2~3年前よりイボ痔が出始めた。初めの頃は、手で押さえれば中に引っ込んでいたが、最近はなかなか戻らない。特に辛いものを食べた後や下痢をした後に悪化する。市販の塗り薬を塗っても治らないので、漢方薬局で相談してみようとご来店された。
体質は、胃腸が弱く、脂っこいものを食べ過ぎると下痢をする。痔は下痢をした後が特に悪い。ひどいときは出血や痛みを伴う。また、冷え性で、生理不順(40~60日周期)もある。その他、肩こり頭痛あり。コーヒーは日に3杯。
漢方薬は、せんじ薬で当帰建中湯(とうきけんちゅうとう)を処方し、患部には紫雲膏(しうんこう)を塗ってもらうことにした。2週間後、痔が引っ込んだという。また、紫雲膏をつけるとすぐに痛みが取れるとのこと。そのまま継続してもらうこと約半年が経過。今では痔は全くでなくなり、冷え性も改善されて、生理も順調(30日前後)にあるという。
漢方では、痔は肛門付近の血行不良が原因で起こると考えている。この方の場合も、平素から腸が弱く、生理不順もあることから、お腹が冷えやすく、肛門部での血流が悪かったと考えられる。当帰建中湯は、お腹から肛門部にかけての血流を改善するため、痔と生理不順が同時に治ったと考えられる。
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更新日: 2011/04/28 |
1年前に、突然残尿感と排尿痛が出た。膀胱炎かと思い病院へ行ったが、細菌は出てこず、神経的なものでしょうとのことだった。その後も治らず、小水に行っても何かすっきりとせず、何度もトイレに行くときもある。一時精神安定剤も飲んでみたが効果はみられなかった。また、婦人科などにも行ってみたが、特に異常はないとのことだった。
体質をいろいろと伺ってみると、神経質で疲れやすく、天気が悪い日や季節の変わり目になると、肩こりがひどくなり、頭痛やめまいが出ることもあるという。また、2~3年前より、家でのストレス(子供の受験や親の介護など)が溜まっていたとのことだった。 漢方薬は、苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)を処方。飲みはじめてすぐに、小水が多量に出たという。その後は、残尿感や排尿痛も徐々になくなっていき、持病のめまいも起きなくなった。現在も、少し変だなというときに、この薬を飲むとすぐに落ち着くようで、彼女の常備薬になっている。 |
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更新日: 2011/04/27 |
以前から、わきの下や下腹など、皮膚の柔らかいところに痒みを伴う湿疹が出ていた。いつもは病院でもらっているステロイド系の塗り薬をつけたら治まっていたが、ここ一年ひどくなり、薬を塗っても治まらない。まだ数もだんだん多くなり、今では太ももやお尻にもでき始めた。とても痒くて、かき崩すと黄色っぽいような水が出てくる。
体質は、色白で汗をかきやすく、お腹の肉は柔らかくぶよぶよとしているという。また、甘いものを好み、菓子パンやチョコレートなどをよく食べる。大便は2日に1回。生理は順調である。 漢方薬の防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)を処方。飲みはじめてから、お小水の量が増え、大便も毎日出るようになった。1ヶ月がたった頃には次第に痒みが軽くなり始め、3ヵ月後には湿疹もほぼなくなった。また、漢方薬を飲みはじめてからみるみる体重が減り、68kgあった体重は3ヶ月で62kgまで減った。 この方は、典型的な"水毒体質"である。水毒の方は、体に余分な水が溜まりやすく、太りやすい。また、水っぽい湿疹も出来やすくなる。甘いものは、水毒の原因になるので、摂りすぎに注意しなければならない。この方も治ったと油断して、また甘いものを食べ過ぎてしまうと、元の体質に戻ってしまうだろう。 |
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更新日: 2011/04/23 |
2年前より人工透析を始めたが、半年くらい前より皮膚に痒みが出始めた。病院でもらったステロイド系の軟膏を塗ると、一時的に痒みは治まるが、またすぐに痒くなる。はじめは足のすね辺りが痒かったが、最近太ももやお尻、背中の辺りまで痒くなり、全身へと広がってきた。患部は黒ずんでいる。だんだん広がっているのを不安に思い、漢方薬で体の中から治そうとご来店された。
漢方薬の黄連解毒湯(おうれんげどくとう)を処方。1ヵ月後にご来店されると、痒みが半減しているとのこと。そのまま同じお薬をお出しした。さらに1ヵ月後、痒みはほとんど治まったとのことだった。その後も継続して漢方薬を飲まれているが、今のところかゆみは出ていない。 漢方薬は、外から痒みを抑えるのではなく、体の中に溜まっている痒みを引き起こす"毒”を排出解毒する。特に透析中の方や腎臓が悪い方は、体内に毒が溜まりやすいので、漢方薬が有効なことが多い。 |
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更新日: 2011/04/19 |
1年前よりかんの虫が強くなり、すぐにかんしゃくを起こすようになった。1度興奮するとおさまるまで時間がかかる。ひどいと家族にかみつくこともあるという。また夜泣きがひどいときもある。その他にはとくに問題はなく、食欲もあって大小便に問題はない。
漢方薬の抑肝散(よくかんさん)を処方。飲みはじめて10日が経った頃からひどいかんしゃくはなくなる。続けること3ヶ月、夜泣きもなくなり、かんの虫は起こさなくなった。 |
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更新日: 2011/04/15 |