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何事もやりすぎは良くないといいますが、これを上手く言い当てたものに「中庸」という言葉があります。やり過ぎではない、つまり「し過ぎない」「適当」といった意味合いを持ちます。
適当とは、決していい加減ということではなく、いい塩梅ということです。

西洋医学の考え方に当てはめると、数字が重要視されるので平均値という形で捉えられがちですが、漢方ではそのような考え方はしません。
一人一人の証が異なるように、その人にとっての中庸だと思われる部分があり、そこがちょうどバランスが取れて健康だとされているのです。


日常生活における、自律神経の変化をとってみてもそうですよね。
日中は多くの場合、心身が活発になり多くのストレスを抱えています。そういった状態は交感神経が優位となり、心拍数の増加や血圧が上昇しますが、その反面、消化器官の動きが鈍くなっています。

そして、仕事を終えた後や入浴後などリラックスすると、今度は副交感神経が優位となります。それまで緊張していた身体は次第にほぐれて心拍数は減りますが、一方で胃腸の働きは活発になり休息の時間へと移り変わります。

これが、交感神経や副交感神経にばかり比重が偏っていてはどうでしょう。
自律神経の乱れは、多くの疾患や不定愁訴をもたらします。そのバランスは、万人にとってベストな状態というものはなく、その人の体質やこれまでどのようなライフスタイルを送っていたかによっても、ちょうど良い加減が異なるものです。


このような考え方は、わたしたちの生活にも取り入れることができます。
他人や物、お金に対して興味や執着はあって当然のことですが、それが度を越してしまうと、様々なリスクを生み出します。そして時には、マイナス面しか残らずに幸せを逃してしまっていることだってあるのです。


自分にとっての中庸、バランスの取れた状態を知るためには日頃からよく自分自身を知っておくことが大切ですが、それに加えて、かかりつけ医や相談できる薬局などがあればより良い環境だといえるでしょう。

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今回は日本に伝わる以前、つまり中国での成り立ちについて解説していきます。

漢方の起源は非常に古く、殷の時代である紀元前1500年頃だと言われています。文献上で最古の医学の存在が確認できたのもこのころです。疾病や身体の不調を治すため、自然に存在する草や木を煎じていたのですが、まだ数種類を組み合わせるまでには至らなかったようです。

殷の時代から始まった漢方の歴史ですが、その背景には中国の気候やその暮らしが大きく関係しています。

なぜなら、中国は広大な面積を持つ国ゆえに、全く異なる気候や風土が多々存在しており、技術が進化していない古代であれば、その影響は多大に受けたことは想像に難くないからです。


中国の気候や風土は、次のように地域別に分けることができます。

▶︎東の地は海に接しているため魚をよく食しますが、同時に塩分の多い物もよく食べられていました。そのため、熱気を生じることが多く鬱血しがちです。これを打破するために、メスや時には石を用いて患部から膿や血を出す治療法が為されていました。

▶︎西の地は高原地帯に属します。気候が涼しく寒冷の地であり、室内で過ごすことが多かったようです。気分も塞ぎがちでしたので、各臓器まで悪影響を及ぼしました。そのため、臓器の状態を良くし、病を克服するための漢方が発展していきました。

▶︎北の地は日差しが弱く、寒冷な地域です。人々は遊牧民としてテントで生活し、常態的に身体が冷えていたため、お灸で温める方法が盛んにおこなれていました。

▶︎南の地は湿気が多く紫外線が強いため、日焼けをすることが多く、肌も荒れがちです。そのため、生じやすい痛みを緩和させるために鍼治療法が発達していきました。

▶︎中央部は交通に便の良い平原であり、穏やかな気候です。他の地域よりも豊かな生活をしているため、身体を動かす機会が減ると共に血行も悪くなっていました。ですので、少しでも血行を良くするために按摩が発達していきました。

このように見ていくと、古代の人々が少しでも健康に生活できるようにと工夫が凝らされていたことが、よくわかります。私たちは現在、彼らの努力の恩恵を多大に受けているのです。

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今回は、日本における漢方の歴史にとって重要な転機を紹介します。
今日の漢方医学の主流派ともなっている古方派は、江戸時代に始まりました。観念的な理論を排除して積み重ねられた経験を重んじ、古来より存在する傷寒論や金匱要略方論へ立ち返ることを目的としています。

そのため、時に後世派と激しく対立することもあったようです。
古方派では、ぜひ3人の人物を知っていて欲しいと思います。

●名古屋玄医
古方派の始祖とされ、それまで主流であった後世派を排除して古典を重視していた人物です。
彼は実に多くの書物を読んでいましたが、強く影響を受けたのが明の喩嘉言の著「傷寒尚論」です。
この書物がきっかけで名古屋玄医は張仲景を師と仰ぐようになり、後世派の根幹である李朱医学を排していくのです。

