補う。そのための秋といえるでしょう。
収穫の季節ですから。
収穫・・・、自分に不足しているものを補うのに最適だと思いませんか。
まだ日中は暑いぐらいですから、代謝も整っていますし。

保つというのは良くも悪くも現状維持です。

どうせからだを温めるために口にするなら、
温かい食事よりも、からだを温める食事(食材)を温かく食した方が良いでしょ。
そのあたりは、五性(簡単に言えば、温める作用から冷やす作用の五段階表記)
の考えをもつ漢方が大変に有効です。

スキンケアでは多くの場合、補湿クリームを用いる前に
化粧水を用いて補湿して、乳液を用いて、保(捕)湿を整えます。

唐突ですが、砂漠化を抑制するために私たちは、植林を行います。
いきなり水を撒くなどという荒事はしません。
水がすぐに蒸発してしまうからですね。
地盤の保水力を引き上げるために、植林をするわけです。
けれども、砂漠のように粗い土では限界があります。
ですから加えて効果的なのは、土の質を変えてやること。
水を含みやすい(含水率の高い)土に変えてやること。
まぁ、砂漠では技術的に困難な部分もありますが、
人の肌にも同様のことが言えると思います。

そして土の性質、肌の性質を決めているのはやはり、
土そのもののの特性、肌のそのものの性質です。
・・・当たり前の話でしょうが。
ですから足りない「もの」を補うことに加えて、足りない「こと」を補いましょう。
それは漢方が一番に得意だと、私は思います。

今日から9月です。
京都市内は雨のようです。
幸先が悪いなぁ・・・。

秋口はぼちぼちと、アトピーや乾燥肌、かゆみなどの肌症状、
また咳や喘息などの呼吸器症状が現れやすく時期です。
俗にいう、皮膚・粘膜の乾燥やそれに伴う敏感症状。
そして敏感になる背景には、
体液や血液のように、からだを潤し冷やすものの不足が大きく影響しています。

秋口(=夏の終わり)は血液が消耗している時期です。
ひと夏の消耗は、特に発汗による部分が大きく、汗は他ならぬ血液から作られます。
また発汗にはエネルギーも必要ですから、
汗をかくというのはそれだけで気力、体力を消耗する行いです。
そして、それが目に見えて現れるのが、また血液というわけ。
含まれる液分が少なくなれば血液はドロドロとなり、巡りにくくなっていきます。

エネルギーでも血液でも、そのトラブルは末端や表面から現れるのが常。
冷えもその典型といえます。皮膚や粘膜も、からだの「外側」に位置しています。

また、ただでさえ消耗した血液は、
秋の深まりとともに、体の内側へと収蔵されていきます。
ですから内臓の血液循環は概ね良好ですが、
体表の皮膚や粘膜は慢性的に不足していき、
皮膚や粘膜にはますます弱体化していくというわけです。

冬の備えは秋にこそ。

自然界の動物は冬の寒さや冬眠、食糧難に備えて
秋に食料を備蓄したり、食べ蓄えたりするものです。
人間も等しく、秋は冬に備えて準備に入る季節。
人間の体はそれを知ってか、食欲は増進する傾向にあるわけで、
食欲の秋というのもその辺りが縁深くあります。
ただし、現代の人間は冬に食物が少なくなることもなく、まして冬眠することもない為、
ほどほどに旬のものを楽しむくらいにしておかないと、
収めすぎて肥満の心配をしなければならなくなります。

漢方では、夏は体内の毒素や老廃物や病床を取り除く、
発散の季節として考えられています。
汗をかく機会が増えることや、尿量が増えることは、発散しやすくなっている証拠です。
ただし、汗をかきすぎると疲労感を伴うように、
発散は気力や体力=気血を消耗する行いでもあるわけです。

ですからキレイになった体内へ改めて、健康エネルギーを取り入れる必要があります。
夏の発散で消耗したからだに、秋の収穫で新鮮な気血を補う。
その一番大切な目的は、冬への備えというわけです。

やはり何事も、備えあれば憂いなしということで。

中国三千年の歴史とも四千年の歴史とも言いますが、
少なくとも約二千年前には漢方の理論は出来上がっていました。

中国最古の医書に「黄帝内経」があります。
前漢(BC202~AD8)の時代に編纂され、
漢方理論を説く「素問」と鍼灸の話がメインの「霊枢」に分かれます。
このうち素問は、黄帝と岐伯の問答形式によって成り立っています。
これらの書物のオリジナルは内戦などで消失したといわれています。

そして、さらに編集された「太素」や「明堂」の写本が
京都の仁和寺に保存されているのは興味深いところです。
また、二千年も前の理論が今もって
東洋医学の診断に生かされているのはさらに興味深いことですね。

日本の民間薬には黒焼きの類が多いです。
例えば、
・山ウサギの頭の黒焼きは血の道に効く
・モグラの黒焼きは痔に効果がある
など、昔から500種類近い黒焼きが伝えられています。

黒焼きの材料は主として廃物。
ナスのヘタ、貝殻など、食用にしない動植物が当てられます。
黒焼きの根底には、自然界にあるものはどのようなものでも無駄なく使おうという発想があります。
また黒焼きにすることで長期の保存がきくという利点もあります。

黒焼きは材料を素焼きの器に入れ、蒸し焼きにして作る。
今日から見ればそんなものに効能があるのかと、誰もが疑うことでしょう。
事実、黒焼きは単に物体が炭化したもので、炭素とタール以外何もないと非難されたこともあります。
ですが一方で、蒸し焼きによって生じるタール質の中に特異な成分が含まれると主張する薬学者もいます。
伯州散という漢方薬は、急性あるいは慢性の化膿疾患に劇的な効果をしめすことで定評があります。
ところがこの漢方薬は、モクズガ二、マムシ、シカの角をそれぞれ黒焼きにして、その細かい粉末を等量に混ぜただけのものというから驚きです。
このことからも、漢方の専門家は黒焼きに薬効がないとは、決して言えないのであります。


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