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体に巡る気を伸びやかにすることは大切ですが、
それは  散らす  という事ではありません。

気が広がるのと、気が散るのは全くもって違いますから。
やはりどういう場合でも、気が散るのは心地良いものではありません。

広がるとは適材適所:必要なところに行き着くということです。
言いかえれば、此処は広がってよいが、
此処より先へは広がっては駄目という区切りがあります。
それはつまり、広がったものがそこにあり続けるという事でもあります。
以前にも少し触れましたが、気は体の事象に形を与える存在であり、
そこに  気が存在し続けることで、形が保たれる  訳です。

対して、散るとは烏合胡散のように、手の届かないところに行ってしまうことです。
気が散れば、それによって保たれていた形も無くなってしまい、
続いて形が無い状態で散っていくものだから、さらに始末が悪くなります。

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気が散るといえば、思い及ぶのは集中力との関わりですが、
この2つを結びつけて考えますと、
集中力を養うには、気を広げる練習を行うことが大切だと感じます。
ただし、何の緊張も刺激もないところでいくら集中力を養っても、それは不十分です。
本来は、そういったものが存在する状況でも、
同じように集中できるように心身をもっていく
(=気を広げていく)ことが求められるはず。

 動じないようにする  のは、つまりは気の広がりという事であり、
動じにくい気の広がりやそれに類するものを、私たちは胆力と呼ぶのでしょうね。

イタリアのことわざに
 ゆっくり行くものは、安全に遠くまで行ける というのがあります。

人生の教訓を謳ったことわざですが、漢方の中では、
ゆっくりとした生活を通じて、気が隅々まで巡る事を言っているのだと思います。
それはまた、気が伸び伸びとした体は、本来の力を発揮できるという意味でもあります。

心を広く持ち、体に巡る気を伸びやかにするには、 広さ に触れることが大切です。
龍が大海を悠然と泳ぐからこその龍であるように、
体を巡る気も伸び伸びとしているのが本来の姿です。

広いとは、一つには 開放的 であるということ。
閉鎖的な場所が必ずしも悪いという訳ではありませんが、、
大空を眺めたり、壮大な環境に身を置けば、心は自然と開放に向かいます。
そういうものを外界の自然に求めるのは、人間として当然の事だと思います。

ただし極端に広すぎると、それが返って恐怖に感じることもあります。
絶景ですよと言われ、突然にサバンナのど真ん中に連れて行かれても、
何がどこから襲ってくるのかと心中穏やかではありません。
あくまで大切なのは、自分にとって居心地良い開放感を得られるかどうかです。

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また広いとは、 ゆっくり としていることでもあります。
時間的に広いということは、時がゆっくりと流れることでもあります。
分刻みのハードスケジュールはこれとは相反するものかもしれませんが、
当人がそれをゆっくりとしていると感じるなら、その限りではありません。
「お休みはどうでした?」「お陰様でゆっくりできました。」
というやりとりはよくありますが。
一口にゆっくりと言っても、人それぞれだったりします。

開放的で、ゆっくりしている。
そういう場所や時間、過ごし方は、体巡るを気が伸び伸びとする上で欠かせません。
早寝早起きをする、時間にゆとりを持って行動する、
食事に時間をかける、何かを育ててみるなんていうのも、
この事に通じる事のではないでしょうか?

冒頭に述べた「ゆっくり行くものは、安全に遠くまで行ける」ですが、
多くの人にとって本当に、 安全に遠くまで行ってほしい のは、
自らの健康ではないでしょうか?
そのためには生き急がずに、ゆっくり生く事を信条としましょう。

家は狭かれ、心は広かれ ということわざがあります。
家や生活は質素でも良いが、心持ちは広くあれという事ですが、
なかなかこれをクリアする事は難しい。
時間的、空間的にも狭い生活を続けていると、
視野は狭くなり、思考が偏りがちで、気持ちも矮小なものになっていきます。
そうして体を巡る気も伸びやかさを失っていきます。

漢方でいう気は目には見えないものですから、
それぞれの捉え方があって良いと思いますが、
私は、体の様々な事象に 形を与える存在 として認識しています。
形は輪郭でもあり、また隔たりでもあり、それは輪となって大きさを与えます。
よく気の持ち様というじゃないですか?
心地良いものに触れれば、体を巡る気は伸びやかになり、
人に備わるさまざまなものが広がります。
それは単なる大きさだけでなく、成長や機能の伸張にも通じていきます。

