暑い夏が終わり、気温が下がってきますと、同時に大気が乾燥
しはじめます。この時期に多いのが乾いたセキと皮膚のかゆみ
です。眼の粘膜が乾燥すると、角膜にキズがついてコロコロ感が
出てきますので、角膜が乾燥しないように予防しなければなりま
せん。気管支粘膜が乾燥するとタンが粘って吐き出しにくくなり
ますのでセキが連続して止まらなくなります。気管支の中を
潤った状態に修復させることが先決です。夏のダメージが出て
くる秋口から徐々に使用量が増える補陰剤という分類の処方で
対処します。腸の粘膜が乾燥すると硬いコロコロ便になります。
下剤ばかりではなく、腸粘膜をウルウルにすれば便はスムーズ
に出てくれるはずです。漢方用語で潤腸通便という効能のある
処方が適しています。皮膚が乾燥すると皮膚の油分がなくなり、
たとえば足のスネあたりが粉を吹いたようにカサカサになり、
かゆみが強いと無意識に掻きむしってキズだらけになってしま
います。かかとのガサガサも同じです。皮膚の乾燥は血液循環
を促しながら余分な熱を冷まさなければなりません。血液は
水分も運んでいますから、血液を循環させますと手足の隅々
まで水分を行き渡らせることができます。皮膚が乾燥しますと、
冷却水が不足し、体表に熱が生じます。漢方処方の補血剤や
清熱解毒剤が基本となります。保湿クリームやローションも
良いでしょう。
内と外から皮膚を潤すことが秋・冬のスキンケアです。
ツイート |
更新日: 2015/10/13 |