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60歳代 男性 
2週間前に、足のむくみの相談で来られた。確かに靴下の跡が食い込むようについていたからかなりのむくみだ。ただそれ以上に僕が気になったのは、膝から下が両足とも、出血した跡が広範囲で、見るのも痛々しいくらいだった。普通の方なら気持ち悪くて見ておられないだろう。これは明らかに静脈のトラブルで、むくみも同じ原因だと思った。足は他にも痛みとしびれで、ゴルフどころか車の運転も出来ずに、奥さんに乗せてもらって来た。靴を履けないのだ。その血栓のために一番悪化しているところは痛くてしびれているらしい。
何年も病院にかかり14種類の薬を飲んでいるが悪化が止まらず、同じような患者さんに紹介されてやってきた。
2週間後の今日真面目に2回目を取りに来た。「どうですか?」と言う僕の質問に「あまり変わらない」と答えたから僕は患部を見せてもらった。すると確かにむくみが改善したとは言えない状態だったが、あの気持ち悪い両膝から下の出血の跡が全く消えていた。僕は間違っていたのかと思いカルテを見直すと、両膝から下出血班と記している。「ご主人ひょっとしたらこの辺り一面赤黒く覆われていたんじゃなかったっけ?」と尋ねると、「そういえばきれいになっとるな」と照れ臭そうに言った。ついでに「ご主人、痛いとかしびれるとか言ってなかった?」と尋ねるとそれも治ったと言った。
 本人はむくみを取りたくて相談に来ているから、血栓症は興味がないのか、意識になかったみたいだ。ただ2週間でこれだけ改善すると言うことはかなり薬はあっている。もし僕が、効かなかったのかと諦めて処方変更すれば、正しい薬からどんどん離れていってしまう。これが駄目ならあれ、そうした物売りには僕はなりたくない。
 「これだけ2週間で改善したら、楽でしょう」と言うとそこで初めて効果を認めてくれて「だから今日は自分で運転して来られた。ずっと女房が運転してくれていたんじゃけど」と言った。「よかった、治っても治らんと言う人がいるもんで、ご主人がそんな人でなくて良かった」
 田舎の薬局を継いで50年近く良く飽きもせず続けてこられたものと思う。こうした不器用なやり取りのおかげで、お互いの肩の力が抜け、意外と真実(病因)に迫れるのかもしれない。


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