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もっと簡単に言えば、楽しいと感じる人と、
楽しいと感じる場所で、楽しいと思える時間を過ごせば、
気は伸び伸びとして、気持ちは自然と軽やかに大きくなります。
どういう状況でそうなるのかは千差万別ですが、人は本来はそうなるものです。
(そうならないのは、それほどに気の伸びやかさが弱っているからです)
楽しめといわれて楽しむのではなくて、理由もなく心から楽しいと思えるかどうかです。

そして冒頭で触れたように、家は狭かれ、心は広かれです。
それは何の理由も刺激もなく、心を広く保てという事ではありません。
狭い家や生活の中にあっても、その中で
広さに触れることを疎かにしてはならない
そうすれば心は本来の姿を失わずに広くあります。

では、この広さは何か?です。単なる空間的な広さを言っているのではありません。
個人的には、現代に暮らす人々は私も含めて
この広さが圧倒的に足りないのではと思います。
これについても考えるところが色々ありますので、明日に投稿します。

日本人に適した食事のバランスは、
穀物:野菜:肉の比率が 5:2:1 が理想とされています。

成人の歯の数は32本ですが、
その内訳は、臼歯(すりつぶす歯)が20本、門歯(噛み切る歯)が8本、
犬歯(引き裂く歯)が4本となっています。
臼歯は穀物と、門歯は野菜と、犬歯は肉類を食べるのに適した歯ですが、
この比率もまた 5:2:1 となり、理想の食事バランスと一致します。

また近年の調査で、戦前の日本人が食べていた食の割合が、
このバランス通りだったことが判明しています。
どうやってこのバランスに行き着いたのかは定かではありません。
長い時間をかけて育んできた食の積み重ねの賜物だと思います。
そして、ここ50年ほどの食生活の急激な変化(即ち食べ合わせの変化)が、
成人病や生活習慣病、アレルギー人口が増加させる一因となる事は、
今ではよく知られた事実です。
もちろん、そうなろうとして食生活を変えた人は誰一人いません。

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漢方では、中庸の穀物が多い食事は、
陰陽のバランスを整える上で、極めて有効な方法です。
女性が注目しやすい炭水化物抜きダイエットも、
炭水化物を抜く事と痩せる事にとらわれ過ぎて、
食事本来のバランス、からだの陰陽のバランスを見落としています。

穀物(日本人では米)は主食です。摂らないという選択ではなくて、
「どういう形で摂るのが、自分に合っているのか」を熟慮することが、
大切なのではないでしょうか?。

漢方では、日々の生活を通じて 陰陽のバランス を保つ、
即ち中間の状態に保つ事が大切であるとされています。
多くの病気や体調不良も、
この陰陽のバランスが崩れることによって起きるとされ、
心身が大きく陽性に傾いた状態、或いはそれによる病状を陽証、
逆に大きく陰性に傾いた状態やそれによる病状を陰証と呼びます。

ちなみに、漢方薬は数多くの種類がありますが、大別すると
陽証に当てるものと、陰証に当てるものに分けることができます。
例えば、身近な漢方薬の葛根湯は、陽証に当てるお薬ですし、
女性に縁深い当帰芍薬散は、陰証に当てるお薬です。
漢方治療に伴ってよく耳にする体質改善も、その実は
漢方の力を用いて、ときに病的な 陰陽のバランスを乱れを正す 事にあります。

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ただし先に述べたように、からだの陰陽のバランスやその安定性を
整えて支えていくのは、やはり日々の生活です。
そして陰陽のバランスを保つとは、
決して陰陽のつじつま合わせをする事ではありません。
現代の食生活は極陽(=極端な陽性)の動物食品と
極陰(=極端な陰性)の甘味類や果物の組み合わせが多いのが特徴です。
それは、一見すると陰陽のシーソーが真ん中で静止していますが、
ひとたび何かあると簡単にバランスを失う危うさも持っています。
陰陽のバランスを安定させる為にも、
中庸の性質をもった食材の存在は、日々の食生活に欠かせない存在です。


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