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  桜の便りが近づくと、元気で学校に行ってもらいたいと祈る
のは、親心というものである。春休みは子供の相談が増えるの
も当然であろう。

  小学校5年生の少女は、去年の1月に急に激しい胃痛と吐き
気に襲われ、急性胃腸炎と診断され、5日間の入院となった。
退院後も食べると吐き気を催し、春になってやっと元気が出た
という。今年の正月に再び同じような症状に襲われ、1月は12
日間、2月と3月にも10日間ずつ3回入院し、現在も食欲不振と
吐き気がとれないと来店した。普段から体温は低く、おとなしく
神経質だが、医師は自律神経の影響ではないという。吐き気と
胃痛を伴う流感の延長であると考え柴平湯(さいへいとう)を処方

  数日すると電話があり、漢方薬を飲むと下痢をするという。
良く聞くと、便通も毎日1~2回でゆるめで形はあり、水分をあま
りとらない方で冷たいものは絶対に口にしないという。小便も
5~6回くらいである。

  人間には、無意識のうちに自分に合わないものを拒絶する
本能があり、症状が表面に現れないことがある。胃腸の陰陽
のバランスを整え、働きをよくする小建中湯(しょうけんちゅうと
う)と、腸を温める理中湯(りちゅうとう)を併せて服用すると、2服
で食欲がわき、吐き気がなくなったと報告があった。

  今シーズンも風邪がはやり、3月よりひどい咳(せき)が出る
ようになってきた。急性のものは外感、つまり身体に余分なもの
が侵入し、まだ体表面に病があるものであり、慢性のものは、
五臓六腑(ぷ)に病が侵入したものと分類する。咳嗽(がいそう)に
関係する臓腑は、主に肺・脾(ひ)・腎・肝であり、口のかわきや痰 
(たん)の有無、全身のだるさや汗の有無、食欲の異常や衰弱の
状態などから、どの臓腑に病証が存在するか判断し、漢方薬を
調合していく。

  63歳の女性の場合は、昨年12月より風邪を引き、4カ月間通
院していた。3月の中旬の時点では手足が冷え、悪寒がする。
胃が重だるく、少食で時たま悪心を感じる。朝起きると咽喉が痛
く、しわがれ声で始終咳が出て夜も眠ることが出来ない。白と黄
色の痰を伴い、量は少なく朝方に出る痰は黄色みが多い。咳で
腹筋が痛く、激しいときは尿をもらしてしまう。

  この女性は脾を傷められ、さらに肺に熱があるため肺の滋潤
ができず、肺気が失調している病証である。脾と肺の気を補うた
めに「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」を使い、肺の滋潤に「麦
門冬湯(ばくもんとうとう)」、肺の熱を冷ます「石膏(せっこう)」を
加え服用していただいた。四六時中続いた咳が1週間で止まり、
10日で体力がだいぶん戻ってきたと喜びの電話をいただいた。


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