●後藤艮山
名古屋玄医が古方派の祖であるならば、彼は古方派を確固たるものにした人物です。しかし、名古屋玄医に師事して弟子になったわけではなく、入門を断られたので自力で学んだという経緯があります。

彼は名古屋玄医のように傷寒論だけではなく、効果がある民間療法や灸、温泉療法も取り入れたことは名古屋玄医と異なる点です。貧しい暮らしの中で医学を学んだ経験から、救民のために尽くしたので慕われており、患者も門人も非常に多く抱えていました。

●香川修庵
後藤艮山に医学を学んだ彼は、同時に儒学を伊藤仁斎から学ぶことで、儒と医は元来ひとつであるという儒医一本説を唱えた人物です。

彼はまた、自身でその薬効を確認して効果が確かなものだけを記録した書物、「一本堂薬選」を記しています。この書物は物事を実証的にみているなど、過去の方法や視点に縛られない姿勢がうかがえる一冊です。

この頃になると、彼を筆頭とした古方派は後世を厳しく批判していくことになります。そして、古方派はその後、山脇東洋や吉増東洞といった人物により発展の一途を辿っていくのです。

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漢方薬は自然に存在する草や木、鉱物などを材料として複数組み合わせてつくられますが、同じく身近に存在するものを原料として作られているものに民間薬があります。

漢方薬と民間薬は同じだと考えられがちですが、この二つは全く異なるものです。

そもそも、民間薬は単一の種類で構成されることが多く、全く理論化されていません。「これを飲んだら痩せたから」「この薬草で頭痛が軽くなった」といった経験が元になっており、その作り方も人から人への伝承に委ねられています。また、伝聞による継承なので固有の地域に限定されていることが多く、使われる素材もその土地に根付いた植物などが多用されています。

併せて、体系的に作られていない民間薬では、配合割合などに対しても明確な基準がないので一定の質を保つことが難しくなっています。

とはいえ、民間薬が押し並べて効果が薄いわけではありません。
中にはゲンノショウコやセンブリのように高い評価を得ているものもあり、これらが漢方に取り入れられる場合もあります。
例えば、ハトムギは民間薬では“ものもらい”に効くとされていますが、漢方薬として他の生薬と組み合わせることで薏苡仁(よくいにん)と呼び名が代わり、鎮痛作用も発揮するようになります。

しかし、効果が明確な民間薬が存在する反面、低い効果しか得られないものも残念ながら見受けられます。効果が曖昧なまま終わってしまうことが多いところも、民間薬の特徴といえるのではないでしょうか。


近年は、通信販売などで手軽に手に入るサプリメントもよく見かけますが、こちらも全ての製品について、効果が実証されているとは言えません。

やはり、医食同源という言葉もあるように、私たちの基本は食からエネルギーを得ることであって、サプリメントはあくまで補助的役割を担っているにすぎないことを自覚しておくことが大切です。

民間薬もサプリメントも、漢方薬の対極に位置するものではなく、私たちの暮らしをより豊かにする選択肢のひとつとして認識しておくといいのではないでしょうか。

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(写真は、秋空の柴胡)



最近、どことは言えないけれど何となく体調がすぐれない。
頭痛がとれないので病院で検査してもらったけれど、特に異常はみつからなかった。
そういった方、意外と多いのではないでしょうか。

漢方ではこのような、病気になる一歩手前の状態を「未病」と呼んでいます。
一見、健康そうに見えるけれども、検査ではみつけることのできないような小さな異常であったり、ほんの少しの歪みが出てきてしまっている状態です。


そもそも、検査をしても異常がみつからないのですから、西洋医学では病気とは診断されないわけです。ですが、個々の器官に分けた診断をせず、からだ全体を診る漢方では疾患の特定にとらわれることないので、不調という一つのサインを見逃さずに、それらを改善へと導いていくことができるといえます。


わたしたちが生きていく上で、病気との関係は切っても切れないものですが、それは決して、ある日突然に発症するわけではありません。
特に、年齢を重ねてから引き起こされる高血圧や糖尿病といった生活習慣病などは、これまでの食生活やライフスタイルなどの蓄積が原因となっています。
無理をしてきたり、不摂生の積み重ねによって、臓器も血管も少しずつ歯車がかみ合わなくなっていきます。時々、故障しかけることもありますが、それでも多くの機能は維持されているので見かけ上は健康に見えるのです。


色々なところで言われていることですが、古来の日本人と比べると現代では、体を使う場面が格段に減ってきていることに加え、食生活も欧米化しています。特に、食事の面では野菜の摂取量が減るとともに、肉類や糖分の多いものへと変化してきていますね。
普段からこのような生活の改善を意識していくことも未病を防ぐ、大切なポイントです。


これは病気に限ったことではありませんが、何事も起こってしまってから対処するよりも、不調や不具合を感じた時に対策を施すのとでは、かかる労力や時間も違います。
普段から自分のベストな状態を把握しておき、からだの小さな変化にも気付けるようにしておくとよいでしょう。


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