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健康トピックス

当店の最新情報をご案内します。

高齢者の下痢

長全堂薬局 (山口県萩市)

下痢で悩む80歳代の女性が漢方相談のため来店されました。
詳しくお話を聞くと、
下痢は必ず夜間であること、
排便前にはお腹がグルグルと鳴る、
便は水様便である、
排便後の不快感はない、
食欲は正常で食べ物飲み物は美味しく感じる、
口渇は強く感じない、お小水は普段に比べて少ない、
とのことでした。

これらの症状は、食べ過ぎや食中りではないことはすぐに判ります。ウィルスや細菌に感染した訳でもなさそうです。

こういった場合、漢方では先ず陰陽虚実や寒熱を考えます。「下痢は必ず夜間である」ことから身体を守り維持するべき“陽の気”が自然の“陰の力”に負けていると考えられます。更に「排便後の不快感が無く」「食欲は正常で」「お小水は普段に比べて少ない」ことから、本来お小水として排出されるべき水分が、自然の“陰の力”に負けて腎臓・膀胱を経由せず排出されると考え、これに対応する「排出されるべき水分を効率よく腎臓・膀胱を経由して排出し、“陽の気”を補う」処方をご用意したところよく効いて1週間もせず快癒されました。

実はこの女性、他所の病院で下痢によく使う“半夏瀉心湯”という処方を出されていました。確かに“半夏瀉心湯”は下痢症状のファーストチョイスとして繁用しますし、配合されている黄連の主成分は止瀉に優れていますが、この女性には全く無効でした。そのため長全堂に来店された訳ですが、半夏瀉心湯は胃腸に熱がこもった状態で下痢する場合に用いる処方で、「下痢は必ず夜間である」ことはないのです。

来る4月9日土曜日は臨時休業いたします。ご注意ください。

春真っ盛りです。
今年は気温が低くなかなか春を実感できずにいましたが、本日ようやく暖かくなり桜の花も一気にほころんでいることでしょう。

私たち日本人にとって”サクラ”は特別な植物です。
それまで枯れ木のようになっていたサクラの木に、春になると突然芽吹いて樹木全体を覆うように花が咲きそろい、そのうちハラハラと花吹雪になって散ってゆきます。
この光景をみていると「ああ日本人に生まれてきて良かったなあ」と思う瞬間です。

今から1200年以上前の平安時代、怒涛のように中国大陸から当時最先端の医療が日本に流入してきましたが、それ以前にも日本固有の医療があったはずです。今となってはその様子は知る由もありません、ただ痕跡が書物となって残っていると言われています。『大同類聚方』という書物がそれでです。
{ 『大同類聚方』は後代になって作られた偽書だとも言われます。しかしその内容すべてが偽物かどうか議論されています}

その中に「オオミワグスリ」といわれる処方が記載されていると言われます。それはサクラの花と樹皮を煎じて服用する処方だとか。出来上がると淡い桃色の液体になるとも言われています。
春になると得体の知れない疫病が流行するとされていました。春ののぼせによって精神的に不安定になってしまう状態をいうのでしょうか、そういった疫病を鎮める効果があると言われる処方です。

このサクラの樹皮ですが、これは今でも生薬として使用されます。生薬名を「桜皮:おうひ」といいます。皮膚病に使用される「十味敗毒湯:じゅうみはいどくとう」という漢方薬のみに配合されています。
この桜皮は日本固有の生薬で中国では使用されません。

1200年以上前の日本人の叡智が今も活きているのだと思うとワクワクしますね。

来る4月9日土曜日は、恐縮ですが、出張のため長全堂は臨時休業となります。
ただ長全堂はお休みですが、電話は通常どおりお受けします。
ご用があれば遠慮なく電話をかけてください。

0838-25-1895

です。

原発と花粉症

長全堂薬局 (山口県萩市)

エキセントリックなタイトルですが誤解のないように最初に申し上げます。
放射能が花粉症の原因だという意味ではありませんのでお間違えのないように。

さて、花粉症やアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎といったアレルギー性の疾患の多くが食生活の欧米化という大きな変化に起因することは漢方を生業とする者にとってもはや常識です。
普段の店頭での漢方相談において漢方薬の選定と併せて食生活に充分留意し砂糖を多く含んだ甘い食べ物をたくさん食べないように指導しています。大抵の方はこれで効果があがるのですが、中には食生活を充分注意しているにも関わらず症状が改善しない方もいらっしゃいます。何故だろう?
ここ数年このことについて色々考え、一つの可能性に行き当たりました。
花粉症が増悪するのは圧倒的に春です。春の前には冬があります。
そして最近の日本人は冬の寒さをきちんと体感していないのではないか? ということです。
私は今51歳ですが、子供の頃には花粉症という言葉すらありませんでした。思い返して今と大きく違うのは寒さの感じ方。夜床に入って弟と二人で息を天井に吐き、豆球の仄かな明かりで吐いた息がまるでゴジラの吐く火炎のように見え二人で遊んだ思い出があります。しかし今の住居でそれはできません。今は室温が高いのです。小学生だった頃、冬でも学校に行くときは真冬でも半ズボンでした。我が子は通学時に制服の上からウォームアップ用のオーバーパンツを穿いています。
どうなのでしょう、冬暖かいと快適かもしれません。
その快適さを維持するため体調を崩して(花粉症のように)いませんか?
その快適さを求めて本当に必要か否か考えもせず電気を使い、そのために原発が作られていませんか?
そして今回の福島の原発事故!
なんだかおかしいぞ!  って感じるのは私だけですか?

この冬後半になってからですが花粉症の我が子を甘やかすのを止めました。
勿論食べ物もうるさく注意しています、漢方薬も服用させています。

まだ鼻水がたくさん出たり、多少鼻づまりはします。が、鼻が詰まって夜寝られない! ということはなくなってきました。

80歳代の女性。東京で独居生活。
25年くらい前から随分とお世話になった方で、電話で問い合わせてこられました。

東北関東大震災の発生した時は外出しており、地震に驚いて帰宅。
7階建ての古いマンションの上の方に住まいがあったため家財道具や大切な食器類が破損。

地震の恐怖もさることながら、数年前に亡くされたご主人と一緒に集めた大切なコーヒーカップ等を失ったことを切々と訴えられました。
症状としては常にユラユラと揺れている(大震災以後)感じがする、食欲が無く咽越しの良い水っぽい物ばかり食べている、下を向くとめまいがする、舌は白苔で覆われている、地震の時のことを思い出すととても不安で辛いので、漢方薬を服用するには何が良いか教えて欲しい。

身体的な症状だけで判断すれば典型的な水毒(胃内停水による気の上衝)と考えることもできますが、この方の場合震災によって大切な思い出の詰まった食器を失ったストレスも考慮すべき事例だと考えられます。思い出の詰まった食器を失ったストレスも大きく上記症状に影響していると考えた方が良い事例です。

この方の場合は半夏寫心湯を服用するようにお勧めした次第。