就学前の男の子。普段から痒いのか鼻の下をしょっちゅう擦る。その対策として荊防敗毒散を常用してもらい、擦ることもなくなりお母さんは安心されていました。この子が最近イライラすることが多く、鼻の下を頻繁にこするようになって心配とお母さんが相談されてきました。
最初は痒みが原因と疑いこれを抑制する目的で清熱剤を加える方向で考えていましたが、その子の皮膚には赤くなったりカサカサといった痒み・炎症反応の兆候がみえません。そこでよくよく考えてみた結果、鼻の下を頻繁に擦るのは気の上衝(要するにのぼせ)だととらえてみました。そして気の上衝の背景に季節が大きく影響しているのではないか、すなわち春=肝という五行説理論から、肝気鬱滞が主な原因と判断しました。
これが的中。肝気鬱滞を解決するため疎肝作用に優れる方剤を加え荊防敗毒散とのバランスを考えて服用したいただき1週間で目に見えて鼻の下を擦ることが減り、イライラすることもなくなったとのことでした。
まだまだ寒波がやってくるこの季節にすでに春の兆しがあるのです。お母さんは相談の時に気の上衝・肝気鬱滞・春など説明したところ「そういえば庭の桜、まだまだ硬いですが蕾がしっかりついていました。春の兆しなんですね」と。
人間も自然界の一部であること再認識した次第。
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長全堂ではお越し頂いた方々に店頭でお茶をお出ししています。インフルエンザウィルスやノロウィルスに効果のある「バンラン茶」です。
バンラン茶の原料となる板藍根(ばんらんこん)はあまり味の良いものではないので、長全堂のバンラン茶には少々味と香りがつけてあり毎日美味しく頂けるものとなっています。 最近聞いたお話しで、長全堂の店頭で漢方薬やバンラン茶を飲むと素晴らしく美味しく感じるのですが、購入して自宅で飲むとそうでもない。同じものを購入しているはずなのに不思議だ、と。 私たちとってこれも嬉しいお話しです。長全堂を信頼していただいている証拠ではないでしょうか。怪しい表現をするならば店頭では長全堂の”良い気”と一緒にのむので美味しく感じる、そんなところです。 でもこれも大事な要素だと思うのです。信頼していただくからこそ漢方薬やバンラン茶が効果を発揮するのだと思うのです。 |
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更新日: 2013/01/24 |
ある症状で漢方相談されても体調不良全ての情報をお話しされないこともよくあります。しばらく漢方薬を服用していただいていて、最初の相談で当該症状は顕著な変化はないものの最初訴えていなかった症状が軽減した、ということがしばしばあります。
例えば足のしびれのために腎の働きを補う事を中心に漢方薬を服用していただいていた男性。漢方薬を継続して服用していても足のしびれにはっきりとした効果が出ていないものの、漢方薬を服用しはじめて以来痛風がでなくなって調子は良い。といった例がありました。 最初足のしびれのお話しはされていても、痛風の事はお聞きしていませんでした。それが突然痛風のお話しをされ、私としては『えっ!聞いてないよ』と言いたい気分ですが、体調が良くなったことは良いことなので笑顔で「良かったですね!」と笑顔で応対したことがあります。 何とも複雑な気分になったことがあります。 |
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更新日: 2013/01/16 |