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70歳代 女性 
 この時期になると牡蠣が食卓に上ることが多い。牛窓も産地だから、多くの方が牡蠣剥きの仕事をする。ベテランともなると70歳代が多く、80歳代も珍しくない。一日中寒いところに腰を掛けて、手だけ動かす仕事だから結構きつく、若い人はなかなか従事してくれない。そのせいで仕方なく中国人やベトナム人を雇うが、結構失踪して行方不明になる。法律的には違法滞在だが、見つけると雇用主が旅費を負担して送り返さなればならないから、警察に失踪届を出すことはしない。こうして国内に犯罪者、或いは予備軍が増え続ける。
 この女性は1週間前に、薬局に入ってくるのも一苦労のような格好で入ってきた。腰が痛くて仕事を休んだと言っていた。でも人手不足なことは重々承知だから、できるだけ仕事に行ってあげたいと言う。本来なら病院で強い鎮痛薬でも貰って仕事をこなすのだろうが、あいにく喘息があるからそのような薬は飲めない。そこで漢方薬1週間分作り、ある運動を教えてあげた。
 今日病院の喘息の薬を取りにやってきたときに、あれからおかげで仕事に行っていると笑顔で報告してくれた。そして僕が教えた運動を真似てやってみせ、「あれから毎日やっている」とこれまた笑顔で報告してくれた。
 僕らが美味しくいただいている毎日の食べ物には、実はこんな物語も多く隠れている。僕は運よく田舎で生まれ田舎で育ったから、こうして毎日働いている漁師やお百姓を見てきた。その人たちの純朴な人柄も知っている。決してスマートではないが、僕らの生活の根本を支えてくれている。首から上だけで巨万の富を稼ぐ人たちも、首から下で懸命に生きる人たち抜きでは1週間も命は持たない。誰が、どんな人が本当は尊いか、国民みんなが政治の愚策で飢える前に知っていてほしい。


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