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ただでさえ寒い日に風に当たると、さらに寒く感じてしまうもの。
場合によっては悪寒を走らせる。
そのように仕向けるのも、また風の仕業。

風雲急を告げる。
風は乱すのが最大の役割。
それ自体が大きな変調を伴うとは限りませんが
風がなければ、また何事の変動・変調もまた起こりせん。

気候・土地柄を意味する風土は、文字通り風と土からもたらされる。
土はそこに在るもの、風はそこに訪れるもの。
そういう面では、良いものを運ぶ風こそ良風か。


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寒い季節に吹く風が体に堪えるのは、私だけではないはず。

風には多かれ少なかれ、勢いがあります。
武田信玄で有名な風林火山でも、
「疾きこと風の如し」と、風の勢いについて言及しています。

東洋医学では、風が体にさまざまな変調を起こすと考えました。
風が命中する=中風という状態を唱えるほどです。
物事の勢いやそれに伴う変動は、人の体にも急な変調をもたらす。
その万物の変化や勢いに、風という字を当てた訳です。
平たく言えば、悪い風を伴って成るのが病気、
良い風を伴って成るのが健康です。
その風が外からやってくるのか、
自分で練り出しているのかの違いはありますけれども。
悪い風がご存じの風邪、ならば良い風は・・・。

葛根湯はその配合に麻黄を含む為、実はそこそこ強い働きを持っています。
古典の傷寒論にも「・・・汗無く悪風するは、葛根湯之を主る」と、
汗をかかないものを発汗して治す方剤 として記載されています。

けれどその強い発汗力が、ときに体の負担となる場合があります。
発汗による体力を消耗。血行促進による動悸・血圧異常、排尿異常。
あるいは麻黄自体が合わずに起こる胃腸障害など。

葛根湯を躊躇うときに用いる処方として、桂枝湯があります。
この処方は葛根湯から麻黄と葛根を除いたものですが、
同じ系統のお薬でもあり、兄弟のような関係にあります。
本来は 葛根湯より軽微なもの 、かぜで言えば項背に緊張が無く、
寒気もそれほど強くないものに適したお薬ですが、
店頭では 葛根湯の強い作用が懸念される方 にも応用されます。

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桂枝湯に配合され、その名前の元にもなる桂枝は解肌をなす生薬です。
解肌は、 皮下組織の働きを整える事 と解釈されます。
例えばかぜの場合、汗が出ている人は自然と出なくなり、
出ていない人は汗が自然と出るようになる。
汗を出す向きにも止める向きにも働くので、
その作用は一方通行な麻黄よりも、ずっと穏やかです。

そんな桂枝を含む桂枝湯は解肌・調和営衛の作用を持ち、
からだを温めて、解表(発汗・利尿)を促す葛根湯に対して
からだを温めて、身体機能の調和を促すお薬とされ、
寝汗や湿疹などの皮膚トラブルや、神経性の下痢・腹痛に応用されます。

葛根湯の適応症は、冬かぜ以外にも
頭痛や肩こり、種々の炎症性疾患(扁桃腺炎や中耳炎、乳腺炎)、
上半身の神経痛、蕁麻疹などがあります。
けれど実際はそれぞれの症状に合わせて
生薬を加味した方がより効果的です。
葛根湯は素方(素の葛根湯)だけでなく、いくつか有名な 変方 が存在します。
中でも次の加味方は、よく知られています。

葛根湯+辛夷・川芎(鼻づまり、頭痛向け)
葛根湯+桔梗・石膏(中耳炎・扁桃腺炎向け)
葛根湯+蒼朮・附子(肩こり・神経痛向け)

葛根湯に生薬を加える事には、
その働きを増強したり、方位を変える狙い があります。
例えば辛夷・川芎の組み合わせは、
通竅(閉じたものを通す)・活血・止痛等の作用をもたらす。
これを加えることで、葛根湯がより鼻づまり・頭痛向けになります。
同じようにして桔梗・石膏は、消炎・排濃を体表面に、
蒼朮・附子は、燥湿(湿気を除く)・袪寒(温めて血行を良くする)を筋肉に与えます。
ぜひそれぞれの症状を通して、葛根湯を積極的に活用してみて下さい。

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葛根湯+辛夷川芎は製剤化されていますが、
他の変方はOTCで全く見かけません。
変方の取り扱いは、漢方専門薬局が得意とするところ。
葛根湯は合っている気がするんだけど、こんな症状にも使えるの・・・?
そんな疑問も、ぜひ店頭にてご相談下さい。

※実際には、葛根湯にも合う人と合わない人が存在します。
特に胃腸の弱い人、筋肉が弛緩している人、
発汗傾向の強い人、循環器系疾患の診断を受けた人は注意が必要です。


ちなみに 最初から全部を加えておけば良いのでは?
疑問に思うかもしれませんが、あまり多くの生薬を加えてしまうと、
構成が複雑化して、葛根湯本来の切れ味が低下してしまいます。

これは漢方全般に言えますが、ある漢方薬の効き目を100としたとき、
それに加味する事は正方形を、同じ面積の長方形にするような感覚です。
けれどこれを繰り返し過ぎると、効き目の100が100→90→80と減じていきます。
何事も、要らないものは摂らないでおく事が漢方薬を効かせるコツです。

冬かぜといえば、葛根湯の出番。
漢方薬の中でも、よくご存じのお薬の一つです。

けれど葛根湯は単なるかぜ薬ではありません。
この薬は からだを温めて、解表を促す薬 です。
からだを温めて、発汗や利尿を促すことで、悪いものを追い出す。
冬かぜが相手なら、悪寒や上気道炎、節々の強ばりを。
頭痛や肩こりが相手なら、血行不良や筋肉の緊張を。
中耳炎や蕁麻疹なら、小規模の炎症や腫れを、汗や尿で追い出します。

なお、葛根湯はその性質上、追い出せる対象は制限されます。
どんなものでも追い出せるという訳でなく、
どんな冬かぜ、頭痛、肩こりにも効くという訳でもありません。
葛根湯はそもそも 外感風寒による諸症に用いるお薬 ですから、
追い出す対象は共通して風や寒の性質をもちます。
それを踏まえて、葛根湯で追い出せるものを挙げると
次のようなイメージになります。

・軽いもの(初期のもの)、急に現れるもの
・体の浅い部分に現れるもの(喉や皮膚、頭部のもの)
・強ばりを伴うもの(一時的な血行不良によるもの)

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実際、葛根湯は冬かぜの初期にはよく合いますし、
頭痛や肩こりも、かぜに伴うものだけでなく、
血行不良を伴う緊張の強いものにも優れた効果を発揮します。
葛根湯を早めに飲むことは、かぜや頭痛、肩こりの進行を防ぎ、
いち早く治める狙いもありますから、風や寒さの勢いが強くなる
今の時期こそ、積極的に用いたい処方です。

ただ実際は、葛根湯にも合う人と合わない人が存在します。
特に胃腸の弱い人、筋肉が弛緩している人、
発汗傾向の強い人、循環器系疾患の診断を受けた人
は注意が必要です。


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